冷凍庫の出荷が始まるなど、急ピッチで進むワクチン接種の準備。
一方で、どれだけ円滑に接種を進められるのかといった課題も浮上している。
そんな中、街の診療所を活用する「練馬区モデル」と呼ばれる接種の方法が注目されている。
急ピッチで進められるワクチン接種へ向けた準備。
河野規制改革相「(ワクチン接種について)当初想定していた個々の自治体への補助上限額がほぼ倍増」
1日、ワクチンの総合調整を担う河野規制改革相は、「自治体への補助金をほぼ倍増する」と表明した。
河野規制改革相「このコロナウイルスの接種という事業が、自治体にとっては追加されるわけですから、自治体の業務は増えると思うが、非常勤職員を採用したり、アルバイト財源に使ったり、あるいは職員が期間中に接種事業に関われば、超勤手当もこれで出せるようにする」
この補助金は、非常勤職員の採用や超過勤務手当などにも使えるとし、財政的な負担が自治体に重くのしかかることはないと強調した。
その自治体では、ワクチン接種へ向けた準備が本格化していた。
奈良県などの自治体では、ワクチン接種のための専属班を設置。
早速、課題も見えてきた。
奈良県 医療政策局・鶴田真也局長「ワクチン接種のときに、医療関係者がどのように役割分担をして、効率的に接種できる体制をつくるかが、大きなポイントになると思っています」
どうすれば効率的にワクチン接種を行えるか、頭を悩ませていた。
こうした中で、“練馬区モデル”と呼ばれる取り組みが、今、注目されていた。
練馬区 住民接種担当課・中島祐二課長「練馬区では、診療所を中心に接種できる体制を整えました。区民の方々が、身近なところで接種できるよう考えてきたモデルケース」
多くの自治体は、集団接種の会場として、大型の公共施設や体育館などでの実施を予定している。
一方、練馬区モデルでは、区内にある診療所およそ250カ所でも、個別にワクチンを接種することが可能になる。
身近なかかりつけ医でも接種を受けられることで、高齢者の負担が少なくなるのに加え、医療スタッフの数も抑えられるメリットがあるという。
しかし、ファイザー社のワクチンは、およそ-75度で保管する必要がある。
その点は問題ないのか?
練馬区 住民接種担当課・中島課長「冷蔵保存でも5日間ほど保存がきく。この5日間の冷蔵保存を使って地域のクリニックの方に小分けして配送、地域のクリニックでも受けられるような体制を構築していく」
練馬区モデルでは、まず、診療所から予約があった分のワクチンを集団接種会場で小分けにする。
そこから区内の診療所へは、トラックやバイク便などを利用して、原則3時間以内に配布。
そのワクチンを、それぞれの診療所は、5日以内に使用する流れになる。
練馬区 住民接種担当課・中島課長「いくつかの自治体でも、診療所でできる体制をつくれないかというものもあったと思う。何かわからないことがあったらお問い合わせいただきたい」