花粉症とコロナ 似ているから怖い、専門医「判断の基準は発熱」

[ 2021年2月8日 05:30 ]

コロナと花粉症の症状比較
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 花粉症の季節が本格化する。新型コロナウイルス感染症と症状が似ているため、花粉症だと自己判断してしまった場合、コロナの感染に気付かず、重症化の恐れや感染を広げてしまう心配がある。コロナ禍の花粉症対策に、多くの医療機関や専門家が「早めの治療や対処をしてほしい」と呼び掛けている。

 東京都は八王子市と青梅市で3日にスギ花粉の飛散が始まったことを確認。例年より14日、昨年より8日早かった。都によると、今年の花粉の量は昨春に比べると、1・8倍になるという。

 東京では2人に1人が悩まされているといわれる花粉症。街角からは「鼻がムズムズ」「目がかゆい」との声が聞こえ始めた。せきや倦怠(けんたい)感など新型コロナ感染症と共通する症状が多く「コロナなのか花粉症なのかなかなか区別がつきにくい」と医療関係者は指摘。さらに「花粉症患者がコロナに感染していても無症状の場合もある。自覚のないまませきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)で感染を広げてしまう恐れがある」と懸念を示す。また、花粉症で目や鼻にかゆみを感じて手でこする回数が増えると、指についていたウイルスが粘膜から感染するリスクも高まる。

 日用品メーカー「エステー」による「ニューノーマル花粉対策ガイド」を監修したナビタスクリニックの久住英二理事長は「判断の基準は発熱。花粉症で熱が出るケースは少ないので、発熱していたら必ず医療機関に相談してほしい」と呼び掛ける。ガイド内では「くしゃみはマスク必須。できるだけ下を向いて」「目や鼻をかく前に消毒を」「マスクの予備は多めに。ゴミ袋も携帯を」など具体的な対策にも触れている。

 都内クリニックの勤務医は「コロナ禍では特に早めに花粉症の治療をした方がいい。花粉症の症状を抑えることでコロナの症状に気付くことが自身へも周囲へも大切だ」と語る。対策の徹底がコロナの感染拡大を防ぐことにもなりそうだ。

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2021年2月8日のニュース