【理解増進と環境整備】
「学校、各種教育関係機関、医療機関、労使などと協力をし、理解増進と各環境の整備をセットで進めることによって解決できないのでしょうか。そして、一つ一つの要望を性的指向、性自認のどちらに関係する問題かを見極めていくのも大切です。主語の大きい主張、主語の曖昧な主張には注意が必要です」(近藤の主張こそが、「主語の大きい主張、主語の曖昧な主張」ではないのか?)
【コロナ禍】
予期せぬことでアウティングされる可能性、性的適合手術が遅れる可能性があるという話を聞くが、全てが「性的要素における少数者」特有の問題ではない。
「自宅からネットで会議に参加したら会社には報告していない同棲中の彼氏が映ってしまい、自分がゲイであることが明るみになってしまった、あるいはその可能性があるなんていう話がありますけれども、そもそも何で会社に報告していないんだとか、会議の時間はちょっと外出しておいてもらえるかなと、同棲しているんでしょう?」(「同棲しているんでしょう?」の部分で語気を強める。同棲する同性カップルへの悪意が感じられる口調)
「性的要素における少数者の問題については、まず問題が性的要素における少数者固有の問題かを問いかけることからスタートし、全体に共通の問題と個人レベルの問題とに分け、さらにLGBとTの問題に分けることにより、効率的かつ機会を逸しない対応を取ることが肝要と考えます。新しいルールを設ける前に、既存の制度や組織で対応できるものはそれらを積極的に活用するべきです」(LGBとTの分離は、杉田水脈も主張していたが、今やアンチLGBTQの定番ネタ)
【三重県への提案】
「こと三重県におかれましては、三重県単独での取組に敬意を表するとともに、三重県、県内各市町、そして県民、事業者、教育関係者などの協力者の3者が協力をして、持ち場を分担して取り組んでいくことが欠かせないと考えます。一人で抱え込まないでと電話相談センターのポスターも言っているんですけれども、みんなで協力をしていただいて、なおよい施策を打っていただけるようお願い申し上げます。では、具体的にどういったことができるのか、3点を御提案させていただきます」
【三重県にできること① パートナーシップ制度の導入】
「性的要素における少数者が8.9%存在すると言われる」(様々な批判もある電通調査を、無批判に用いている)
「パートナーシップ制度を本当に導入してよいかは慎重であるべきだと考えます」
「導入してもそんなに長い時間必要とされるかどうか疑わしい側面もあるからです。あってもなくても変わらない、そんなものにどうして皆さんは執着なさるんですか」(「皆さん」とは、言うまでもなく委員会に出席している議員たちのこと。議員たちの姿勢を批判している)
「元来我々は特別養子縁組制度を使って、親子の関係にはなりますが、家族になる選択をしてきております。その数は決して少なくはないのです。これは差別の問題なんでしょうか。福祉の問題なんじゃないんでしょうか」(養子縁組制度は婚姻制度の代替手段ではない)
【三重県にできること② LGBTトイレ】
「強制的にカミングアウトさせるようなLGBTトイレ、誰がこんなものを要求したんでしょうかね」
「LGBTトイレではなく、多目的トイレのように、誰もが安心快適にトイレを使用できるように環境を整えるのが現時点では最善策」
【三重県にできること③ ジェンダーフリー制服】
「(ジェンダーフリー制服を導入する理由に)性的要素における少数者を考慮してなどと、私たちの存在を持ち出すのは失礼です。それこそ差別的です。このプレゼンテーションでも様々な例を用いて申し上げているように、男らしさや女らしさを否定してはならないのです」
※驚くべきことに、三重県に「3点御提案させていただきます」と言いながら、どれもこれも「やるな」ということしか主張していない。スライドのタイトルは「三重県に出来ることは何か」となっているが、これでは「三重県にやってもらいたくないこと」である。
【まとめ】
「人権問題として我々の問題を考えるとともに、いかなる差別もない社会、差別を利用しない社会を実現することです。自分が共感できないものや寛容になれないものは到底受け入れられないのですから、理解増進からスタートするとともに、既存のルールやシステムをアップデートすることから始めるべきです。そうやって社会の相互理解と寛容を醸成し、理解の一致に立ったとしてもやっぱりだめだと、最後の最後に最終手段として差別禁止とならないと、強制をされてよく分からないものを受け入れろと言われても、真の理解や共感は得られません」
「随分と御無礼を申し上げましたが、これぐらい言わないと聞いてもらえない、変わっていただけないと、そういう危機感で申し上げました。申し訳ございません。」(無礼なことを発言したという認識は持っている様子)
(続く)
(続く)
コメント
伝わっていないのではなく、元々の立場が相容れないもの同士、野合してたということでしょう。
全くもってその通りなのですが、既存のルールやシステムのアップデートをことごとく否定してますよね?パートナー証明もトイレも制服の件も。そうすると氏の議論の構成からするとすでに「今まで行われてきたルールやシステムのアップデートの試み」は全否定され、手持ちのカードは理解増進だけになるわけですが、氏の言う理解増進というものが漠然として見えてきません。
理解増進を達するために今まで行われて来たのは
①当事者による講演会や研修
②レインボー(アライ)バッジ
③企業によるパレード参加
などがあるわけですが、それぞれに
①金儲けの手段
②意味がない。カムアウトの強要
③意味がない、偽善、パレードそのものを否定する
という反論が用意されている訳です。
そうなると理解増進なるものも全否定出来てしまいます。それとも氏は講演会等は否定しない立場でしょうか。気になるところです。
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