初午大祭(初午まつり)で厄除け祈願!松阪市の岡寺山継松寺に行ってきました!【取材日:2018年3月】
掲載日:2019.02.08松阪市の岡寺山継松寺の初午大祭をご紹介!毎年3月始めの午の日「初午(はつうま)」は厄除け祈願を行うのにもっとも御利益があるとされています。岡寺山継松寺の初午大祭は毎年大盛況。縁起物や、宝恵駕篭(ほえかご)道中行列の様子を詳しくご紹介。
毎年3月始めの午の日「初午(はつうま)」は、厄年の人が厄除け祈願を行うのにもっとも御利益があるとされています。
初午の祭礼は県内各地で行われていますが、その中でも最大とされているのが、松阪市にある岡寺山継松寺(おかでらさんけいしょうじ)の「初午大祭(はつうまたいさい)」。
岡寺山継松寺の初午大祭は、初午の日を中心に前後3日間に渡って祭礼が行われます。
そこで、春の訪れを松阪に告げる初午大祭の様子を突撃レポート!
取材日となった初午本日(3月4日)は晴れ着を身につけた厄年の女性による「厄まいり宝恵駕篭(ほえかご)道中行列」が行われるとあって、大勢の見物客が訪れる大賑わいな一日となりました!
祭り当日、松阪駅前から岡寺山継松寺にかけての一帯は通行規制が行われ、車両の通行は禁止に。
沿道にはさまざまな屋台が建ち並び、大勢の人々が春の到来を喜ぶ賑やかな雰囲気でいっぱいです。
まずは初午大祭が行われる岡寺山継松寺へ行ってみましょう!
岡寺山継松寺が厄除けのお寺として親しまれるようになったきっかけをご紹介します。いざ、歴史のお勉強!
時は奈良時代にさかのぼります。
東大寺建立の大事業が成功することを願った聖武天皇の勅願をうけ、天平15年(743年)行基によってこの寺は創建されました。
そして聖武天皇が42歳の厄年の際、この寺の本尊である「如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)」を宮中お奉りし祈願した後、再びここへ安置されたことから、厄除け観音としてこの地の人々に親しまれるようになりました。
お寺に近づくにつれ参拝客がどんどん増え、参道は大混雑!境内に足を踏み入れると、参拝者の行列が本堂まで続いています。
本堂の手前ではお線香が焚かれており、その煙をあびて邪気を祓い身を清めたら、いよいよお参りへ。
本堂へ入ったら、静かな気持ちでじっと手を合わせてお祈り。
ここでお参りをしているのは厄年の方だけではありません。春の到来を祝い、一年の無事を祈る地域の人々も足を運んでいます。さらに厄年の方々は特別にご祈祷を受けたりしています。
毎年多くの人で賑わう初午大祭。週末と重なった年は、3日間で60000人以上もの参拝客が訪れたとか。
【岡寺山継松寺】
住所 松阪市中町1952
電話番号 0598-21-0965
公式URL http://https://www.okadera.com
/交通 JR・近鉄松阪駅より徒歩約5分
お参りが済んだら参道へ繰り出してみましょう!
おや・・?参拝者を見ていると、あるモノを持っている人が多いことに気がつきました。
そのひとつが、先端に羽根飾りの付いた竹製の縁起玩具「猿はじき」。
「厄をはじきさる」といういわれを持っている素朴なおもちゃで、竹バネで猿に見立てた人形をびょんびょんとはじいて遊びます。
岡寺山継松寺そばにある時計店「時計屋なかの」でひとつひとつ手作りされています。
また、「厄をねじふせる」といういわれを持つお菓子「ねじりおこし」も名物のひとつ。
鋤(すき)で田んぼを掘り起こした時に土がうねっている形に似ていることから、春の農耕が始まる前に牛馬の厄を落とす縁起物とも言われています。
これも市内の和菓子店などで作られ、あちこちの露店で販売されています。
これらを買い求め一年の無事を祈るのが、松阪の初午大祭のスタイル。
立ち並ぶ露店に心惹かれているうちに、「厄まいり宝恵駕篭(ほえかご)道中行列」が出発する時間になったので、急いで巡行コースへ向かいましょう!
「厄まいり宝恵駕篭(ほえかご)道中行列」は、江戸時代から行われてきた厄まいり行事です。
一時期この行事は途絶えていましたが、10年前にこれを復活。戦前から戦後にかけて花街の女性が寺社へ参拝する際に使われてきた「宝恵駕篭」を現代に再現し、厄年の女性を乗せて進行します。
「袖を振って厄を振り落とす」とのいわれから、あでやかな和服に身を包んだ女性が交代で駕篭に乗って行われます。
この日の参加者は約200人。
厄年の女性はもちろんのこと、駕篭の担ぎ手となる松阪商業高校や相可(おうか)高校の男子生徒、松阪木綿を身につけた女性、踊りを披露するグループなどが華やかに市中を練り歩きます。
大勢の参拝客の注目を集めながら、少し照れくさそうな表情の女性。
手には先ほどご紹介した猿はじきが。
市内の中学校で英語を教えるALTの女性も、あでやかな振り袖に身を包み、笑顔で祭りに参加。
今年の行列のテーマ「家族の絆」にちなみ、親、子、孫の3世代で参加した家族もいましたよ。
行列にはホラ貝を吹く山伏も加わり、賑やかに華やかに進んでいくのでした。
巡行の中頃になると、日野町交差点でお菓子まきが始まりました!
宝恵駕篭を担いでいた松阪商業高校の野球部員たちが、車の荷台からお菓子をまきます。
このお菓子まきには一般の観覧客も参加できるとあって、待ってましたの大賑わい!
縁起物のお菓子、絶対手に入れたいところです。
「♪宝恵駕篭、ホイッ!」のかけ声を響かせながら、およそ2時間ほどかけて松阪の市中に華やかな春の賑わいを振りまいていきました。
氏郷(うじさと)まつり、松阪祇園まつりと並んで「松阪三大まつり」のひとつにも数えられる「初午大祭」。
大勢の参拝客が地域の伝統を守り、次世代へとつなげる、華やかですがすがしい伝統行事でした。
「厄おとし宝恵駕篭道中行列」は松阪市以外からも参加者を集めているので、厄年の人や、着物を着て厄払いをしたい人は、ぜひ来年のこの行事に参加してみてはいかがでしょうか?
晴れやかな気持ちで春を迎えられますよ!
※取材日:2018年3月
※下記の情報は2019年2月時点のものです
【初午大祭】
日時 2019年3月9日(土)~11日(月)
会場 岡寺山継松寺(松阪市中町1952)
【松阪厄まいり宝恵駕篭道中行列実行委員会】
住所 松阪市中町1952
電話番号 0598-26-5298