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不凋の花を求めて
『不凋の花を求めて、あるいは東方Projectは如何にして「終わらないコンテンツ」と成り得たのか』
祇園精舎の鐘の音と残る桜の花の色、淀みに浮かぶ泡もあだし野の草に結んだ露も、いずれは全て消えていきます。雨の中の涙のように。
オタク向けコンテンツにおいてもその例を外れません。覇権と持て囃されるタイトルも1年もすれば話題に挙がることも少なくなり、連中の嫁は半年か3ヵ月おきに入れ替わり、SNSでバズったネタは消費期限が1週間もあれば御の字です。
而してそうした”スロー・チューズデー・ナイト”の中にあってなお、長きにわたり高い人気を保ち続けるタイトルも存在します。
東方Projectはその1つといっていいでしょう。後発のタイトルが持ち上がるたび「東方はオワコン(『終わったコンテンツ』を省略したネットジャーゴン)」などと言われ続けてきましたが、後続タイトルが流行っては廃れていくなかで不動の人気を保ち続けています。その結果、「オワコン」という語を逆にとって「終わらないコンテンツ」などと呼ばれることもあります。
「終わらないコンテンツ」、それは資本家の夢、金の卵を産み続ける駝鳥、アマルテイアの豊穣の角、聖杯にも比せられる存在です。またコンテンツを制する者は単に地上の富を得るだけに留まらず、人々に価値観と規範を植え付け魂を掌握することも可能となります。一説ではコンテンツを不滅にする手段を求め、徐福は海を渡り、アーネンエルベはチベットに派遣されたと言われています。そして今なお、東方算法騎士団といった古い結社やGAFAをはじめとする企業のエージェント、そして各国の情報機関が入り乱れ、「シェラザードの秘儀」を巡る暗闘がDWUの深層で進行中だという人もいます。……レジデント・オブ・サンから警告が来るかもしれないので、この話はこの辺で。
それはさておき、個人的に気になるのはメカニズムの方です。既に見てきた理論によれば、あらゆるコンテンツの人気は減衰し、いずれは消えていくはずとなっています。そのことを考えると、「終わらないコンテンツ」というのはいかにも自然の摂理に反する存在のように思えます。
しかしながら東方Projectに限らず、現実に不易のコンテンツは存在しているのです。
それではこれら「終わらないコンテンツ」は如何にして存在しているのか。タイトルの持つ時代性と普遍性が云々、みたいな精神論は抜きにして数理モデルとして説明していきます。
前回から考えてきたオタク向けコンテンツの流行に関する数理モデルは多数の未接触者と少数の支持者からなる系において、
・支持者と接触した未接触者が支持者に変化し、ロジスティック曲線で支持者が増加
・確率的に支持者が離脱者に変化し、支持者が指数的減衰で減少
というSIRモデルとなっていました。

微分方程式では以下のようになります。

(ただし、
・総消費者数 K
・未接触者数 M(t)
・支持者数 N(t)
・離脱者数 K - M(t) - N(t)
・伝播率 r
・離脱率 p
です。)
このモデルは公衆衛生学における伝染病感染のモデルとしても使われています。このモデルの適用対象ですが、爆発的に流行してはすぐおさまるような感染性の高い伝染病には再現性が高いです。一方、免疫が得られる伝染病であっても、長い期間感染者が出続けたり数年おきに流行を繰り返す風土病のようなものは上手く取り扱えません。その理由として、系への新規加入者の取り扱いがあります。
季節性の流行病は長くても数か月程度でおさまり、系の構成員にほとんど変化はありません。一方感染力が弱く、年のオーダーで感染が広がっていく場合、その病気以外が原因の自然死亡者と新生児の誕生の影響が無視できなくなります。
これらの影響を導入するため、出生(自然死亡)を組み込んだモデルを考えます。
なお、系に影響を与えるほど死亡率が高い苛烈な悪疫に対してはまた違うモデルが必要となりますが、今回はおいておきます。
出生率(自然死亡率)b を組み込んだモデルの微分方程式は以下のようになります。

1つ目の式の第2項が出生による系への新規加入です。新たな出生者は全て免疫を持たず、感染もしていない感受性保持者として取り扱います。数値としては系全体の人数に出生率 b を掛けたものになります。
両式の第3項が死亡による系からの流出です。エージェントの属性に関わらず死亡者は一定の確率で発生します。人数ですが、
感受性保持者 M(t) に対し、b.M(t) の減少
感染者 N(t) に対し、b.N(t) の減少
免疫保持者 K - M(t) - N(t) に対し、b.{ K - M(t) - N(t) } の減少
のため、合計では bK となり、出生数と釣り合っています。このため系全体の人数の増減はありません。
式を少し整理するとこうなります。

出生率 b を考慮しないモデルにおいて通常は初期状態と考えられる

は不安定な平衡で、何かのきっかけで少しでも感染者が増えると歯止めがきかなくなり、平衡点から離れていってしまいます。感受性保持者 M は減少を続け、感染者 N はいったんピークを迎えた後に減少し、最終的に

