【メル博】ロゴマーク いのちのたび博物館メールマガジン 第139号
2015/10/10
博物館からのおしらせ
秋の特別展「医は仁術」本日開幕!
【画像】
新発見!『杉田玄白直筆漢詩』や『日本最古解剖原図』など、解体新書からiPS細胞まで日本の医学発展史を紹介。

【開催期間】平成27年10月10日(土)~平成28年1月11日(月・祝)
【時 間】9:00~17:00(最終入館16:30)
【場 所】いのちのたび博物館
【料金等】
<特別展入場料>
●特別展のみ●
大人1200円(1100円)、高大生900円(800円)、小中生450円(350円)

●特別展+常設展のセット券●
大人1500円(1400円)、高大生1100円(1000円)、小中生550円(450円)

入場券は、セブンチケット(セブンコード:041-047)や、小倉井筒屋・黒崎井筒屋等北九州市内主要プレイガイドでもお求めいただけます。

※( )内は、セブンチケット、プレイガイドで販売する前売り券料金(セブンチケットについては、展覧会開催中は当日料金での販売となります。)
※30名様以上の団体様については団体料金の設定もあります。博物館へお問い合わせください。

<特別展関連イベント>
●特別展記念講演会●
(1)「『医は仁術』について」(2)「日本の医学と九州」
講師は、(1)国立科学博物館産業技術史資料情報センター長 鈴木一義さん、(2)順天堂大学特任教授 酒井シヅさん

【開催日】10月10日(土)
【時 間】13:30~16:00
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】300名(当日先着順受付)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要(会場内で特別展の割引チケットを購入できます。)

●シンポジウム「患者塾」●
テーマ「医は仁術って本当ですか?」医療の疑問にやさしく答えます。
司会は、医師の小野村健太郎さん

【開催日】10月17日(土)
【時 間】14:00~16:00
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】300名(当日先着順受付)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要(会場内で特別展の割引チケットを購入できます。)

●ハロウィン☆ナイトミュージアム●
ハロウィン仕様に装飾した夜の博物館内と特別展「医は仁術」を観覧します。

【開催日】10月30日(金)
【時 間】18:00~19:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】400名(抽選、1組5名まで)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】大人960円、高大生720円、小中生360円
【申 込】必要

●特別展記念川原尚行氏講演会●
講師は、NPO法人ロシナンテス理事長 川原尚行さん

【開催日】11月13日(金)
【時 間】15:00~16:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】300名(当日先着順受付)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要(会場内で特別展の割引チケットを購入できます。)

●ギャラリートーク●
特別展「医は仁術」会場での学芸員による展示解説。秘話が聞けるかも!

【開催日】毎週日曜日
【時 間】いずれも13:30~14:00
【場 所】いのちのたび博物館
【対 象】どなたでも
【料金等】特別展入場料(観覧チケットの提示)が必要
【申 込】不要

特別展、関連イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

室内講座「小倉織入門教室」
【画像】
江戸時代に織られていた「小倉織」について、その歴史と技術について学びます。

【開催日】10月31日(土)
【時 間】13:30~16:00
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】20名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者同伴)
【料金等】500円(材料費・保険料)

他にも多数の講座を企画しております。イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

歴史探訪講座「北九州の城跡を歩く~小倉城跡~」
細川氏・小笠原氏の居城で、明治以降は軍事施設が立地するなど北九州の歴史上重要な役割を果たした小倉城跡を探索します。

【開催日】11月7日(土)
【時 間】10:00~15:00
【場 所】小倉城跡(小倉城周辺)※集合・解散場所:小倉城天守閣前
【定 員】20名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者の参加が必要)
【料金等】50円(保険料)

他にも多数の講座を企画しております。イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

いのたび自然塾「どんぐり祭り!たべよう・あそぼう」
身近な木の実である「どんぐり」について学び、どんぐりクッキ―作りやどんぐりを用いた工作をおこない、人間と自然との関わりを体感します。

【開催日】11月8日(日)
【時 間】13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】24名(抽選)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】50円(保険料)

他にも多数の講座を企画しております。イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

ジオ・ツアー「学芸員とめぐる北九州周辺の化石産地と代表的地層!」(福岡県「ふくおか・みんなで家族月間」キャンペーン協賛)
【画像】
北九州市内の代表する化石の産地と地層を学芸員と楽しく巡ります。

【開催日】11月22日(日)
【時 間】9:00~17:00
【場 所】北九州市内(門司レトロの梅花石、戸畑の夜宮の大珪化木、若松北海岸、皿倉山など)※集合・解散:博物館団体入口前
【定 員】30名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者の参加が必要)
【料金等】大人1880円、高校生1680円、中学生1580円、小学生1040円 (保険料込)

