【メル博】ロゴマーク いのちのたび博物館メールマガジン 第187号
2019/10/10
博物館からのおしらせ
秋の特別展「九州発!棟方志功の旅 彫り起こされた足跡と交流」
【画像】
棟方志功(1903-75)は、青森県出身で「世界のムナカタ」として国内外で高く評価された20世紀を代表する版画家です。
昭和29年、北九州・小倉において九州初となる個展が開催され、これを契機に棟方は北九州との関わりを深めていきます。
本展覧会では九州における棟方の知られざる足跡を、棟方の代表作や九州に残された作品などとともにご紹介します。

【開催期間】令和元年10月12日(土)~令和元年12月1日(日)  
【時 間】9:00~17:00(最終入館16:30)
【場 所】いのちのたび博物館
【料金等】
<特別展入場料>
大人800円、高大生500円、小中生400円
※常設展とのセット券あり


<特別展関連イベント>
●オープニング記念講演会「旅の人 棟方志功」●
講師は、棟方志功研究家で、棟方志功の初孫でもある石井頼子さん。

【開催日】10月12日(土)
【時 間】13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】200名(当日先着)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要

●「ギャラリートーク」●
特別展会場にて担当学芸員がみどころを解説します。

【開催日】10月19日(土)、11月3日(日・祝)
【時 間】各日13:00~13:45
【場 所】いのちのたび博物館
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】特別展入場料
【申 込】不要

●トークセッション 博物館×美術館「棟方志功からの想像力」●
棟方志功に始まり、版画や浮世絵、北九州の文化史などを題材として、博物館と美術館の学芸員が語り合います。

【開催日】10月26日(土)
【時 間】14:00~16:00
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】30名(抽選)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】特別展入場料
【申 込】必要

●「ハロウィン☆ナイトミュージアム」●
ハロウィン仕様に装飾した夜の博物館と特別展「九州発!棟方志功の旅」を観覧できます。
ハロウィンにちなんで、お客様の仮装でのご来館もOKです。(※仮装していなくても参加できます。)博物館で貸出用の仮装グッズもご用意しています。(貸出無料、数に限りがあります。)

【開催日】10月26日(土)
【時 間】18:00~21:00(最終入館20:00)
【場 所】いのちのたび博物館
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】大人800円、高大生500円、小中生400円
【申 込】セブンチケットにて販売

<仮装の注意事項>
・博物館の観賞を楽しんでいただくのがこのイベントの一番の目的です。お子様や他のゲストが不快と感じるような仮装、迷惑行為となる恐れのあるような仮装はご遠慮ください。
 例:極端に露出度の高い仮装、現行警察官など混乱を招く恐れのある仮装。長くて鋭いものなど他人にけがをさせる危険のある仮装、ナイフ等の刃物類やエアガン等の銃器類(模倣品も含む)等

・写真撮影用の自撮り棒・三脚のご使用はご遠慮ください。 

・館内は暗くなります。極端に視界を遮るお面やゴムマスク、通行の安全を妨げる服装(裾をひきずるほどの長い服)、などは安全のため着用しないでください。
 
・通行の妨げとなる団体での行動や場所占拠などの迷惑行為はご遠慮ください。

・その他、博物館スタッフが、博物館内の健全な雰囲気を損なう可能性や、博物館の安全な運営を妨げる可能性があると判断した場合は、仮装や入館をご遠慮いただく場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

●「学芸員とめぐる東田地区 秋の特別展ガイドツアー」●
東田地区3館で開催中の特別展の共通テーマ「版画・紙・印刷」に即した展示解説と各展覧会の見どころを紹介します。

【開催日】11月2日(土)、11月17日(日)
【時 間】各日13:00~15:00
【場 所】いのちのたび博物館、環境ミュージアム、北九州イノベーションギャラリー
【定 員】各日30名(抽選)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】各特別展入場料
【申 込】必要

●「北九州と棟方志功」●
特別展「九州発!棟方志功展」について担当学芸員が詳しくご紹介する講座です。

【開催日】11月9日(土)
【時 間】13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】200名(当日先着)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要

●北九州・技の達人が語る「安川カレンダーと表装」●
講師は、猪ヶ倉表具店 猪ヶ倉勝盛さん。表具の裏打の実演などを交え、表具師の仕事や、安川カレンダーの表装について紹介します。

【開催日】11月23日(土・祝)
【時 間】13:30~15:30
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】200名(当日先着)
【対 象】どなたでも(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】無料
【申 込】不要

特別展、イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

東田ミュージアムパークオータムフェスタ2019
【画像】
博物館横の東田大通り公園内特設会場及び東田ミュージアム3館(いのちのたび博物館、北九州イノベーションギャラリー、北九州市環境ミュージアム)にて、様々なイベントを行います!