で落ち着きます。この点は安定な平衡点であり、何らかの要因で系内の属性の割合に微妙な変化があったとしても元の状態に戻ってきます。このため、長い時間を経れば系全体から感染者 N はいなくなる傾向にあります。

一方で出生率 b を組み込んだモデルの場合、

という条件で

が安定な平衡点となります。実際の現象としてみると、伝染病の感染力がある程度以上あれば新規の出生者に対して感染を続けることで一定の感染者数が保たれる、ということになります。

なお、

の場合、

が唯一の安定な平衡点となります。系がどちらの挙動を取るかは閾値パラメータ

が1より大か1以下かで分類され、この値は基本再生産率と呼ばれます。
では改めてコンテンツに目を向けてみます。
まず、系への流入・流出を考慮したモデルは以下のようになります。

離脱者への変化と系からの流出を区別する意味があるのかという疑問もあるかもしれませんが、SIRSモデルによるウェルカムバックキャンペーンの効果の検証などにも拡張が考えられるため、そのままにしておきます。
さて、既に述べたようにいわゆる美少女への萌えなどを主要なドライビングフォースとする狭義のオタク向けコンテンツにおいて、長期的に人気を保っているものはあまりありません。その一方、近接的なジャンルとしては低年齢向けでのアンパンマン(1973~)やドラえもん(1969~)、中高年向けでのゴルゴ13(1968~)、クッキングパパ(1985~)、あるいはスーパーマン(1938~)はじめ多くのアメコミなど、息の長いタイトルは数多くあります。これらのタイトルと狭義のオタク向けコンテンツに属するタイトルの挙動の違いですが、主に訴求する年齢層セグメントの性質の違いによるものではないかと考えられます。
美少女ジャンルを主とするオタク向けコンテンツですが、メインターゲットは中高生を中心に10~30歳くらいと考えられます。このセグメントの特徴としては流行の移り変わりがはやく、他のセグメントよりも伝播率 r、離脱率 p ともに高めであることが推測されます。
アンパンマンやドラえもんなど低年齢向けのコンテンツですが、全体として年齢層は2~10歳程度と考えられつつも、個々のタイトルがターゲットとしている年齢層はそれよりもさらに狭いと考えられます。例えばアンパンマンは2歳くらいから強烈に食いつき4歳でおおむね卒業といわれています。このように狭い年齢層からなるサブセグメントが内部に存在し、入れ替わりが激しいため流入・流出率 b が大きいのがこのセグメントの特徴と考えられます。
最後に中高年向けの作品ですが、毎日新聞社による読書世論調査などによると60代の2割程度はある程度日常的に漫画を読むということなので、メインターゲットは30~60歳くらいとしておきます。年齢の幅が広いうえ、各年齢の人口も200万人ほど(近年の出生数の約2倍)で一番ボリュームのあるセグメントとなっています。生活のパターンが安定しており、伝播率 r、離脱率 p がともに低いことがセグメントの特徴です。
ここで再び、支持者数 N の平衡点における式をみてみます。

