【メル博】ロゴマーク いのちのたび博物館メールマガジン 第159号
2017/06/10
博物館からのおしらせ
夏の特別展「大昆虫博」開催決定!
【画像】ヘラクレスオオカブト
ヘラクレスオオカブト
世界のカブトムシやクワガタムシ、初公開となる蝶の大型コレクションなど、圧倒的な数の昆虫標本を展示。生きたカブトムシ、クワガタ、擬態昆虫や水生昆虫などの展示も行います。標本、生きている虫、そして化石を通じてその多様な世界と不思議な魅力に迫ります。

【開催期間】平成29年7月15日(土)~平成29年9月3日(日)
【時 間】9:00~17:00(最終入館16:30)
【場 所】いのちのたび博物館
【料金等】
<特別展入場料>
●特別展のみ●
大人800円、高大生500円、小中生400円

●特別展+常設展のセット券●
大人1100円、高大生700円、小中生500円


<特別展関連イベント>
●「ナイトミュージアム」●
照明を落とした夜の博物館を探検しよう!

【開催日】7月21日(金)、8月10日(木)
【時 間】各日18:30~20:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】各日先着900名
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】大人800円、高大生500円、小中生400円
【申 込】セブンチケットでのみ販売(無くなり次第終了)

●「昆虫標本作成実演」●
学芸員による昆虫標本作成の実演。テクニックを学んで自由研究の参考にしよう!

【開催日】会期中の毎週木曜日
【時 間】13:00~14:00
【場 所】いのちのたび博物館
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】特別展入場券が必要
【申 込】不要

●「ギャラリートーク」●
不思議な昆虫の世界を学芸員が解説します。

【開催日】8月18日(金)、8月25日(金)、9月1日(金)
【時 間】各日14:00~14:30
【場 所】いのちのたび博物館
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】特別展入場券が必要
【申 込】不要

特別展、イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

歴史講演会「戦国女性の群像」
講師は、九州大学大学院教授 福田千鶴先生。

【開催日】7月8日(土)
【時 間】13:30~15:30
【場 所】環境ミュージアム 多目的ホール
【定 員】200名(当日先着順受付)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】800円(資料代)

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

夏休み教室「権現山の昆虫観察会」
【画像】
権現山の昆虫を観察します。

【開催日】7月22日(土)
【時 間】10:30~14:00
【場 所】皿倉山 
※集合・解散:ケーブルカー山上駅
【定 員】50名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者の参加が必要)
【料金等】50円(保険代)

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

室内講座「ミニ掛軸を作ろう」
日本の伝統的表装技術である掛軸の製作を体験し、職人の高度な技術に接して、文化財の保存・継承の大切さを知る。

【開催日】7月23日(日)
【時 間】(1)10:00~12:00、(2)13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】各回10名(抽選)
【対 象】小学校中学年以上(小学生は保護者同伴)
【料金等】1500円(材料費)

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

夏休み教室「海岸生物の観察」
【画像】
海岸生物の観察を行い、学芸員が解説を行います。

【開催日】7月24日(月)
【時 間】14:15~16:30
【場 所】若松区岩屋海岸
※集合・解散:かんぽの宿北九州バス停前
【定 員】50名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者の参加が必要)
【料金等】50円(保険代)

