-
■ 「猫の日」にちなんで
-

撮影 浜田ひさえ氏
|
2月22日は「猫の日」です。なぜかといいますと、「222」は「ニャン、ニャン、ニャン」とも読めるからです。今回は、「猫の日」にちなんで、猫と人類の歴史について少しお話します。
みなさんの身近にいる「飼い猫」や「野良猫」は、生物学的には「イエネコ」という種(しゅ)になります。このイエネコは、太古の昔より地球上に存在したかといえば、そうではありません。人間が野生のネコを飼いならして作り出した、いわば家畜です。そのもととなったのは、現在でも北アフリカや中東に生息している、リビアヤマネコという野生のヤマネコです。
最新の研究によると、最初にイエネコができたのは、今から約1万年前のメソポタミア地方と言われています。その地域で人類初の農耕が始まったとも言われており、同時に貯蔵していた穀物を食い荒らすネズミが人々の悩みの種となりました。そのネズミに引き寄せられ、ネズミを食べにきたリビアヤマネコが、集落に頻繁に出入りするようになり、これが人類と猫との蜜月関係の始まりと言われています。
その後、古代エジプトに渡った猫は、女神として崇められ、ヘロドトスの「歴史」によると、熱狂的なカルト的宗教にまで発展し、猫のミイラも何万体もつくられたそうです。当時、猫を殺した人は死罪が科せられました。
ヨーロッパに渡った猫は、中世には、今度は逆に魔女の手先として、火あぶりにされるなどの迫害を受けました。そして日本へは平安時代の頃、中国を経由して持ち込まれたと言われています。
神として崇められたり、また一方で悪魔の手先として迫害を受けたりしながらも、約1万年もの時間をかけて日本にたどり着いた猫。それだけで、猫が愛おしくなりませんか?
3月15日(土)から春の特別展「まるごと猫展」を開催します。ネコ科動物の剥製、招き猫、猫本、猫アート、猫マッチ、猫ライター、猫の研究、などなど、生きた猫以外は、猫に関するあらゆるものを展示している特別展です。そして、2月22日の猫の日には、上記のお知らせに書いた豪華なプレイベント「2月22日(ニャンニャンニャン)は猫の日!」が当館で行われます。どうそお楽しみに。
(自然史課学芸員 山根 明弘)
|
-
■ 北九州ゆかりの建築家「村野藤吾と磯崎新」
-

村野藤吾「八幡市民会館」(1958年)上/磯崎 新「北九州市立美術館」(1974年)下
|
コムシティの黒崎市民ギャラリーで開催された「北九州のディテール」展(会期:平成25年12月25日~平成26年1月19日)をご覧になられたでしょうか。北九州にはレトロだけでなく、今日まですぐれた近現代建築が見られることに驚かれたと思います。その中で、北九州と関係の深い建築家として村野藤吾と磯崎新が挙げられます。
村野藤吾(1891年-1984年)は唐津出身。小さい時に八幡に移り、小倉工業高校機械科を卒業した後、八幡製鐵所に就職した経歴を持つなど北九州と深いつながりを持っています。兵役後に早稲田大学で建築を学び、関西を拠点に独特のモダニズム・スタイルを確立した建築家です。
村野は北九州に、平和ビル第一棟(1954年、現存せず)、八幡図書館(1955年)、八幡市民会館(1958年)、小倉市民会館(1959年、現存せず)、八幡信用金庫(現福岡ひびき信用金庫)本店(1971年)を建築しました。この内、八幡周辺の建築群は、戦災復興土地区画整理事業の中で蘇生する工業都市八幡の中心として整備されました。八幡市民会館のタイルは、当時は土管などに使われていた素材をタイルに採用したものです。村野本人は八幡の煙の多い空、そして鉄のある環境に育った経験から身近な素材を採用したと述懐しています。北九州の村野建築は戦後復興を担った工業都市の息吹を伝えるものと言えるでしょう。
一方、磯崎新(1931年-)は大分出身。東京大学工学部建築学科から丹下健三研究室を経て卒業後、30代前半で大分医師会館(1960年、現存せず)、大分県立図書館(1966年、現在は大分市アートプラザ)などのモダニズム建築を手掛けるなど、その才能を発揮しました。1970年の大阪万博ではお祭り広場の計画に参加しています。
その後、磯崎は国際的な建築家として独自の活動を進めます。この時期に北九州で数多くの建築作品を手掛けています。北九州市立中央図書館(1974年)、北九州市立美術館(1974年)に始まり、西日本総合展示場(1977年)、北九州市立美術館アネックス(1986年)、北九州国際会議場(1990年)があります。これらの建築作品は北九州市が工業都市からの転換を模索した時期とも重なります。北九州の磯崎建築は、転換期を迎えた北九州市の息吹を今に伝える建築群でもあります。
このように現代建築は、建てられた時代の都市の発展と変化を反映することでシンボル的な性格を備えます。北九州市のみならず、国内外の大都市には優れた近現代建築が息づいています。
(歴史課学芸員 中西 義昌)
|
|