オタク向けコンテンツにおいては分母の赤線部が大きくなるため全体の値としては小さく、採算ラインを超えた状態で安定することは難しいことが分かります。
一方、低年齢向けの場合、青線部が大きくタイトルの長期的な維持が比較的容易です。
中高年向けの場合、オタク向けとは逆に赤線部が小さいため安定値の値は大きくなります。青線部において流入・流出率 b は小さいと思われますが、総消費者数 K が大きいため影響は相殺すると考えていいでしょう。
このように、構成員の入れ替わりが激しく伝播力の強い少数のタイトルが支持者を次々と交代させながら存続する低年齢層セグメントと、それほど規模の大きくないタイトル多数が少人数から長期的に支持される高年齢層セグメントがあり、その狭間のセグメントは構成員はそれほど入れ替わらないが内部のトレンドが目まぐるしく変化するためタイトルの長期存続が難しい死の谷になっている、と考えられます。
ではなぜ東方Projectが「終わらないコンテンツ」となりえたのかですが、理由は支持者のウイングの広さにあると考えられます。
他のオタク向けコンテンツとの比較において、東方Projectの10代前半あるいは10歳未満の支持者の多さは1つの特色となっています。この年齢層はネット上での情報発信力が小さいため言論空間ではあまり可視化されにくいのですが、アクセス数や(コミックなど低額商品の)販売数のような分野での影響力は小さくありません。
一方で旧作を起点にすると20年以上が経過しており、高年層の支持者もかなり多くなっています。この層の構成員は同世代が徐々にタイトルから離れるなかで残り続けた支持者であり、今後も大規模な離脱は起きないと考えられます。この年齢層は人数は少ないもののネットでの影響力は比較的高く、二次創作の供給源ともなるという、低年齢層と補完的な性質を持っています。
また中高生から20代前後の通常のオタク向けコンテンツの主要な支持者層も、現在最盛期のタイトルには及ばないものの一定の勢力を持ち、主にイラストや新作情報の拡散などで未接触者への伝播経路を担っています。
このようにポリュビオスの唱えた混合政体の如く、性質の違う複数の支持者層を持ち、互いが補完しあう体制が東方Projectの強みであると言っていいでしょう。
逆に通常のオタク向けコンテンツの場合、支持者層は10代後半から20代前半に偏っています。SNS上などである期間話題を席巻しても売り上げはそこまでふるわず、公式、二次創作ともにコンテンツの供給量が落ち、やがて少数の中核的な支持者以外は去っていく、という比較的よく見る光景は支持者のウイングの狭さが原因の1つです。
東方Projectに限らず初音ミクや「魔法少女まどかマギカ」などにおいて、長期的な人気の保持の要因として若年層(特に女性)の支持に関する話はよく耳にするところでもあります。
以下は根拠となるデータが無いため空論ではありますが、東方Projectの人気がここまで長く続いたのは2008~10年頃に不用意にアニメ化をせず、ブームからソフトランディングしたことが大きいように思います。
アニメ化は数理モデルにおける伝播率 r と離脱率 p を急激に上昇させる効果があります。もしTVアニメになっていた場合、その後数年間の支持者数は現実の数倍になっていたと考えられます。しかしそれは将来的に支持者に転じ得る未接触者の先食いで、ある程度時間が経つと離脱者が続出し、新規の支持者はごくわずか、という状態になります。存続するファンコミュニティの規模は現実のものよりもかなり小さくなったはずです。
また、話題が一定期間に集中するため、後からタイトルについて検索した時に当時の記録ばかりが出てくるため過去の作品、という印象が強くなります。新規に流入してくる低年齢層の支持を得るには不利にはたらくでしょう。
このように、あるタイトルから長期的に得られる利益を考えたとき、アニメ化は必ずしもプラスに作用するとは限りません。一方、短期間で支持者を大幅に増やすため、前回話題にした時間当たりの利得という観点では非常に大きなメリットがあります。(個人的には色々と思うところもありますが)KAD●WAWAの焼畑農業にも三分の理、とはいえます。
最後に今後の東方Projectの人気の推移についてですが、年単位である程度の浮き沈みはあったとしても、基本的には現状維持となるかと思います。
ただ1点気になるのが主に動画周りの外部環境の変化です。いわゆるゆっくり実況は音楽と並び、若年層が東方Projectに触れるきっかけとなってきたとされます。しかしゆっくり動画の流行のピークはしばらく前に過ぎ、さらに最近はYouTubeにおいて低品質なコピーコンテンツと判定され、収益化がされなくなったといいます。昨今のLive2Dの技術発達と流行もあり、ゆっくりのアバターとしての重要度は減じてきています。
一方、サービス開始以来多数の動画が投稿され東方Projectの人気拡大において重要な役割を果たしたニコニコ動画ですが、ここ数年は有料会員数の減少が続くなど、ネットでの存在感は低下傾向です。
コンシューマーやアーケード、漫画など若年層へリーチする代替経路は他にも色々とあるとはいえ、この動画分野での影響力低下がどのように作用するかは要注意かと思われます。
おまけとして、せっかくですので上ではあまり触れなかった流入・流出ありのSIRモデルの平衡点の性質について少し記しておきます。
平衡点の性質としてまず挙がるのが安定性です。不安定な平衡点はよく、山の頂上に置かれたボールに喩えられます。斜面に置かれたボールと異なり、頂上に置かれたボールは力学的には釣り合って静止することが可能です。ただし少しでも位置をずらすような力が働くとボールは斜面を転がり落ち、どこに行くかわかりません。一方、安定な平衡点は谷底に置かれたボールです。多少の力がかかっても谷底を中心とする単振動をするだけで、摩擦があればそのうち元の谷底で止まります。同様に微分方程式系でシステムが静止する平衡点において、少しずれた時にシステムが元の状態に戻ろうとするか元の状態から離れる方向に動くかにより、安定か不安定かにおおむね分類がされます。
平衡点の安定について調べる手法としてはリアプノフ関数を使うものが良く知られています。吸引域などについてもわかるというメリットがある反面、任意の微分方程式系に対してリアプノフ関数を求める一般的な方法は知られていないため、試行錯誤が必要になるなど少し面倒です。
幸い今回取り扱っているモデルは2変数のため、平衡点近傍での挙動に限り簡易的な手法で詳細に調べる方法がありますのでそちらを使います。
流入・流出ありのSIRモデル

は変数係数の1階線形微分方程式系となっています。このため大域での挙動は計算してみないと分かりません。ところが、この系は自励系のため平衡点

を考えると、その近傍の挙動はヤコビ行列

を随行行列とする定数係数の1階微分方程式系と同じになります。
定数係数の1階2元微分方程式系の場合、特性方程式から固有値を求めると容易に一般解を得ることができ、ここから元の微分方程式系の平衡点近傍での挙動が理解できます。やったね、たえちゃん!
まずは今回のモデルに限らず、微分方程式系の平衡点近傍での安定性について、一般的な条件をみてみます。
ヤコビ行列から得られる特性方程式は

