カスタマーレビュー

2021年2月1日に日本でレビュー済み
全体的には著者に同意できる部分が多かったです。
息子をもつ親として、どうしたら女性を対等に思うことができるのか思いあぐねていたので。
日本社会はまだまだ男性が女性を「ジャッジする側」だと思っていることが多いです。
部下と上司という関係でもないのに、初対面で説教してきたり、当たり前のようにルックスを評価したり…。

しかし、著者のセックスワーカーに対する見解は偏っているように思いました。
「自分の息子は風俗で女性を買うようになって欲しくない。」とありましたが、
主な理由に「女性が貧困で仕方なく従事している」「反社会勢力との関わり」とあり、
それも事実である反面、「セックスワーク・スタディーズ---当事者視点で考える性と労働」を読んだばかりだったということもあり、どこまで当事者の声を聞いたものか疑問に思いました。
セックスワーカーもサラリーマンや公務員と同じように「労働者」である。
この視点をどこまで私たちは持ち合わせているでしょうか。
著者があげた「女性の貧困」「反社会勢力」は風俗業を批判する常套句です。
そこだけしか述べられないことに対し、リサーチ不足を感じました。
著者を批判したいわけではありませんが、ここだけは納得ができませんでした。