他にも多数の講座を企画しております。イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

学芸員の「よもやまばなし」
~おめでとう!Mine秋吉台ジオパーク!~平尾台と秋吉台を、比較してみました。
【画像】平尾台や秋吉台の石灰岩をつくった“古サンゴ礁”の生きものたちを復元した、いのちのたび博物館エンバイラマ館「古生代のジオラマ」。
平尾台や秋吉台の石灰岩をつくった“古サンゴ礁”の生きものたちを復元した、いのちのたび博物館エンバイラマ館「古生代のジオラマ」。
 北九州市は、日本ジオパーク認定に向け、ジオツアーやジオハイキングなどの活動を通じ、ジオパークについて、広く知っていただく活動を行っています。その活動の中でよく訪れる地として、平尾台があります。
 平尾台は、2015年9月4日にジオパーク認定された秋吉台(祝!)(Mine秋吉台ジオパーク)とならび、日本を代表するカルスト台地として広く知られています。
 最近、平尾台と秋吉台の違いをよく尋ねられます。
 そこで、今回、Mine秋吉台の日本ジオパーク認定を祝し、恣意的ですが、少し比較をしてみました。

 私は、小学校のころ、美祢市にある秋吉台の麓で育ち、その後、現在まで北九州市で多くの時間を過ごしています。専門は地質・古生物学(化石研究)ですが、その中でも、秋吉台の石灰岩に含まれるフズリナをこれまで研究してきました。フズリナは、顕微鏡を使ってやっと観察できる小さな微生物の化石(微化石)です。沖縄などでお土産として販売されている“星の砂”は有孔虫と呼ばれる微生物の殻が砂粒をつくったものですが、その古い仲間がフズリナと考えられています。
平尾台と秋吉台の違いは?
(1)台上の石灰岩から、フズリナのような化石が発見されるのが秋吉台。
台上の石灰岩中に化石が見られないのが平尾台。という違いを、まずあげることができます。この違いは、約1億年前の恐竜時代のマグマの影響を色濃く受けたかどうかを反映していて、マグマの熱の影響を強く受け、化石が焼失したのが平尾台、と考えられています。
この他にも、以下の違いを感じることがあります。
(2)台地としての広がりが大きいのが秋吉台(石灰岩分布域は約90平方キロメートル、太田正道、私信)、小さいのが平尾台(石灰岩分布域は約13平方キロメートル)。
(3)台地(台下集落から台上までの高さの違い)を強く意識するのが平尾台(平尾台入口から平尾台自然観察センターの標高差約312m)。台地としての高まりをあまり感じないのが秋吉台(秋芳洞観光センターから秋吉台科学博物館の標高差約154m)。
(4)景観の違い:平滑斜面が緩やかで、深いドリーネもあるが、広い平坦な高原状の広がりを感じるのが秋吉台。コンパクトではあるが起伏に富み、貫入岩類など、台地をつくる岩石の多様性を感じるのが平尾台。
(5)森が多いのが平尾台。少ないのが秋吉台。
(6)近・現代の生活のあと(農地利用の痕跡を含めた生活痕)が多いのが平尾台。少ないのが秋吉台。
(7)洞窟の数が多く規模が大きいのが秋吉台。数が少なく規模が小さいのが平尾台(注!面白さは別として)。
(8)台上に露出する石灰岩の様子の違い(石灰岩柱、ビナクル、ラピエなどの名で知られる露出石灰岩の形態の違い)。羊を連想させる丸く、牧歌的印象があるのが平尾台(石の表面がザラザラした結晶質石灰岩“大理石”からなる)。稜線が尖っていてシャープな印象を持つのが秋吉台(再結晶化していない、表面がトゲトゲした石灰岩)。

