40年変わらぬ味! 四日市で長く愛される「鉄板スパゲティ」

40年変わらぬ味! 四日市で長く愛される「鉄板スパゲティ」

2016/03/28

近鉄四日市駅にほど近い商店街にある瀟洒(しょうしゃ)なイタリア料理店に、40年以上変わらぬ味で人々を魅了する鉄板スパゲティがある。本格的なイタリア料理とはほど遠い雰囲気のスパゲティだが、そこにはこだわりの製法と店の歴史が詰まっていた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ゆでおき太麺とソースと卵が絶妙に絡み合う

三重県四日市市の中心街、近鉄四日市駅前にある商店街の、その中でも細い小路沿いにこの店がある。目印はイタリア国旗だ。

店舗は商店街の中の、どちらかといえば目立たない一角にある。ここで40年以上にわたり営業を続けてきた

四日市市で学生時代を送った人なら誰もが一度はここを訪れている、と言っても過言ではないほど、この店の看板メニュー 「鉄板イタリアン」(580円)は深く浸透している。熱々の鉄板にとろ~り卵、そしてケチャップ味のスパゲティがのっているそれは、多くの人の食欲と郷愁をそそる。

鉄板イタリアンはぐつぐつと湯気を上げた状態でテーブルへやって来る。食べ進めるうちに卵に火が通り、食べ始めと終わりでは食感が異なるのも楽しい

オープンキッチンでシェフの田部佳史さんがフライパンを振るう姿を観察。まず手にするのがゆでおきのスパゲティ。この柔らかい太めの麺を使うことが大きなポイント。ゆであげたばかりの麺だとソースをはじき、味がうまく絡まない。そこで、「あらかじめ麺をゆでておくと、ケチャップやウスターソースなどで作る特製ソースとの絡みが格段によくなるんです」と、シェフがその秘密を語ってくれた。

そして、熱々の鉄板にスパゲティを盛りつけ、上から溶き卵を回しかけるのが第二のポイント。シェフいわく「卵に火が通りすぎず、スパゲティとの絡みもよくなるので」、卵は後からかけるのがこの店流。

赤ウィンナー、マッシュルーム、グリーンピースをトッピングし、粉チーズを振りかけたら完成! ケチャップの酸味、ソースのうまみがほどよく太麺に絡み、半熟卵がそこにコクとまろやかさをプラス。どこか懐かしくてクセになる味わいだ。

ファンの声に押され再出発

シェフの田部佳史さん。Casa Tabeとは「田部家」の意味。現在も創業者である両親とイタリアンシェフの兄と4人で店を営む。

現在はイタリア料理店として営業しているが、以前はスパゲティのお店「田部」という喫茶店だった。
この鉄板イタリアンは、喫茶店が開業した1973(昭和48)年からのメニュー。東海地方の喫茶店で一世を風靡(ふうび)した鉄板スパゲティの流れをくんでいるが、麺の太さ、ソースの絡み具合、卵の半熟具合など細かいところまでこだわったため、今もずっと人々をひきつけてやまない。

数年前、商店街の火災にあって店舗を焼失したが、多くの人々の復活を願う声が後押しし、6年前に同じ場所でイタリア料理店として再出発。今でも親子3代で通う常連客もいるほどで、「ランチタイムには8~9割のお客様がこのスパゲティを注文していただいてます」と看板メニューに胸を張る。鉄板イタリアンにモカソフト(セットで750円)を付けるのが通の頼み方だ。

※掲載の内容は2016年3月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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