那覇空港国内線ターミナル内の特設ブースで始まったPCR検査は3日、到着客40人が受検した。ただ、大半は検査の存在を知らず、そのまま素通り。観光業界からは、幅広く周知するよう求める声が上がった。
検査場は到着口B近くの会議室内に置き、公衆電話ボックスほどの広さのブースが10カ所。採取する唾液が出やすいように梅干しとレモンの写真も貼った。
「検査ブースに人が全くいない。みんな検査を知らないのでは」。昼すぎ、到着口で検査案内係を務めるスタッフは苦笑いした。午前9時から始まった検査は開始から3時間半で、案内した人はわずか3人。
大阪府から仕事で訪れた40代の会社員男性は「検査をしていることを空港に着いて初めて知った。感染の水際対策なら、もっと周知してもいい。多くのビジネスマンや観光客が空港で検査できることを知れば、積極的に受検するはず」。
ただ、県は周知に慎重な姿勢を示す。現時点で1日に検査できる数は100人で「殺到したら困る」(県担当者)。主に、県出身者がやむを得ず帰省する場合や、県内在住者が県外出張から戻る際の利用を想定。県外の観光客などは、それぞれの出発地で検査を受けるよう促している。
県によると、検査の周知は1日の知事会見での発表のみ。今後、航空会社などの民間企業を使った周知は考えていないという。
観光団体35団体でつくる沖縄ツーリズム産業団体協議会は昨年11月末から、那覇空港でのPCR検査センター開設などを県に求めてきた。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は、希望者に検査ができるようになったことについて「一歩前進」としつつも、まだ県民・観光客に対する周知が足りていないと指摘する。
「本来は県のトップページやコロナ情報の特設サイトでも知らせないといけないのではないか」と苦言を呈し、「検査数の制約はあるものの、県外からの観光客にも、県外から戻ってくる県民にも、周知することが大事だ」と話した。













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