渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

メーカー不明の革ジャン

2021年02月08日 | open

(高1 於荒川土手)

高校の時に着ていた叔父から貰った1950
年代のこのダブルライダースはどこの製品
だったのだろう。
うちは母方も父方も戦後から1960年代
あたりまでオートバイ乗りが多かった。
祖父の弟や叔父たちは二輪乗りだった。
そのうちの一人から貰ったダブルライダー
スで、黒と赤のなかなか格好良い革ジャン
だった。輸入物との事だった。
このダブルは結構気に入っていた。

(高2 於湘南)

これはロンドンタイプのロンジャン。
(高2 於栃木県日光)

普段乗りではMA-1タイプが多かった。
(高2 於埼玉県秩父)

同級生もみんな同タイプ(笑)。
バイク乗る奴らは全員漏れなく革ジャンの
時代だった。下は布ツナギかTシャツに
ジーンズや白いコッパンが多かった。

(高2 秩父ツーリング)

埼玉県一の進学校の埼玉県立浦和高校の
奴が画像の中に一人いる。
偏差値とか関係ない。みんなこんな時代。
幼稚園からの幼馴染の親友はPKO法案を
下作りした防衛庁の官僚の奴だったが、
そいつは湘南高校時代にモロにマル走仕様
のサンパチに乗ってたので見て思わず笑っ
た(笑)。首都圏は何も勉強できない奴
がツッパリ君になるのではない。
時代は「暴力の時代」である。ヘタレは
あまりいなかった。高校などは通学途中
がすべて「臨戦態勢」のような時代であ
り、大学行ったら行ったで、別な意味で
常時臨戦態勢だった。学食でボケーっと
飯食ってたら、対立セクトにバールで脳天
かち割られて、目の前に座っていた女子大
生のカレー皿に脳漿飛び散って即死、とか
そういう事があちこちで茶飯事だった。
強烈だったのが80年で、カクマルが洗足池
の住宅街で一辺に5人完全殲滅された時だ。
昼日中の住宅街で同時に中核派に殺害され
た。その直後の明治公園での集会では、
中核派の大部隊は異常な程にピリピリして
いた。自派が犯行声明を出したからだ。
やったのは表の部隊ではなく軍だが、400
名の学生部隊は異様な緊張感で加熱した
圧縮空気で満たされていた。その前に青解
が数名のカクマルを車に閉じ込めて燃やし
て殺したのよりもエグい。バールや工業ハ
ンマーで5人を一気に撲殺だからだ。関節
と脳天はグジャグジャ。
もっとも、カクマルとて中核派や解放派
にだけでなく、全セクトに同じような事
をやっていた。
ある静岡県での集会でうちの部隊の中の
一人がたまたまいたカクマルの部隊にチャ
チ入れた。するとデモ隊を指揮していた
カクマルがデモ指揮放棄して「今言った
奴誰だ?この野郎!」と誰彼構わず引っこ
抜いてカクマルの所に連れて行こうとし
た。学内ではカクマルに拉致されて椅子に
縛りつけられて千枚通しでブスブスに刺さ
れた同志もいた。
ある清水谷公園での集会に何故かカクマル
が全員銀行強盗のような覆面で来て、中傷
ビラを撒き始めた。取り押さえてスボコに
して叩き出したことがある。
やる方もやられる方も命がけ。どちらの方
というのは無い。どちらに転ぶかは不明だ。

幼馴染の奴が慶應に入った時に、江ノ島の
海岸線を彼のサンパチで2ケツで走ったが、
なかなかよく走るように整備されていた。
あいつ、癒着問題の事務次官更迭事件で
防衛省事務次官と一緒更迭されちまった
だよな(笑)。
入学の時、「学生運動でもやりますか」と
週間プレイボーイの取材に答えて載ってた
がウンドなんざやらずに、よしゃいいのに
官僚になんてなりやがった。
幼稚園の頃から「総理大臣になる」という
のが口癖だったが、飛びで消えたな(笑)。
官僚とかは一度転倒するとアウトだから
ねー。汚れた英雄のようにはいかない。

叔父から貰ったダブルスは大学時代も
着ていた。
(3年次 シャバの某パブにて)


(4年次 広島県福山グリーンライン)

この50'sの輸入革ジャンは一体どこのメー
カー製だったのだろう。
かなりしっかりしていた。サイドスリット
部が真っ赤でカッケかった。
革はもろにカウハイドだ。サドルレザーの
ようにゴツかった。

今一番よく着るのはAVIREXのA-2タイプ
だが、同じAVIREX製のダブルスはホース
ハイドのためしなやかで着やすい。街着
やチョイ乗り以外の走りの時にはアビの
ダブルライダースにしている。
ただ、信頼性から行くとカドヤのカウハイ
ドの革ジャンがモロに鎧のようで安心感が
ある。
転ばぬ先の杖ならぬ転んだ先の革、という
ような位置付けとしては。
他の人も多分そうだろうが、乗り屋の場
合、おしゃれなファッションアイテムと
して革など着ない。革ジャンは完全に防護
服、道具として認識しているのではなかろ
うか。
いうならば、ジッポーのように。
乗り屋が革なら何でもいいとペラペラの
薄い革ジャンを着ないのはその為だろうと
思う。
「道具を着こなす」
それが二輪乗りの革ジャンとの付き合い方
のように思える。

カドヤのニューコンセプターの1stバージョ
ンは前ジッパーにフラップが無いため、
イクのタンクがヤスリがけしたように
疵ついてしまう。
だが、2ndバージョンからはジッパーが
覆い隠されるように改良された。
さすがカドヤだ。
私のは1stバージョンなので、自分で本革
の1ミリ厚のリボンを保護フラップとして
縫い付けて改造してある。


このカドヤの革ジャンは、設計も革の質も
縫製も最高に良いのだが、残念ながらこの
モデルのシリーズは廃番。
カドヤ・ニューコンセプターのラインナッ
プへの復活を強く願う。

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