<昼間のイベント>
●「ミュージアムワークショップ」●
各種工作や版画体験など、楽しいイベントが盛りだくさん!

【日 時】10月26日(土) 11:00~17:00
※イベントの詳細及びタイムスケジュールは、博物館ホームページからご確認ください。
【場 所】東田大通り公園
【料 金】無料

●「東田回遊スタンプラリー」●
重ね押し5色スタンプで絵ハガキが完成!参加者にはイオンモール八幡東飲食店で使える特典がもらえます!

【日 時】10月26日(土) 11:00~17:00
【場 所】大通り公園スタート、東田3館を回遊、イオンモール八幡東ゴール
【料 金】無料

●博物館×響ホール室内合奏団連携企画「ミュージアムコンサート」●
恐竜骨格標本前の特別な空間での演奏会!(座席なし)

【日 時】10月26日(土) 13:00~13:30
【場 所】いのちのたび博物館
【料 金】常設展観覧料(大人600円、高大生360円、小中生240円)


<夕方・夜のイベント>
●「野外シネマ」●
映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」を上映します。

【日 時】10月26日(土) 17:30~19:40
※日没の状況により開始時間の変更あり。雨天の場合は、博物館ガイド館にて上映予定。
【場 所】東田大通り公園
【定 員】200名程度
【料 金】無料

この他、秋の特別展関連イベント「ハロウィン☆ナイトミュージアム」を開催いたします。キッチンカーも来ます。

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

歴史探訪「北九州の城跡を歩く 小倉城」
【画像】
北九州市の中近世城郭跡を歩いて探訪します。

【開催日】11月10日(日)
【時 間】10:00~16:00
【場 所】小倉城跡
集合・解散:小倉城天守閣前(小倉北区城内2-1)
【定 員】30名(抽選)
【対 象】ウォーキングレベルの街歩きができる方(小学生以下は保護者の参加が必要)
【料金等】50円(保険代)            
【申 込】必要

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

たいけん講座「博物館で秋の植物を楽しもう」
自然学習園で紅葉した植物や木の実を採集し、標本にします。紅葉の仕組みやどんぐりの秘密もご紹介します。

【開催日】11月10日(日) 
【時 間】13:30~15:00
【場 所】いのちのたび博物館  
【定 員】20名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者同伴)
【料金等】無料          
【申 込】必要

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

室内講座「恐竜この1年」
【画像】
今年1年の興味深い恐竜研究を紹介します。

【開催日】12月7日(土)
【時 間】14:00~15:00
【場 所】いのちのたび博物館
【定 員】30名(抽選)
【対 象】小学生以上(小学生は保護者同伴)
【料金等】無料          
【申 込】必要

