【メル博】ロゴマーク いのちのたび博物館メールマガジン 第186号
2019/09/10
博物館からのおしらせ
秋の特別展「九州発!棟方志功の旅 彫り起こされた足跡と交流」開催決定!
【画像】「棟方志功芸業展」ポスター
「棟方志功芸業展」ポスター
棟方志功(1903-75)は、青森県出身で「世界のムナカタ」として国内外で高く評価された20世紀を代表する版画家です。
昭和29年、北九州・小倉において九州初となる個展が開催され、これを契機に棟方は北九州との関わりを深めていきます。
本展覧会では九州における棟方の知られざる足跡を、棟方の代表作や九州に残された作品などとともにご紹介します。

【開催期間】令和元年10月12日(土)~令和元年12月1日(日)  
【時 間】9:00~17:00(最終入館16:30)
【場 所】いのちのたび博物館
【料金等】
<特別展入場料>
大人800円、高大生500円、小中生400円
※常設展とのセット券あり


<特別展関連イベント>
●オープニング記念講演会「旅の人 棟方志功」●
講師は、棟方志功研究家で、棟方志功の初孫でもある石井頼子さん。

【開催日】10月12日(土)
【時 間】13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】200名(当日先着)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要

●「ギャラリートーク」●
特別展会場にて担当学芸員がみどころを解説します。

【開催日】10月19日(土)、11月3日(日・祝)
【時 間】各日13:00~13:45
【場 所】いのちのたび博物館
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】特別展入場料
【申 込】不要

●トークセッション 博物館×美術館「棟方志功からの想像力」●
棟方志功に始まり、版画や浮世絵、北九州の文化史などを題材として、博物館と美術館の学芸員が語り合います。

【開催日】10月26日(土)
【時 間】14:00~16:00
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】30名(抽選)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】特別展入場料
【申 込】必要

●「ハロウィン☆ナイトミュージアム」●
ハロウィン仕様に装飾した夜の博物館と特別展「九州発!棟方志功の旅」を観覧できます。
ハロウィンにちなんで、お客様の仮装でのご来館もOKです。(※仮装していなくても参加できます。)博物館で貸出用の仮装グッズもご用意しています。(貸出無料、数に限りがあります。)

【開催日】10月26日(土)
【時 間】18:00~21:00(最終入館20:00)
【場 所】いのちのたび博物館
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】大人800円、高大生500円、小中生400円
【申 込】セブンチケットにて販売

<仮装の注意事項>
・博物館の観賞を楽しんでいただくのがこのイベントの一番の目的です。お子様や他のゲストが不快と感じるような仮装、迷惑行為となる恐れのあるような仮装はご遠慮ください。
 例:極端に露出度の高い仮装、現行警察官など混乱を招く恐れのある仮装。長くて鋭いものなど他人にけがをさせる危険のある仮装、ナイフ等の刃物類やエアガン等の銃器類(模倣品も含む)等

・写真撮影用の自撮り棒・三脚のご使用はご遠慮ください。 

・館内は暗くなります。極端に視界を遮るお面やゴムマスク、通行の安全を妨げる服装(裾をひきずるほどの長い服)、などは安全のため着用しないでください。
 
・通行の妨げとなる団体での行動や場所占拠などの迷惑行為はご遠慮ください。

・その他、博物館スタッフが、博物館内の健全な雰囲気を損なう可能性や、博物館の安全な運営を妨げる可能性があると判断した場合は、仮装や入館をご遠慮いただく場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

●「学芸員とめぐる東田地区 秋の特別展ガイドツアー」●
東田地区3館で開催中の特別展の共通テーマ「版画・紙・印刷」に即した展示解説と各展覧会の見どころを紹介します。

【開催日】11月2日(土)、11月17日(日)
【時 間】各日13:00~15:00
【場 所】いのちのたび博物館、環境ミュージアム、北九州イノベーションギャラリー
【定 員】各日30名(抽選)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】特別展入場料
【申 込】必要

●「北九州と棟方志功」●
特別展「九州発!棟方志功展」について担当学芸員が詳しくご紹介する講座です。

【開催日】11月9日(土)
【時 間】13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】200名(当日先着)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要

●北九州・技の達人が語る「安川カレンダーと表装」●
講師は、猪ヶ倉表具店 猪ヶ倉勝盛さん。表具の裏打の実演などを交え、表具師の仕事や、安川カレンダーの表装について紹介します。

【開催日】11月23日(土・祝)
【時 間】13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】200名(当日先着)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要

特別展、イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

たいけん講座「博物館のそばにやってくる野鳥を見てみよう」
身近な野鳥について室内で学んだあと、博物館の周りで実際に探して観察します。

【開催日】10月13日(日)
【時 間】10:00~12:00
【場 所】いのちのたび博物館、博物館周辺
【定 員】20名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者の参加が必要)
【料金等】50円(保険代)            
【申 込】必要