です。ここで

とすると、固有値は

となります。
固有値が異なる2実数の場合、一般解は

です。普段見る原点周りの挙動ではなく平衡点周りの挙動であることにご注意ください。なお、C1~4は初期値によって決まる定数です。
また、固有値が共役複素数

の場合、一般解は

となります。
まず固有値が異なる2実数の場合ですが、双方が負( λ1 < 0 かつ λ2 < 0 )の場合、tが大きくなるにつれて第1項および第2項は小さくなり、平衡点の値に近づいていきます。つまり平衡点でのシステムの挙動としては安定となります。どちらかの一方でも条件が満たせない場合、そちらの項は大きくなり、平衡点から離れていくため不安定な挙動となります。
同様に固有値が共役複素数の場合、実部が負( u < 0 )が安定の条件です。
解の公式に遡って探ると、この平衡点が安定となる条件は Tr(J) < 0 かつ det(J) > 0 であることが分かります。なお、これは定数係数である多元微分方程式系に適用可能な、安定性に関するRouth-Hurwitzの判定基準に対し、2元の場合を考えると同じ式を得ることが可能です。
さらに2変数を軸とする平面を考えると、安定・不安定だけでなく平衡点近傍でのより詳細な挙動が視認可能となります。この手法は相平面解析と呼ばれています。
固有値が異なる2実数でかつ双方が負の場合、すでに述べたように平衡点近傍では平衡点の値に近づいていきます。これをMNを軸とする相平面で考えると、システムが平衡点周辺のどの状態にあっても平衡点に近づくということで、システムの挙動としては以下のような図で表せます。このような平衡点を安定ノードと呼びます。

反対に固有値が異なる正の2実数の場合、相平面では以下のようになります。こちらは不安定ノードと呼ばれます。

では、固有値が正の実数と負の実数の組の場合はどうでしょうか。スタート地点で正の固有値の影響が大きい場合は平衡点から離れていきます。負の固有値の影響が大きい場合は最初は平衡点に近づいていきますが、どこかで正の固有値の影響が負の固有値の影響を逆転し、最終的には結局離れていくこととなります。相平面としては以下として描かれます。このような平衡点はサドルと呼ばれます。

固有値が2つの純虚数である場合、2変数ともに絶対値の変わらない三角関数の和となるため、システムは平衡点を中心とした周期的な挙動を示します。平衡点としてはセンターと呼ばれ、不安定と一般的な安定(漸近安定)の中間ということで中立安定と呼ばれます。

固有値が共役複素数で実部が負の場合、平衡点を中心に回転しながら徐々に近づいていきます。こちらは安定スパイラルといいます。

最後に固有値が共役複素数で実部が正の場合、平衡点を中心に回転しながら徐々に遠ざかっていきます。この平衡点は不安定スパイラルと呼ばれます。

では実際に、今回扱った流入・流出ありのSIRモデルの平衡点についてみてみます。
モデルが

で、平衡点が

のため、平衡点周りのヤコビ行列は

となります。ここから

です。
r,p,bは正定数のため、常に Tr(J) < 0 です。さらに基本再生産率が

の場合、det(J) > 0 となり、この平衡点は安定となります。
基本再生産率が1より大の安定な場合の平衡点近傍での挙動ですが、判別式

が正の場合は負の2実数、負の場合は実部が負の共役複素数が固有値の値となります。実際の式を計算すると

で、一部を基本再生産率R0で置き換えると

です。判別式全体の正負は最後の括弧内で決まりますが、R0が十分に大きい場合、判別式は正となり、固有値は負の2実数、システムの挙動としては安定ノードとなります。R0が減少する方向に変化すると、個々のパラメータにもよりますがR0=3.5あたりを閾値として挙動は安定スパイラル、各数値としては振動解に変化します。
振動解と言ってもよほど極端なパラメータでなければ平衡点に安定する前に少しオーバーシュートするような外観となるのですが、中には目で見て分かるほどに明らかに振動するパラメータの組み合わせもあります。

