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■ 地質調査スタイル
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地質調査スタイルでかためた、筆者の後ろ姿
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私の担当は、地層およびそこに含まれる化石などについてです。野外へ地層や化石の調査に出かけるときには、調査をしやすいように独特の装備を身につけます。地質調査スタイルは、基本的な点は多くの研究者で共通していますが、細かい点ではそれぞれの人により独自の工夫がされています。
山の中での本格的な調査の際の私の調査スタイルを、項目ごとに簡単に説明すると次のようになります。<ぼうし>直射日光やクモの巣を避けるためにぼうしをかぶります。場所によってはヘルメットの場合もあります。<服>藪の中を歩いたり、蚊やアブの多いところに行ったりするので基本的に長袖です。<ズボン>沢の中をジャブジャブ歩くことが多いので水を含んでもあまり重くならない長ズボンです。<靴>滑りやすいところに行ったり崖を登ったりすることもあるので、スパイクのついた靴や地下足袋です。また、沢の中を歩くので、中に入った水がすぐにぬけるような靴を選びます。<リュック>たくさんの化石が採れたときに備えて、大きなリュックを持っていきます。<調査道具>ハンマーやタガネ、折尺、クリノメーター(地層の姿勢を調べる道具)、鉛筆、調査ノートなどは頻繁に使うので、すぐに取り出せるように腰にぶら下げたケースやかばんに入れて持っていきます。<その他>熊などに遭遇しないように、かばんに鈴などをつけます。
何人かで調査に行くと、服装からその人の調査の進め方などがある程度わかることもあります。また、他の人の調査スタイルの良いところを参考にしたりもします。
(文:御前学芸員)
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