イベントの詳細は博物館ホームページからご確認ください。

学芸員の「よもやまばなし」
わたしたちは何種類の魚を食べているか
【画像】北九州市内の鮮魚店。この写真にもさまざまな地域性があらわれています。
北九州市内の鮮魚店。この写真にもさまざまな地域性があらわれています。
 みなさんはこれまでに何種類の魚を食べたことがありますか?マグロ、サケ、ブリ、アジ、イワシなど、あれこれ思い浮かべてみてください。ひとくちにマグロと言っても、その中にはクロマグロ(ホンマグロ)やキハダ、メバチ、ビンナガ(ビンチョウマグロ)などがあり、イワシにはマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシがありますから、しっかり数えてみると意外に多魚種にわたる可能性があります。家庭で調理して、あるいは惣菜として食べられた魚はごく限られているかもしれませんが、回転寿司で流れてくる寿司ネタを考えてみるとマグロだけでも複数種、アジ、イワシ、サンマ、サバ、コノシロ、ウナギ、アナゴ、サーモン、マダイ(タイ)、カツオ、ブリ、カンパチと、15種類ほどになります。そうやって数えていくと、だいたい20~40種、多い方では100種ぐらいになる方もいらっしゃるでしょう。そんなあなたはきっと相当な魚好きです。
 世界には3万種を超える魚が知られ、日本国内だけに限っても淡水・海水を合わせて約4500種類(※亜種を含む)もの魚が報告されています。この中にはきわめて稀なものも含まれますので、そういうものを差し引いて、さらに一般に流通しているものだけに限るとだいたい300~400種ぐらいになります。魚の流通には地域性と、季節性があります。たとえば、淡水魚食の盛んな長野県中部ではコイの切り身を年中見かけることができますが、ここ北九州ではまず見かけることがありません。逆に、日本海に面した北九州では、カレイの仲間、特にソウハチ(きつねがれい)やアカガレイなどを頻繁に見かけますが、これらは当然、長野県の山奥ではほとんど見かける機会のないもので、同じように海に面していても、太平洋側の各地では馴染みが薄いものです。これだけ冷蔵・冷凍流通の技術が発達した現代においても、全国どこでも、同じように流通しているのはマアジやサンマ、サケなど、一部の種類に限られています。長きにわたって築かれた地域の食文化が、まだまだ日本各地に残っているのです。
 私が福岡市内の複数のスーパーマーケットを回って、1年間調べてみたところ、全体で流通する魚の種類は110種程度でした。今年は北九州市内の複数の鮮魚店に協力してもらい、1年間にどの程度の種類が流通しているのか、調べています。まだ途中経過ではありますが、やはり100種類を超える見込みです。これは全国でも多い方なのではないかと考えています。北九州市は全国の主要な都市と比較して、刺身の盛り合わせの消費金額が多いことが分かっています。これには新鮮な魚を、まんべんなく利用してきた文化的背景があると考えられます。一方で、魚全般に対する支出額の比率は他の地域と同様、年々低下する傾向にあり、一定の“魚離れ”の傾向もみられます。市内の古い鮮魚店で聞き取りをすると、昔のひとは色々な雑魚を含めてあれこれ工夫して使っていたが、今はアジやサバ、タイ、タラといった普通の魚しか売れなくなっていると言います。巷の料理本を見てみても、昔のものに比べレシピに登場する魚の種数は減っていて、これが全国的な傾向であることが分かります。
 一部の養殖魚を除いて、魚は天然の資源に依存しています。養殖魚についても、その餌の原料は天然の魚です。特定の魚だけを食べることは、過剰な負荷と、その結果の資源の激減につながります。おいしい魚を末永く食べ続けるためには、色々な魚をまんべんなく利用することも、大事な要素のひとつです。

(自然史課学芸員 日比野 友亮)


棟方志功と北九州の人々(3)海道シリーズ
【画像】昭和45年《西海道棟方板画》の取材で、九州工業大学正門前でスケッチする棟方志功(明専会提供)
昭和45年《西海道棟方板画》の取材で、九州工業大学正門前でスケッチする棟方志功(明専会提供)
 棟方志功(1903~75)は、「世界のムナカタ」と呼ばれた版画家で、北九州を代表する企業の一つ安川電機との関係が深いことは、先月号で紹介しました。
 さて、志功さんは安川電機の企業カレンダーのために「海道シリーズ」という作品を手がけます。
 志功さんは、昭和39年(1964)、駿河銀行の依頼で歌川広重なども描いた現代版の東海道五十三次《東海道棟方板画》を制作しました。
 安川電機はカレンダー制作を企画する中で、全国版の海道シリーズを作る計画を志功さんに持ちかけます。この企画は毎年取材旅行を行い、取材した地方の景色や風物をカレンダーの原画として13点(表紙と12か月分)制作するというものでした。
 昭和45年(1970)、《西海道棟方板画》の取材が行われます。この取材旅行は北九州を中心に北部九州を巡るものでした。13点の作品のうち安川電機本社、若戸大橋、和布刈神社は北九州の風景です。まさに北九州と志功さんの関係をあらわす作品と言えましょう。
 この《西海道棟方板画》が完成した年、志功さんは文化勲章を受章します。日本を代表する芸術家を自社のカレンダー制作のために10日間も取材旅行で拘束し、オリジナルの作品を作ってもらう安川電機のカレンダー、日本一高い(価格が)カレンダーとも言われたそうです。
 その後「海道シリーズ」は、九州南部を取材した《続西海道棟方板画》(1972)、四国を取材した《南海道棟方板画》(1973)、『奥の細道』の歌枕を取材した《奥海道棟方板画》(1974)、《羽海道棟方板画》と続きます。
 この企画には安川電機の社員が大いに関わりました。志功さんの要望を聞き、取材先を決め、旅程を組みました。カレンダーに寄せる解説文も、5回のうち4回は安川電機の社員が書いています。また志功さんと懇意だった社員は取材旅行に同行しました。
 志功さん晩年の代表作「海道シリーズ」は、安川電機の社員の力がなければ出来なかった作品とも言えます。
 この「海道シリーズ」計65点(13点×5シリーズ)は現在も安川電機で大切に保管されており、今回の展示で29年ぶりに全点を一堂に公開します。
 芸術の秋、北九州にゆかりのある棟方志功の作品、「九州発!棟方志功の旅」展で是非ご覧ください。