昨今は「ドラゴンボール」や「ジョジョの奇妙な冒険」、「うしおととら」、「カードキャプターさくら」、「GRIDMAN」「ブギーポップ」などなど様々な過去作品がリバイバルされています。これらについて「終わらないコンテンツ」の一つの形態と捉え、人気の長期的な振動現象として説明できないか、というアイディアがありました。ただ、実際のパラメータ数値がどうなっているのかが不明で、あまり実証的な話が出来そうにないため塩漬けとなっています。
もしきちんとしたデータが得られるのならば、次にどのあたりの作品がリバイバルしそうか、あるいはリバイバルした作品にどのくらいの人気が出そうかが見積れるかもしれませんので、興味のある方は調べてみると面白いかもしれません。
祇園精舎の鐘の音と残る桜の花の色、淀みに浮かぶ泡もあだし野の草に結んだ露も、いずれは全て消えていきます。雨の中の涙のように。
オタク向けコンテンツにおいてもその例を外れません。覇権と持て囃されるタイトルも1年もすれば話題に挙がることも少なくなり、連中の嫁は半年か3ヵ月おきに入れ替わり、SNSでバズったネタは消費期限が1週間もあれば御の字です。
而してそうした”スロー・チューズデー・ナイト”の中にあってなお、長きにわたり高い人気を保ち続けるタイトルも存在します。
東方Projectはその1つといっていいでしょう。後発のタイトルが持ち上がるたび「東方はオワコン(『終わったコンテンツ』を省略したネットジャーゴン)」などと言われ続けてきましたが、後続タイトルが流行っては廃れていくなかで不動の人気を保ち続けています。その結果、「オワコン」という語を逆にとって「終わらないコンテンツ」などと呼ばれることもあります。
「終わらないコンテンツ」、それは資本家の夢、金の卵を産み続ける駝鳥、アマルテイアの豊穣の角、聖杯にも比せられる存在です。またコンテンツを制する者は単に地上の富を得るだけに留まらず、人々に価値観と規範を植え付け魂を掌握することも可能となります。一説ではコンテンツを不滅にする手段を求め、徐福は海を渡り、アーネンエルベはチベットに派遣されたと言われています。そして今なお、東方算法騎士団といった古い結社やGAFAをはじめとする企業のエージェント、そして各国の情報機関が入り乱れ、「シェラザードの秘儀」を巡る暗闘がDWUの深層で進行中だという人もいます。……レジデント・オブ・サンから警告が来るかもしれないので、この話はこの辺で。
それはさておき、個人的に気になるのはメカニズムの方です。既に見てきた理論によれば、あらゆるコンテンツの人気は減衰し、いずれは消えていくはずとなっています。そのことを考えると、「終わらないコンテンツ」というのはいかにも自然の摂理に反する存在のように思えます。
しかしながら東方Projectに限らず、現実に不易のコンテンツは存在しているのです。
それではこれら「終わらないコンテンツ」は如何にして存在しているのか。タイトルの持つ時代性と普遍性が云々、みたいな精神論は抜きにして数理モデルとして説明していきます。
前回から考えてきたオタク向けコンテンツの流行に関する数理モデルは多数の未接触者と少数の支持者からなる系において、
・支持者と接触した未接触者が支持者に変化し、ロジスティック曲線で支持者が増加
・確率的に支持者が離脱者に変化し、支持者が指数的減衰で減少
というSIRモデルとなっていました。
微分方程式では以下のようになります。
(ただし、
・総消費者数 K
・未接触者数 M(t)
・支持者数 N(t)
・離脱者数 K - M(t) - N(t)
・伝播率 r
・離脱率 p
です。)
このモデルは公衆衛生学における伝染病感染のモデルとしても使われています。このモデルの適用対象ですが、爆発的に流行してはすぐおさまるような感染性の高い伝染病には再現性が高いです。一方、免疫が得られる伝染病であっても、長い期間感染者が出続けたり数年おきに流行を繰り返す風土病のようなものは上手く取り扱えません。その理由として、系への新規加入者の取り扱いがあります。
季節性の流行病は長くても数か月程度でおさまり、系の構成員にほとんど変化はありません。一方感染力が弱く、年のオーダーで感染が広がっていく場合、その病気以外が原因の自然死亡者と新生児の誕生の影響が無視できなくなります。
これらの影響を導入するため、出生(自然死亡)を組み込んだモデルを考えます。
なお、系に影響を与えるほど死亡率が高い苛烈な悪疫に対してはまた違うモデルが必要となりますが、今回はおいておきます。
出生率(自然死亡率)b を組み込んだモデルの微分方程式は以下のようになります。
1つ目の式の第2項が出生による系への新規加入です。新たな出生者は全て免疫を持たず、感染もしていない感受性保持者として取り扱います。数値としては系全体の人数に出生率 b を掛けたものになります。
両式の第3項が死亡による系からの流出です。エージェントの属性に関わらず死亡者は一定の確率で発生します。人数ですが、
感受性保持者 M(t) に対し、b.M(t) の減少
感染者 N(t) に対し、b.N(t) の減少
免疫保持者 K - M(t) - N(t) に対し、b.{ K - M(t) - N(t) } の減少