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

室内講座「いのちのたび子ども教室(後期)」
【画像】
自然史・歴史博物館の特色を活かした体験活動などを行い、自然や文化について学習します。

【開催日】10月26日(土)~令和2年1月25日(土) 
毎月第2・4土曜日(日程により第3土曜日の場合あり)全6回  
【時 間】13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館  
【定 員】20名(抽選)
【対 象】小学4年生~中学3年生
【料金等】300円(保険代)            
【申 込】必要

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

室内講座「植物細密画を描いてみよう!」
【画像】
初心者向けに、植物細密画の描きかたの基本と要点を線画段階と着色段階に分けて指導します。

【開催日】10月27日(日)
【時 間】13:00~16:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】24名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者同伴)
【料金等】200円(用紙・資料代)            
【申 込】必要

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

いのたび自然塾「どんぐり祭り!たべよう・あそぼう」
【画像】
身近な木の実である「どんぐり」について学び、どんぐりクッキー作りやどんぐりを用いた工作をおこない、人間と自然との関わりを体感していただける講座です。

【開催日】11月9日(土)
【時 間】(1)10:00~12:00、(2)13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】各回20名(抽選)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】200円(保険代・材料費)          
【申 込】必要

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

学芸員の「よもやまばなし」
ムカシトンボ
【画像】ヒマラヤムカシトンボ(博物館の展示解説より)
ヒマラヤムカシトンボ(博物館の展示解説より)
 ムカシトンボの仲間は、日本・ヒマラヤ・中国にそれぞれ一種ずつ分布しています。幼虫は水温の低い清流に生息しており、成虫になるまで何年もの時間がかかります。
 ムカシトンボは、体が太いというトンボ類(不均翅亜目)と、前翅と後翅が同じ大きさで、翅を閉じてとまるというイトトンボ類(均翅亜目)の、両方の特徴を備えています。そのため、トンボの中でも、原始的な特徴をもつトンボとして考えられてきました。
 このように、ムカシトンボは、名前の通り生きた化石としても広く知られるトンボです。日本とヒマラヤのムカシトンボが非常によく似ていることが指摘されたこともあるのですが、長い間、ジュラ紀に生息していたムカシトンボの祖先の一部が、限られた地域でのみ生き残り、長期間それぞれの地域で隔離されてきたと考えられてきました。
 ところが、ドイツを中心とした研究チームがDNAの解析を行ったところ、進化速度の早い(DNAの変化が早い)領域であっても、日本・ヒマラヤ・中国のムカシトンボ三種にはほとんど違いが無いという結果になりました。他のトンボと比べると、ムカシトンボの塩基配列の違いは、種内の変異に収まる程度の違いです。これはこれまでの説とは全く異なる結果で、ムカシトンボ三種はごく最近(といっても「万年」の単位ですが)まで、ひとつの集団を形成していたことを示しています。
 これまでジュラ紀の終わりに多くが絶滅してしまい、それらの生き残りが細々と生きてきたと考えられてきたムカシトンボですが、今は2万年前ぐらいまで広い範囲で生き残ってきたムカシトンボの祖先が、氷期が終わった後の温暖化により寒い地域に追いやられた結果、今の日本・ヒマラヤ・中国という分布となったと考えられています。ムカシトンボが、トンボ類とイトトンボ類の特徴を備えた、トンボの進化を考える上で重要な種であることには変わりありませんが、今の分布になるまでの進化史についてはがらりと変わってしまいました。
 
(自然史課学芸員 蓑島 悠介)