(歴史課学芸員 富岡 優子)


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【画像】棟方志功 手拭い 松と鷹(左上) 絵はがきセット 棟方志功 〈釈迦十大弟子〉(5枚組)(右上) A4クリアファイル 棟方志功 〈梨牟醐華妃神の柵〉(左下) 一筆箋 棟方志功 〈追開心経頌 耳鳥の柵〉(右下)
棟方志功 手拭い 松と鷹(左上) 絵はがきセット 棟方志功 〈釈迦十大弟子〉(5枚組)(右上) A4クリアファイル 棟方志功 〈梨牟醐華妃神の柵〉(左下) 一筆箋 棟方志功 〈追開心経頌 耳鳥の柵〉(右下)
・棟方志功 手拭い 松と鷹  1名様
職人が手作業で染める注染(ちゅうせん)の手拭い。
機械染と比べ、裏までしっかり染まっています。
実用性はもちろん、お部屋に飾るのもオススメです。

・絵はがきセット 棟方志功 〈釈迦十大弟子〉(5枚組)  1名様
棟方志功の代表作の一つである「釈迦十大弟子」の絵はがきセット。
お手紙だけではなく、飾っても素敵な一品です。

・A4クリアファイル 棟方志功 〈梨牟醐華妃神の柵〉  1名様
彩り鮮やかな板画が印象的なクリアファイル。
紙をはさむと後ろの絵柄が隠れ、また違った雰囲気を楽しめます。
 
・一筆箋 棟方志功 〈追開心経頌 耳鳥の柵〉  1名様
枝にとまった三匹の梟が可愛らしい、縦書き用の一筆箋。
落ち着いた色合いで、お礼状やちょっとしたお手紙にぴったりです。

※応募期間は、発行日から10日間です。
なお、当選者の発表はプレゼントの発送をもってかえさせていただきます。あらかじめ、ご了承ください。
応募の際は、メッセージも一緒にお送りください。
たくさんのご応募、お待ちしております。

プレゼントのご応募はこちら
編集後記
交通規制のお知らせ
【画像】
 夏の特別展「探検!両生類・は虫類の世界」は、9月16日をもちまして閉幕いたしました。期間中は、多くの方にご来場いただきまして、誠にありがとうございました。
 さて、いよいよ10月12日(土)より、秋の特別展「九州発!棟方志功の旅 彫り起こされた足跡と交流」が開幕いたしますが、交通規制のお知らせです。

11月2日(土)、3日(日・祝)に博物館周辺にて「第15回八幡東田ウルトラ25時間駅伝大会」が開催されます。これに伴い、周辺道路が一部規制されます。詳細は、博物館ホームページからご確認ください。
また、大会関係者や応援者が多数来場するため、駐車場・周辺道路の混雑が予想されます。ご来館の際には、係員の指示に従い、お気をつけてお越しください。
 
 皆様のご来館を心よりお待ちいたしております。


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【発行】北九州市立いのちのたび博物館
  〒805-0071福岡県北九州市八幡東区東田2-4-1
  TEL : (093)681-1011 FAX : (093)661-7503
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