のため、合計では bK となり、出生数と釣り合っています。このため系全体の人数の増減はありません。
式を少し整理するとこうなります。
出生率 b を考慮しないモデルにおいて通常は初期状態と考えられる
は不安定な平衡で、何かのきっかけで少しでも感染者が増えると歯止めがきかなくなり、平衡点から離れていってしまいます。感受性保持者 M は減少を続け、感染者 N はいったんピークを迎えた後に減少し、最終的に
で落ち着きます。この点は安定な平衡点であり、何らかの要因で系内の属性の割合に微妙な変化があったとしても元の状態に戻ってきます。このため、長い時間を経れば系全体から感染者 N はいなくなる傾向にあります。
一方で出生率 b を組み込んだモデルの場合、
という条件で
が安定な平衡点となります。実際の現象としてみると、伝染病の感染力がある程度以上あれば新規の出生者に対して感染を続けることで一定の感染者数が保たれる、ということになります。
なお、
の場合、
が唯一の安定な平衡点となります。系がどちらの挙動を取るかは閾値パラメータ
が1より大か1以下かで分類され、この値は基本再生産率と呼ばれます。
では改めてコンテンツに目を向けてみます。
まず、系への流入・流出を考慮したモデルは以下のようになります。
離脱者への変化と系からの流出を区別する意味があるのかという疑問もあるかもしれませんが、SIRSモデルによるウェルカムバックキャンペーンの効果の検証などにも拡張が考えられるため、そのままにしておきます。
さて、既に述べたようにいわゆる美少女への萌えなどを主要なドライビングフォースとする狭義のオタク向けコンテンツにおいて、長期的に人気を保っているものはあまりありません。その一方、近接的なジャンルとしては低年齢向けでのアンパンマン(1973~)やドラえもん(1969~)、中高年向けでのゴルゴ13(1968~)、クッキングパパ(1985~)、あるいはスーパーマン(1938~)はじめ多くのアメコミなど、息の長いタイトルは数多くあります。これらのタイトルと狭義のオタク向けコンテンツに属するタイトルの挙動の違いですが、主に訴求する年齢層セグメントの性質の違いによるものではないかと考えられます。
美少女ジャンルを主とするオタク向けコンテンツですが、メインターゲットは中高生を中心に10~30歳くらいと考えられます。このセグメントの特徴としては流行の移り変わりがはやく、他のセグメントよりも伝播率 r、離脱率 p ともに高めであることが推測されます。
アンパンマンやドラえもんなど低年齢向けのコンテンツですが、全体として年齢層は2~10歳程度と考えられつつも、個々のタイトルがターゲットとしている年齢層はそれよりもさらに狭いと考えられます。例えばアンパンマンは2歳くらいから強烈に食いつき4歳でおおむね卒業といわれています。このように狭い年齢層からなるサブセグメントが内部に存在し、入れ替わりが激しいため流入・流出率 b が大きいのがこのセグメントの特徴と考えられます。
最後に中高年向けの作品ですが、毎日新聞社による読書世論調査などによると60代の2割程度はある程度日常的に漫画を読むということなので、メインターゲットは30~60歳くらいとしておきます。年齢の幅が広いうえ、各年齢の人口も200万人ほど(近年の出生数の約2倍)で一番ボリュームのあるセグメントとなっています。生活のパターンが安定しており、伝播率 r、離脱率 p がともに低いことがセグメントの特徴です。
ここで再び、支持者数 N の平衡点における式をみてみます。
オタク向けコンテンツにおいては分母の赤線部が大きくなるため全体の値としては小さく、採算ラインを超えた状態で安定することは難しいことが分かります。
一方、低年齢向けの場合、青線部が大きくタイトルの長期的な維持が比較的容易です。
中高年向けの場合、オタク向けとは逆に赤線部が小さいため安定値の値は大きくなります。青線部において流入・流出率 b は小さいと思われますが、総消費者数 K が大きいため影響は相殺すると考えていいでしょう。
このように、構成員の入れ替わりが激しく伝播力の強い少数のタイトルが支持者を次々と交代させながら存続する低年齢層セグメントと、それほど規模の大きくないタイトル多数が少人数から長期的に支持される高年齢層セグメントがあり、その狭間のセグメントは構成員はそれほど入れ替わらないが内部のトレンドが目まぐるしく変化するためタイトルの長期存続が難しい死の谷になっている、と考えられます。
ではなぜ東方Projectが「終わらないコンテンツ」となりえたのかですが、理由は支持者のウイングの広さにあると考えられます。
他のオタク向けコンテンツとの比較において、東方Projectの10代前半あるいは10歳未満の支持者の多さは1つの特色となっています。この年齢層はネット上での情報発信力が小さいため言論空間ではあまり可視化されにくいのですが、アクセス数や(コミックなど低額商品の)販売数のような分野での影響力は小さくありません。
一方で旧作を起点にすると20年以上が経過しており、高年層の支持者もかなり多くなっています。この層の構成員は同世代が徐々にタイトルから離れるなかで残り続けた支持者であり、今後も大規模な離脱は起きないと考えられます。この年齢層は人数は少ないもののネットでの影響力は比較的高く、二次創作の供給源ともなるという、低年齢層と補完的な性質を持っています。
