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■ 苺もいろいろ
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もうすぐ春。桜の季節がやってきます。私たちが最も良く目にする桜であるソメイヨシノは、ウメやモモ、アンズ、バクチノキなどと同じバラ科サクラ属の植物です。バラ科には、他にもナシやリンゴ、アーモンド、ヤマブキ、高山を彩るチングルマなどが含まれます。このように、バラ科は実に多数の仲間を含んだグループで、世界に約3000種あると言われています。そろそろ食べ頃を向かえる 苺の仲間も、このバラ科に属します。
さて、私たちが“苺”とみなしている植物は、実は3つの違った仲間(属)を含んでいます。一般に食用として栽培されているのは、オランダイチゴ属のオランダイチゴ。これが俗に言うストロベリーで、雑種起源の植物です。同属の植物は、世界に約15種、日本に3種あります。道端などで良く目にするヘビイチゴは、ヘビイチゴ属の植物。ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの2種が、国内に自生しています。一方、クサイチゴ(あまり美味しくない)や昨年ご紹介したナガバモミジイチゴ(こちらは美味しい!)は、キイチゴ属の植物です。ブラックベリーやラズベリーも、この仲間です。
ちなみに、私たちが食べている(あるいは食べようと思えば食べられる)部分も、オランダイチゴ属・ヘビイチゴ属とキイチゴ属とでは、植物学的には異なっています。博物館の「情報館」には、関連する本を置いてありますので、恐竜博のついでにでも、どう違うのか調べてみてください。
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