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

学芸員の「よもやまばなし」
魚竜化石の周りの様々な化石
【画像】魚竜の胃内容物および魚竜と一緒に化石になったアンモナイト(上写真の魚竜を含む石の長辺は約350センチメートル、左下写真の肋骨と肋骨の間の幅は約2センチメートル、右下写真のアンモナイトの直径は約10センチメートル)
魚竜の胃内容物および魚竜と一緒に化石になったアンモナイト(上写真の魚竜を含む石の長辺は約350センチメートル、左下写真の肋骨と肋骨の間の幅は約2センチメートル、右下写真のアンモナイトの直径は約10センチメートル)
 博物館の恐竜が並んでいる隣に、ドイツ産のステノプテリギウスという魚竜の化石が展示されています。魚竜は水中での生活に適応した、イルカのような姿の爬虫類です。この魚竜化石はホルツマーデン頁岩というジュラ紀前期(約1億8000万年前)の地層から見つかったもので、全身の骨がほぼ元の位置関係のまま残された保存状態の良い化石です(頁岩とは、積もった層ごとに薄く板状に割れる特徴のある、泥が固まってできた岩石です)。ホルツマーデン頁岩は保存状態の良い化石をたくさん含むことで有名ですが、それは、この地層が積もった海底付近の酸素量が少なく、海底に沈んだ死骸が他の生物に食い荒らされたり分解されたりする影響が少なかったからだと考えられています。海底付近の酸素量が少なかったために、遊泳性・浮遊性の生物の化石が豊富なのとは対照的に、底生の生物の化石が少ないのもホルツマーデン頁岩の特徴です。
 ところで、博物館に展示されている魚竜化石を含む石には、魚竜の骨以外にも様々な生物の化石が保存されています。魚竜のお腹の部分を詳しく観察すると、肋骨と肋骨の間に小さな黒いトゲ状のものが密集している所があるのが見えます(周囲の石も黒色なので懐中電灯などで照らしてじっくり観察しないと見つけるのが困難です)。これはイカやタコとともに鞘形類というグループに含まれるベレムナイト類やフラグモテウティス類の“カギ爪”の化石が密集したものです。ベレムナイト類やフラグモテウティス類はイカやタコと同じように複数の腕を持っていましたが、その腕には“カギ爪”が並んでいました。お腹のところに密集していることから分かるように、これらは魚竜に食べられ、胃の内容物として保存されたものです。
 魚竜の餌食になった生物以外にも一緒に埋まって化石になった生物がたくさん含まれています。魚竜の周りを良く見ると多くのアンモナイトや二枚貝を見つけることができます。アンモナイトは、巻いた殻の化石だけでなく顎の化石も含まれています。また、アンモナイトの殻に別の生物が付着しているのも観察できます。その他、魚竜の尾の近くには、陸から流れてきた木の化石もあります。
 このように、博物館に展示されている化石標本には、“主役”の化石以外にも様々な“脇役”が含まれている場合があります。博物館で、そのような“脇役”を探してみるのも面白いかもかもしれません。

(自然史課学芸員 御前 明洋)


祝!ユネスコ無形文化遺産登録  戸畑祇園大山笠行事
【画像】西大山笠水引幕(伝 明治27年制作) 「勿来関の桜花」の場面 源義家が桜花を見て詠んだ歌「吹く風を勿来の関と思えども 道もせに散る山桜かな(来ないでほしい〔来る勿れ〕の「勿来の関」だから、風も吹いてくれるなと思うのだが、風が吹いて道いっぱいに山桜が散っていることだ)」は勅撰和歌集『千載和歌集』に収められている
西大山笠水引幕(伝 明治27年制作) 「勿来関の桜花」の場面 源義家が桜花を見て詠んだ歌「吹く風を勿来の関と思えども 道もせに散る山桜かな(来ないでほしい〔来る勿れ〕の「勿来の関」だから、風も吹いてくれるなと思うのだが、風が吹いて道いっぱいに山桜が散っていることだ)」は勅撰和歌集『千載和歌集』に収められている
 「ヨイトサ」の掛け声が街中に響く戸畑祇園大山笠行事は、村中に流行した疫病平癒を祝ったのが始まりで、享和3年(1802)から215年続くお祭りです。昭和55年(1980)には、国の重要無形民俗文化財に指定され、平成28年(2016)12月には、全国の「山・鉾・屋台行事」33件とともに、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
 祭りの魅力の一つは、昼と夜とでその姿を変えるところにあります。昼の「幟山笠」は、豪華絢爛な刺繍を施した幕や幟を付け、武者絵や虎など勇壮な姿が町を練り歩きます。一方、夜の「提灯山笠」では、昼の幕や幟を外した後、御神灯2個を含む309個の提灯を12段に積み上げます。その高さはなんと約10メートル、重さ2.5トンにのぼります。約80人の男たちが担いで戸畑の町をまわると、提灯の明かりが幻想的にゆらいでいます。
 今回、ユネスコ無形文化遺産登録を記念し、歴史ぽけっとミュージアムでは、博物館が保管する戸畑祇園大山笠行事の幕類を展示します。この幕は明治期に制作されたもので、福岡県有形民俗文化財に指定されています。幕類に描かれているテーマにはよく知られた故事や説話が用いられていますが、特に武者絵が多く用いられています。
 例えば、西大山笠の水引幕(伝 明治27年〔1895〕制作)には、平安時代後期の武士である源義家にまつわる3つのエピソードが描かれています。一つ目は東北地方の豪族安倍貞任が起こした反乱である前九年の役(1051~1062)との戦いの一場面「衣川の舘」で、逃げる貞任に向かって義家が「衣のたては ほころびにけり(衣川の舘は陥落してしまったぞ)」と詠いかけたところ、貞任が「年を経し 糸の乱れの 苦しさに(長年の戦いによって、糸が乱れてしまうように、柵は壊れてしまった)」と返します。この「衣のたて」は、「衣川の舘」と「衣のたて糸」の二つの意味がある掛詞になっており、貞任もそれの意味を理解して返答しています。二つ目の「勿来関の桜花」と「雁の乱れに伏兵を知る」は、出羽国の豪族清原氏の内乱がもとで起こった後三年の役(1083~1087)の際のエピソードで、文武両道を諭す好例とされました。
 このような英雄たちが描かれた幕類は大切に受け継がれ、東、西、天籟寺、中原の各山によって異なる意匠が描かれています。戸畑祇園大山笠行事は毎年7月の第4土曜日を挟む3日間で行われ、今年は7月21日(金)から23日(日)の予定です。お囃子の響く戸畑のまちに、足を運んで見られませんか?

