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■ いしのいろいろ
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薬として使われる石
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「石頭」…。あまり良い意味で使われることはありませんが、考え方が硬い(融通がきかない)、あるいは石のように硬い頭(頭突きが得意なプロレスラーが時々いますよね)のことを指します。こうした慣用句からも、私たちの生活の中で、石は硬いものの代名詞的な存在であることがうかがえます。
さて、石には硬さの他にも、重い、割れると鋭い、表面がザラザラしている、保温性が高い、などいろいろな特性があります。こうした石の性質をうまく生かして、古来より人はくらしのさまざまな場面で石を利用してきました。特に鉄の道具がない時代には、石は狩りの道具や刃物や工具の材料として欠かせないもので、九州では黒曜石とサヌカイト(讃岐岩)が多く使われていました。特に黒曜石は天然のガラスなので、その割れ口はとても鋭く、鉄の庖丁やカッターに比べても切れ味は劣りません。しかし、石の刃物には弱点があります。石は硬いとはいえ、鉄に比べるともろいので、刃こぼれしやすく、切れなくなったり、壊れたりしても鉄のようにリサイクルできないので、捨てるほかないのです。
じゃんけんでは石(グー)はハサミ(チョキ)に勝りますが、今では刃物の素材として石が利用されることはほとんどありません。とはいえ、今のくらしの中でも、いまだに現役で活躍している石の道具(例えば砥石)はありますし、他にもいろいろな場面(例えば漢方薬の材料)で石が使われています。身のまわりの石の使われ方を調べてみるのも面白いと思いますよ。
私たちの生活に石がどのように利用されてきたかが分かる「石とくらし展」開催中です!
【場 所】いのちのたび博物館ぽけっとミュージアムNo.10
【料 金】常設展観覧料が必要
【開催期間】9月18日(月)まで
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