YASUHIRO  独り言  

山と医療の本音トーク

 

2月9日(火)

僕たちが白山でホワイトアウト地獄に難儀していた頃ほぼ同じ標高の四ッ岳でも五人パーティが難儀していたようでパーティからはぐれた二人が夜になっても戻って来ないと遭難騒ぎになっていた。四ッ岳は厳冬期は一級の厳しい山なのでそれなりの人がそれなりの装備を持って入るので状況から判断して安全に帰還するため雪洞でも掘って翌日帰還するのだろうと思っていたがやはりその通りであった。無事で何よりであった。

僕たちはホワイトアウトや暗闇での行動でも慣れているが普通は無理をしないで天候の回復を待ったほうが良いと思う。雪洞は雪山での最強のシェルターなのでスコップがあれば一晩や二晩は大荒れの天候でも全く問題ない。雪洞の中で屈んで足踏みでもしてれば良いだろう。身を隠すだけなら三分で半雪洞くらいは掘れる。要は経験、一度くらいは雪洞で一晩過ごしてみるほうが良い、備えあれば憂いなし、安心感が違う。

それにしても残念なのは四ッ岳は大体どこでも携帯が繋がる山である。パーティと連絡を取り一晩雪洞で待機すると伝えれば遭難騒ぎにならず一泊雪洞山行で終わったのに残念である。

ホワイトアウトの滑降はできれば避けたいが自然は気まぐれだ


2月8日(月)

昨日は次第に冬型が決まる最悪の天候だがYSHR 大魔人 ガンの三人で2月のお参りに行くしかない。自分は55ヶ月目がかかっている。こういう記録は天候の良し悪しを選べない辛さがある。冬型が決まる前に核心部山頂から湯ノ谷滑走を終えたいのでスタートは深夜23時と約束したが気合い入れまくりのメンバーは22時半過ぎに白峰ゲートをスタート。

まだ満天の星が出ていた。パワーショベルが通った跡が有りカチカチ林道が三キロ先まで続いていた。片斜面やデブリはこの間きれいに無くなっていた。その先は気温が高くてずぶりと沈む雪の上を159のポンで三人でトレースを伸ばした。市ノ瀬まで12kmさらに別当出合まで6kmいつものように長過ぎる林道である。暗闇の別当出合まで5時間ちょいすでにお腹いっぱいであった。

休憩舎は雪で埋まり中には入れない。屋根の上にも上がれるくらい雪は多くて鳥居も上部が少し出るくらいだった。雪の一本橋をスキーで渡り対岸に出ると後は硬い雪の上をひたすら砂防新道で御前峰を目指すだけ。ラッセルはない分皆のペースが早くて楽ではなかった。甚之助小屋は完全に埋まっておりここで休憩後エコーラインを直上する。

上部はカチカチでやばくてYSHRはたまらずツボで登り上げるが残りはクトーで登りきった。滑落すれば下まで真っ逆さま緊張した。エコーラインに出るとちょうど夜が明けた、朝日がきれいだった。白山もドン、山は来ないとわからない、皆で歓声を上げた。しかし弥陀ヶ原を進む途中から一気に天候は下り坂、室堂ではガスで視界はなくなった。安定の地獄になった。

真っ白の行進が続きただ上を目指し午前9時無事ピクッた。白峰から10時間ちょい長い道のりであった。皆で奥社でお参りをして無事の帰還を祈る。予定では湯ノ谷を滑降して釈迦岳を登り返し東高山の尾根から宮谷を滑り百万貫の手前に出る予定、ホワイトアウト中誰も異論は唱えず地獄に突入、山頂からの滑降は池にハマってさあ大変、全く視界がないからGPSを片手に慎重に落ちていくが、スムーズに滑降できるはずがない、湯ノ谷エントリーも最悪、皆でかたまり少しずつボーゲンで落ちていく。どこまで続く白い地獄、最後急斜面を滑ると湯ノ谷本流に出て一安心ここから釈迦に登り返す。

登り返しも白と風雪地獄、冬型がドンドン強まっていく。釈迦岳から東高山の尾根に入るがホワイトアウトで全く視界がない中慎重に下るがコース取りがムズくて時間がかかりすぎ、これは帰還が暗くなると急遽丸岡谷に入って釈迦新道を下ることにした。真っ白の丸岡谷は心臓に悪かったが何とか滑り込んで釈迦新道にようやく視界も出てこれで生きて帰れると安堵、後は長い長い林道を白峰まで試練の歩きだった。

大魔人が先頭で飛ばしていったがYSHRは両足の小指が痛すぎて全く飛ばせず、半泣きになって白峰に16時過ぎ帰還、17時間半の今期最長山行で久しぶりに完全燃焼、ボロボロになった。55ヶ月目のお参りは半端なく辛いものであった。

白山から湯ノ谷へ地獄の行進記録へ

天国から地獄へ急転直下


2月7日(日)

55ヶ月目のお参りは湯ノ谷周回、山頂から標高差1000mはホワイトアウトの地獄だった。地獄慣れしている僕たちでも辛すぎる地獄だった。ぐうの音も出ないくらい疲れ果てた。

詳細は明日へ

風雪の中ホワイトアウトで標高差1000m滑降せざるを得なかった


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毎日が完全燃焼できる日々を過ごしたい、人生は長いようで短い

 

                             

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