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■ 翼竜展ミニ知識◆翼竜を復元する
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展示作業風景
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空飛ぶ爬虫類、翼竜は恐竜とほぼ同じ時代に現れ、恐竜とともに絶滅した、まさに恐竜時代の空の支配者です。
最初の化石は正体不明の海の生物として1784年に報告されました。その後、フランスの解剖学者キュビエが飛ぶことのできる爬虫類であることを見抜き、プテロ・ダクチレと名付けました。プテロとは翼、ダクチレとは指という意味で、キュビエは指の骨が長く伸びて翼になったことも見抜いていたのです。
では、翼竜はどのような姿で飛んでいたのでしょう。古いものでは両ヒザをピンと伸ばしてムササビのように膜を大きく広げた姿で復元されています。さらに風を受ける面積を増やすために足の裏も上に向けていました。
しかし、最近の研究では、後ろ足はヒザでまがり、ヒザから下の左右の骨は互いに平行で、足は垂直、すなわち足の裏が互いに内側を向くように復元されています。足跡や最近発見された中国の保存の良い化石から足の指の間に膜があることもわかり、両足は飛行機の垂直尾翼のように体が左右に振れることを押さえる働きをしていたと考えられるようになりました。ちょうど恐竜が尾を地面に付けた昔の復元から尾を水平にした現在の復元に修正されたのと同じようなことが翼竜の復元におこったのです。
今回世界最大の翼竜(史上最大の飛行生物でもある)ケツァルコアトルスの全身骨格を作製するにあたり、後ろ足の曲げ方や足の向きなどが修正されました。最新の研究に基づくケツァルコアトルスの復元骨格の完成です。会場では翼と皮膚をつけた実物大の生態復元とともに展示します。翼の幅約10m, 頭は2m以上というすごく迫力ある復元骨格になりました。
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