また中高生から20代前後の通常のオタク向けコンテンツの主要な支持者層も、現在最盛期のタイトルには及ばないものの一定の勢力を持ち、主にイラストや新作情報の拡散などで未接触者への伝播経路を担っています。
このようにポリュビオスの唱えた混合政体の如く、性質の違う複数の支持者層を持ち、互いが補完しあう体制が東方Projectの強みであると言っていいでしょう。
逆に通常のオタク向けコンテンツの場合、支持者層は10代後半から20代前半に偏っています。SNS上などである期間話題を席巻しても売り上げはそこまでふるわず、公式、二次創作ともにコンテンツの供給量が落ち、やがて少数の中核的な支持者以外は去っていく、という比較的よく見る光景は支持者のウイングの狭さが原因の1つです。
東方Projectに限らず初音ミクや「魔法少女まどかマギカ」などにおいて、長期的な人気の保持の要因として若年層(特に女性)の支持に関する話はよく耳にするところでもあります。
以下は根拠となるデータが無いため空論ではありますが、東方Projectの人気がここまで長く続いたのは2008~10年頃に不用意にアニメ化をせず、ブームからソフトランディングしたことが大きいように思います。
アニメ化は数理モデルにおける伝播率 r と離脱率 p を急激に上昇させる効果があります。もしTVアニメになっていた場合、その後数年間の支持者数は現実の数倍になっていたと考えられます。しかしそれは将来的に支持者に転じ得る未接触者の先食いで、ある程度時間が経つと離脱者が続出し、新規の支持者はごくわずか、という状態になります。存続するファンコミュニティの規模は現実のものよりもかなり小さくなったはずです。
また、話題が一定期間に集中するため、後からタイトルについて検索した時に当時の記録ばかりが出てくるため過去の作品、という印象が強くなります。新規に流入してくる低年齢層の支持を得るには不利にはたらくでしょう。
このように、あるタイトルから長期的に得られる利益を考えたとき、アニメ化は必ずしもプラスに作用するとは限りません。一方、短期間で支持者を大幅に増やすため、前回話題にした時間当たりの利得という観点では非常に大きなメリットがあります。(個人的には色々と思うところもありますが)KAD●WAWAの焼畑農業にも三分の理、とはいえます。
最後に今後の東方Projectの人気の推移についてですが、年単位である程度の浮き沈みはあったとしても、基本的には現状維持となるかと思います。
ただ1点気になるのが主に動画周りの外部環境の変化です。いわゆるゆっくり実況は音楽と並び、若年層が東方Projectに触れるきっかけとなってきたとされます。しかしゆっくり動画の流行のピークはしばらく前に過ぎ、さらに最近はYouTubeにおいて低品質なコピーコンテンツと判定され、収益化がされなくなったといいます。昨今のLive2Dの技術発達と流行もあり、ゆっくりのアバターとしての重要度は減じてきています。
一方、サービス開始以来多数の動画が投稿され東方Projectの人気拡大において重要な役割を果たしたニコニコ動画ですが、ここ数年は有料会員数の減少が続くなど、ネットでの存在感は低下傾向です。
コンシューマーやアーケード、漫画など若年層へリーチする代替経路は他にも色々とあるとはいえ、この動画分野での影響力低下がどのように作用するかは要注意かと思われます。
おまけとして、せっかくですので上ではあまり触れなかった流入・流出ありのSIRモデルの平衡点の性質について少し記しておきます。
平衡点の性質としてまず挙がるのが安定性です。不安定な平衡点はよく、山の頂上に置かれたボールに喩えられます。斜面に置かれたボールと異なり、頂上に置かれたボールは力学的には釣り合って静止することが可能です。ただし少しでも位置をずらすような力が働くとボールは斜面を転がり落ち、どこに行くかわかりません。一方、安定な平衡点は谷底に置かれたボールです。多少の力がかかっても谷底を中心とする単振動をするだけで、摩擦があればそのうち元の谷底で止まります。同様に微分方程式系でシステムが静止する平衡点において、少しずれた時にシステムが元の状態に戻ろうとするか元の状態から離れる方向に動くかにより、安定か不安定かにおおむね分類がされます。
平衡点の安定について調べる手法としてはリアプノフ関数を使うものが良く知られています。吸引域などについてもわかるというメリットがある反面、任意の微分方程式系に対してリアプノフ関数を求める一般的な方法は知られていないため、試行錯誤が必要になるなど少し面倒です。
幸い今回取り扱っているモデルは2変数のため、平衡点近傍での挙動に限り簡易的な手法で詳細に調べる方法がありますのでそちらを使います。
流入・流出ありのSIRモデル
は変数係数の1階線形微分方程式系となっています。このため大域での挙動は計算してみないと分かりません。ところが、この系は自励系のため平衡点
を考えると、その近傍の挙動はヤコビ行列
を随行行列とする定数係数の1階微分方程式系と同じになります。
