熊本県八代市鏡町の「平本染工場」(平本雅子社長)で、端午の節句に向けた矢旗作りが最盛期を迎えている。
同社は1898年創業。生地の裁断や下描き、色付けを伝統的な手作業で行う。矢旗の長さは2~8・2メートル。「加藤清正の虎狩り」など約20種類の図柄をそろえている。
9日は、3人の職人が色付け作業の真っ最中。濃淡をつけ丁寧に染料を塗っていくと、カラフルで勇ましい武者絵が浮かび上がった。
平本社長(55)は「少子化や核家族化が進んでいるが、少しでも昔ながらの風習を残し、子どもたちにたくましく育ってほしい」と話した。(高見伸)