 これは台地の直接的な違いではないのですが、両地を訪れると地元の人の方言(山口弁?と北九州弁?)が違うので、まったく違ったカルスト台地に来たことを実感させます。

 では、似ているところは?
もちろん
(あ)カルスト地形が見られることです。
これ以外にも、
(い)地質学的重要性から、国指定天然記念物や国の特別天然記念物に指定されている点(もちろん両者とも地質100選に認定されている)。加えて、国定公園として自然が保護、保全されている点。
(う)両地域の石灰岩が、暖かい広い海の中にある海山で成長した“古サンゴ礁”に暮らす生きものたちが作ったと考えられている点。
(え)洞窟が発達し、洞窟堆積物からナウマンゾウをはじめとした多様な化石が発見されているなど洞窟学のメッカである点。
(お)太古の昔から人々の暮らしの場(縄文時代の遺物の存在など)となっていた点。
(か)野焼きや山焼きが行われるなど、住民の協力のもと自然環境が保全されている点。
(き)根菜系(平尾ごぼう、美東ごぼう)のドリーネ耕作が行われていた(orいる)点。
(く)秋、ススキの揺らぐ景色や石灰岩を好む植物が見られる点。
(け)草原の生きもの(キツネやタヌキなどの哺乳類をはじめ、キジなどの鳥類やチョウをはじめとした昆虫など)が暮らしている点。
(こ)洞窟を好むコウモリや昆虫などが観察できる点。
(さ)近くで銅や水晶などの鉱物が採掘されていた(花崗岩類との関連性が見られる)点。
(し)セメントの原材料などのために石灰石が採掘されている点。
などがあげられます。

 まだまだ私が気づかない、平尾台と秋吉台の相違点があるかもしれません。
 皆さんと一緒に、北九州ジオパーク活動を通じて、両台地の魅力に迫っていければと思っています。

(自然史課学芸員 太田 泰弘)


カワウソの解剖から始まった!? 日本初の人体解剖
【画像】山脇東洋解剖図
山脇東洋解剖図
 明和8年(1771)、杉田玄白と前野良沢が罪人の腑分け(解剖)を見学したことをきっかけに、『解体新書』(1774)を刊行したことは有名です。今回は、その17年も前、日本で初めて人体解剖を行い、その様子を記録した山脇東洋についてご紹介します。
 山脇東洋(1705~1763)は、古方派(『傷寒論』などの中国伝統医学の重要性を説く流派)の医師で、体の中の構造に高い関心を持っていました。当時、人体の解剖は許可されていなかったため、東洋はカワウソを解剖し、体の構造を調べていました。その結果、中国から伝わった五臓六腑図(体の中の様子を描いた図)に疑問を持つようになり、人間の体の中を見たいと望むようになりました。
 宝暦4年(1754)、東洋が50歳の時、ついにその願いが叶います。公式の解剖として初めて許可が下り、京都の西郊で刑死体の解剖が行われました。ただし、当時の解剖において執刀は医者が行うことはできず、見学するのみでした。
 東洋はこの時に見た体の中の様子を描かせ記録しています。西洋の本や『解体新書』のような参考となるものが一般的になる前のことですから、体の臓器を確認しながらの記録は大変な作業だったことでしょう。また、解剖に対する反論も多い時代だったといわれています。そんな中、宝暦9年(1759)に東洋は、この記録に小論文などを加えて『蔵志』として出版します。東洋の他にも古河藩医河口信任(1736~1811)が『解屍編』(1772)を刊行するなど、『解体新書』より前に体の中を観察しようという実証的な医学の流れがすでに生まれていたのです。その後、各地で解剖が行われるようになり、日本の医学は転換期を迎えます。
 本日より開催の特別展「医は仁術」では、今回ご紹介した山脇東洋の解剖図の他にも、解剖を行っている様子や臓器の詳しい絵図などが展示されます。CTスキャンやエコー、カメラなどの機器がない時代、人体を研究した記録や、当時の人びとが抱いた体の構造への疑問や驚きをぜひご覧ください。

(歴史課学芸員 上野 晶子)


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【画像】シマリスぬいぐるみ(左上) ガラスストラップ&飴(右上) 蝶しおり(左下) ミニ恐竜フィギュア(右下)
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ティラノサウルスとブラキオサウルスの6~7cmサイズのミニフィギュア。フランス・パポ社製で、小さくても丁寧に作られています。

※応募期間は、発行日から10日間です。
なお、当選者の発表はプレゼントの発送をもってかえさせていただきます。あらかじめ、ご了承ください。
応募の際は、メッセージも一緒にお送りください。
たくさんのご応募、お待ちしております。

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編集後記
秋の特別展「医は仁術」ついに開幕!
【画像】
 夏の特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」は9月23日をもちまして閉幕いたしました。皆さま、たくさんのご来場、誠にありがとうございました。 

 さて、いよいよ本日より、秋の特別展「医は仁術」が開幕いたしました!
以前より、学芸員の「よもやまばなし」や、イベント情報でもお知らせいたしておりますように、本展では、江戸時代の病気に対する人びとの思想や、現代にいたる医学の発展を紹介し、江戸から未来へと俯瞰する総合的な展示です。
 皆さまのご来館を心よりお待ちいたしております。


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