JR九州、自動運転の実用化目指す 人手不足に備え

JR九州は、在来線の自動運転技術の開発に乗り出した。列車の位置情報をもとに、運転士が乗り込まなくても運行できる列車を導入する計画だ。全国で人口減少が進むなか、将来の運転士不足などを補う狙いがある。

同社が開発中のシステムは、列車の位置情報や速度をもとに、天候などに合わせて最適な運行速度をコンピューターが検出。自動で列車を運行する仕組みだ。大規模な地震や線路内の立ち入りに備えて、運転席には係員が乗車し、トラブル時の緊急停止や乗客の避難誘導、事故時の保安業務などを担う。

人口減少が進むなか、地方路線では運転士の人手不足が深刻化しており、2018年末から国土交通省や大手鉄道会社が自動運転に関する検討会を開いている。これまでにも新交通システム「ゆりかもめ」(東京)など高架構造のある専用路線などで自動運転が導入されているが、踏切がある路線やホームドアがない路線にも自動運転を広げる。

今年1月にはJR東日本が同様の仕組みを使った実証実験を実施。夜間の山手線で自動運転装置を使って列車を走行させた。JR九州の中期経営計画によると、21年度までに自動運転の実証実験に踏み切る計画だ。今後実用化に向けて開発を加速させる。

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