伊勢で知らない人はいないと言われる名物丼は、スパイシーでジューシーなから揚げを卵でとじたボリュームたっぷりの丼だ。伊勢神宮への参拝の際はこの丼も忘れるなかれ! 旅の記憶にも残る鮮烈は思い出となるはずだ。
Yahoo!ライフマガジン編集部
その丼は伊勢の玄関口に
伊勢で暮らしている人、あるいは伊勢で学生時代を過ごしたことがある人なら、この丼を知らなければ「モグリ」と言われるほど有名な丼がある。それこそが、まんぷく食堂の「からあげ丼」(630円)。伊勢への玄関口である近鉄宇治山田駅に隣接する商業施設にこのお店はある。
この大衆的な食堂は1975(昭和50)年にオープン。初代店主である鋤柄鈴子さんは、「若い人に好まれる、よそにはない、この店の名物となる丼ものを作りたい」と考えた。
そこで白羽の矢を立てのが、若者はもちろん、子供から年配の人まで好まれるから揚げだった。昭和40年代からから揚げブームが続いていたこともあり、から揚げを卵でとじて丼仕立てにすることを考案。創業から2年後にこの名物丼は誕生した。
スパイシーなから揚げがごろり
この丼に使われるのが、淡泊な味付けでなく、コショウなどのスパイスとニンニクのがっつり効いたから揚げ。そのスパイシーなから揚げに対し、丼の下地となるダシは、和風ダシに醤油やみりん、砂糖で味をつけたあくまで優しい味わい。そんなから揚げとダシ汁を卵がふんわりとつなぎ、軽く煮込まれたタマネギが食感にアクセントを与えてくれる。仕上げにもコショウがぱらりと振りかけられることで、さらなるスパイシーさを丼にプラス。少し甘めで優しいダシの風味とスパイシーなから揚げの味が絶妙に絡み合った、白ご飯との相性抜群の丼が完成!
「若い人にはたくさん食べてほしいから」と、丼1人前には、から揚げが7切れ、さらにご飯300グラムと抜群のボリュームだ。それでいてお小遣いで食べられる価格なのだから、学生がこれを逃すはずもない。分量を減らしたプチからあげ丼も用意しているので、小食の人や女性も気兼ねなくこの味を楽しめる。
現在は息子の大平さんが中心となってお店を切り盛りしている。学生時代から通う常連も多く、来客のおよそ9割がこの丼を注文するというベストセラーメニューだ。少し分量が少ないプチからあげ丼と伊勢名物の伊勢うどんのセット「新福定食(750円)」もおすすめだ。
※掲載の内容は2016年3月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。