定数係数の1階2元微分方程式系の場合、特性方程式から固有値を求めると容易に一般解を得ることができ、ここから元の微分方程式系の平衡点近傍での挙動が理解できます。やったね、たえちゃん!
まずは今回のモデルに限らず、微分方程式系の平衡点近傍での安定性について、一般的な条件をみてみます。
ヤコビ行列から得られる特性方程式は
です。ここで
とすると、固有値は
となります。
固有値が異なる2実数の場合、一般解は
です。普段見る原点周りの挙動ではなく平衡点周りの挙動であることにご注意ください。なお、C1~4は初期値によって決まる定数です。
また、固有値が共役複素数
の場合、一般解は
となります。
まず固有値が異なる2実数の場合ですが、双方が負( λ1 < 0 かつ λ2 < 0 )の場合、tが大きくなるにつれて第1項および第2項は小さくなり、平衡点の値に近づいていきます。つまり平衡点でのシステムの挙動としては安定となります。どちらかの一方でも条件が満たせない場合、そちらの項は大きくなり、平衡点から離れていくため不安定な挙動となります。
同様に固有値が共役複素数の場合、実部が負( u < 0 )が安定の条件です。
解の公式に遡って探ると、この平衡点が安定となる条件は Tr(J) < 0 かつ det(J) > 0 であることが分かります。なお、これは定数係数である多元微分方程式系に適用可能な、安定性に関するRouth-Hurwitzの判定基準に対し、2元の場合を考えると同じ式を得ることが可能です。
さらに2変数を軸とする平面を考えると、安定・不安定だけでなく平衡点近傍でのより詳細な挙動が視認可能となります。この手法は相平面解析と呼ばれています。
固有値が異なる2実数でかつ双方が負の場合、すでに述べたように平衡点近傍では平衡点の値に近づいていきます。これをMNを軸とする相平面で考えると、システムが平衡点周辺のどの状態にあっても平衡点に近づくということで、システムの挙動としては以下のような図で表せます。このような平衡点を安定ノードと呼びます。
反対に固有値が異なる正の2実数の場合、相平面では以下のようになります。こちらは不安定ノードと呼ばれます。
では、固有値が正の実数と負の実数の組の場合はどうでしょうか。スタート地点で正の固有値の影響が大きい場合は平衡点から離れていきます。負の固有値の影響が大きい場合は最初は平衡点に近づいていきますが、どこかで正の固有値の影響が負の固有値の影響を逆転し、最終的には結局離れていくこととなります。相平面としては以下として描かれます。このような平衡点はサドルと呼ばれます。
固有値が2つの純虚数である場合、2変数ともに絶対値の変わらない三角関数の和となるため、システムは平衡点を中心とした周期的な挙動を示します。平衡点としてはセンターと呼ばれ、不安定と一般的な安定(漸近安定)の中間ということで中立安定と呼ばれます。
固有値が共役複素数で実部が負の場合、平衡点を中心に回転しながら徐々に近づいていきます。こちらは安定スパイラルといいます。
最後に固有値が共役複素数で実部が正の場合、平衡点を中心に回転しながら徐々に遠ざかっていきます。この平衡点は不安定スパイラルと呼ばれます。
では実際に、今回扱った流入・流出ありのSIRモデルの平衡点についてみてみます。
モデルが
で、平衡点が
のため、平衡点周りのヤコビ行列は
となります。ここから
です。
r,p,bは正定数のため、常に Tr(J) < 0 です。さらに基本再生産率が
の場合、det(J) > 0 となり、この平衡点は安定となります。
基本再生産率が1より大の安定な場合の平衡点近傍での挙動ですが、判別式
が正の場合は負の2実数、負の場合は実部が負の共役複素数が固有値の値となります。実際の式を計算すると
で、一部を基本再生産率R0で置き換えると
です。判別式全体の正負は最後の括弧内で決まりますが、R0が十分に大きい場合、判別式は正となり、固有値は負の2実数、システムの挙動としては安定ノードとなります。R0が減少する方向に変化すると、個々のパラメータにもよりますがR0=3.5あたりを閾値として挙動は安定スパイラル、各数値としては振動解に変化します。
振動解と言ってもよほど極端なパラメータでなければ平衡点に安定する前に少しオーバーシュートするような外観となるのですが、中には目で見て分かるほどに明らかに振動するパラメータの組み合わせもあります。
昨今は「ドラゴンボール」や「ジョジョの奇妙な冒険」、「うしおととら」、「カードキャプターさくら」、「GRIDMAN」「ブギーポップ」などなど様々な過去作品がリバイバルされています。これらについて「終わらないコンテンツ」の一つの形態と捉え、人気の長期的な振動現象として説明できないか、というアイディアがありました。ただ、実際のパラメータ数値がどうなっているのかが不明で、あまり実証的な話が出来そうにないため塩漬けとなっています。
もしきちんとしたデータが得られるのならば、次にどのあたりの作品がリバイバルしそうか、あるいはリバイバルした作品にどのくらいの人気が出そうかが見積れるかもしれませんので、興味のある方は調べてみると面白いかもしれません。
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