棟方志功と北九州の人々(2)
【画像】左から棟方夫人、棟方志功、村上伊三郎、廣澤旦
左から棟方夫人、棟方志功、村上伊三郎、廣澤旦
 2015年2月10日のメル博131号で「棟方志功と北九州の人々」という記事を書かせていただきました。あれから4年の歳月を経て、当時の記事を元にした特別展「九州発!棟方志功の旅-彫り起された足跡と交流-」が、10月12日から開催される運びとなりました。なんとも感慨深いです。
 おさらいにもなりますが、棟方志功(以後、志功さん)は青森県出身の版画家です。昭和30年(1955)ブラジル・サンパウロ・ビエンナーレで最高賞、翌年イタリア・ヴェネツィア・ビエンナーレでグランプリを受賞するなど、国際的な評価を受け、昭和45年(1970)文化勲章を受章しました。
 さて今回の特別展は、昭和27年(1952)に志功さんと安川電機の村上伊三郎さんの縁が出来たところから始まります。村上さんは志功さんの人柄に惚れ込み、安川電機の同僚や上司等に志功さんを次々と紹介して回りました。これがきっかけで、志功さんは安川電機に関する仕事をするようになります。特に安川電機のカレンダーを手掛けたことは有名で、現在も同社のカレンダーには志功さんの作品が使われ続けています。
 また、安川電機の人々は、関門民芸会という同人会にも所属していました。この同人会が中心となり、昭和29年1月、小倉井筒屋で志功さんの九州初個展が開催されるに至ります。(メル博131号参照)この個展をきっかけに、志功さんと安川電機の関わりは一層深まりました。
 安川電機との関係で面白いのは、社員から社長まで幅広く志功さんとの付き合いがあった点です。例えば安川電機の社員の一人、廣澤旦さんは、昭和30年頃、八幡から東京に転勤になり、志功さんの自宅近くの社員寮に住んでいました。廣澤さんは棟方家で産まれた子猫「ゴマ」を譲り受けます。棟方家に残った猫は「シオ」、併せて「ゴマシオ」。何とも洒落が利いています。志功さんはゴマが養子に行った後、ゴマ宛の手紙を書いています。
 「シオよりゴマくんへ。初めの日は、ぼくも淋しかったが、なれれば、なれるもんでもう淋しかあなくなったよ。ゴマくんがあったかい御主人(廣澤さん)のせなかにこびりついてゐるなんては、ゼイタクだ。猫道以上なたいぐうを受けてゐるのはうらやましいね。ぼくのところの半はげ主人(志功さん)は、やかましやで、ぼくを大きらいのと違ふところがうらやましいよ。とにかくおたがいに日本の鼠族どもを片っぱしから噛み盡し[す]ことだね。又」
 手紙の内容からは志功さんの人柄と猫愛、そして廣澤さんとの関係性も垣間見ることができます。今回、多くの作品とともに、このハガキも展示します。志功さんの作品の素晴らしさ、そして人となりを感じていただきたいと思っています。

(歴史課学芸員 富岡 優子)


【メル博】購読者プレゼント
特別展関連プレゼント!
【画像】オリジナルトートバッグ(左上) サンショウウオぬいぐるみ(右上) アマガエル ミニメモセット&A5クリアファイル(左下) アクリルキーホルダー(右下)
オリジナルトートバッグ(左上) サンショウウオぬいぐるみ(右上) アマガエル ミニメモセット&A5クリアファイル(左下) アクリルキーホルダー(右下)
・オリジナルトートバッグ   1名様
ひょっこりとカエルがのぞいたデザインのトートバッグ。お弁当と水筒が入れられるベストサイズ♪

・サンショウウオぬいぐるみ   1名様
キュートな目、手足がくたっとした感じがおすすめポイント。手触りも、ふわふわです。

・アマガエル ミニメモセット&A5クリアファイル  1名様
鮮やかな色彩でデザインされたメモ帳とファイルです。
メモ帳は3種類のアマガエル柄を楽しむことができます。

・アクリルキーホルダー   1名様
爬虫類好きさんにおススメ!レオパードゲッコーがお洒落にデザインされたアクリルキーホルダーです。

※応募期間は、発行日から10日間です。
なお、当選者の発表はプレゼントの発送をもってかえさせていただきます。あらかじめ、ご了承ください。
応募の際は、メッセージも一緒にお送りください。
たくさんのご応募、お待ちしております。

プレゼントのご応募はこちら
編集後記
お知らせ
【画像】
 まず始めに、9月5日(木)に、現在開催中の夏の特別展「探検!両生類・は虫類の世界」の入場者が10万人を達成いたしました!10万人目となられた方には、いのちのたび博物館の上田館長より、両生類・は虫類展のグッズがプレゼントされました。まだご覧になられていない方は、9月16日(月・祝)まで開催しておりますので、この機会にぜひご覧いただければと思います。

 また、10月26日(土)は、【東田ミュージアムパーク オータムフェスタ2019】を開催いたします。博物館横の東田大通り公園内特設会場及び東田ミュージアム3館(いのちのたび博物館、北九州イノベーションギャラリー、北九州市環境ミュージアム)にて、様々なイベントを行います!
昼間は公園内会場で東田ミュージアム3館のほか美術館や児童文化科学館などの施設・団体による各種工作や版画体験などの「ミュージアムワークショップ」や、東田ミュージアム3館を回る「スタンプラリー」を開催いたします。夕方・夜からは映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」を上映する「野外シネマ」や、秋の特別展関連イベント「ハロウィン☆ナイトミュージアム」など、楽しいイベントが盛りだくさんです!
詳しくは、来月号のメールマガジンで改めてお知らせいたしますので、お楽しみに!!

 皆様のご来館を心よりお待ちいたしております。


いのちのたび博物館ロゴマーク
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  TEL : (093)681-1011 FAX : (093)661-7503
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