(歴史課学芸員 上野 晶子)


【メル博】購読者プレゼント
オリジナルグッズ大集合!
【画像】トートバッグ(左上) クリアファイル&シャーペンセット(右上) ロール付箋(左下) ミニタオル(右下)
トートバッグ(左上) クリアファイル&シャーペンセット(右上) ロール付箋(左下) ミニタオル(右下)
・トートバッグ  1名様
博物館名の頭文字「KMNH」がおしゃれにデザインされたトートバッグ。肩掛けでき、A4サイズもすっぽり。荷物の多い方にもぴったりなバッグです。

・クリアファイル&シャーペンセット  1名様
迫力ある骨格展示のA4クリアファイル。中に書類を入れても見えるので使いやすい!ティラノサウルスのかっこいいシャーペンとセットでプレゼントです。

・ロール付箋    1名様
4種類のデザインが楽しめるロール付箋です。やさしい色合いで恐竜や昆虫がかわいくデザインされた付箋です。 

・ミニタオル     1名様
綿100%、20cm×20cmのミニタオル。恐竜の他にもマンボウやアンモナイトなど、博物館らしい絵柄がいっぱいのカラフルなミニタオルです。

※応募期間は、発行日から10日間です。
なお、当選者の発表はプレゼントの発送をもってかえさせていただきます。あらかじめ、ご了承ください。
また、今月は館内燻蒸(害虫駆除)のため、プレゼントの発送が遅れますのでご了承ください。
応募の際は、メッセージも一緒にお送りください。
たくさんのご応募、お待ちしております。

プレゼントのご応募はこちら
編集後記
お知らせ
【画像】
 春の特別展「ホントはすごい!どうぶつ展~飛ぶ!走る!泳ぐ!~」は、5月14日をもちまして閉幕いたしました。期間中は、多くの方にご来場いただきまして、誠にありがとうございました。
 次回、夏の特別展は、「大昆虫博」を開催いたします!チョウ、カブトムシ、クワガタムシ、擬態昆虫、水生昆虫を中心に、1万点を超える圧倒的な数の標本と、50種類を超える生体展示で、昆虫の魅力を紹介いたします!日本最大級の昆虫展をお見逃しなく!

 また、先月号でもお知らせいたしましたように、館内燻蒸(害虫駆除)のため、平成29年6月19日(月)~6月24日(土)の間、臨時休館いたします。休館中はご迷惑をおかけいたしますが、宜しくお願い致します。
25日(日)からは通常どおり開館いたしますので、ぜひお越しください!

 皆様のご来館を心よりお待ちいたしております。


いのちのたび博物館ロゴマーク
【発行】北九州市立いのちのたび博物館
  〒805-0071福岡県北九州市八幡東区東田2-4-1
  TEL : (093)681-1011 FAX : (093)661-7503
  URL : http://www.kmnh.jpお問い合わせフォーム
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