屋外でもマスク&密回避を スパコン富岳解析「低リスクとは限らない」
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新型コロナウイルス特別措置法に基づいて11都府県を対象に先月8日に再発令された緊急事態宣言は、1日から期限の7日に向けた最終週に入る。東京都では31日、3日連続3桁となる633人の感染が報告された。感染者は全国的に減少傾向で、政府は「宣言の一定の効果」としている。
一方で、この週末も依然として人出は減っていない。スマートフォンの位置情報を基に分析しているソフトバンクの子会社「Agoop」の情報から、30日午後3時台の人出を前週と比べると、東京・上野22・7%、渋谷19・2%、名古屋・栄15・6%などおおむね増加。17・5%増だった東京・原宿の竹下通りは31日も大にぎわい。ポップコーンやクレープなどを販売するテークアウト専門の路面店の前では、多くの若者がマスクを外し大きな声で話しながら飲食。付近の道幅が狭いこともあり、肩と肩がぶつからないよう人を避けて歩かなくてはいけないほどの密具合だった。原宿駅近くのカフェは多くが満席。入店を断られている客の姿もあった。東京都江東区の人気ラーメン店では30日、体が触れ合う間隔で行列ができ、やはりマスクをずらして話す客の光景が見られた。
宣言再発令の際「夜間の飲食自粛」が強調されたことで、昼間の外出は問題ないとの誤ったメッセージが伝わってしまったとされている。人々の間には“コロナ慣れ”ばかりか“宣言慣れ”も起きていそうだ。
コロナは3密(密閉、密集、密接)になりやすい室内での感染が圧倒的に多いが、屋外でも要注意。理化学研究所チームによるスーパーコンピューター「富岳」を使った解析では「屋外が必ず低リスクとは限らない」との結果が出ている。
毎秒0・5メートルの微風が吹いている屋外で一つのテーブルを10人で囲み、感染者が話をする場面を想定。感染者がマスクをしていない場合は、風下やすぐ近くの人が飛まつを吸い込むリスクがある。ただマスクありの場合は、1メートル離れれば飛まつはほぼ届かなくなる。マウスガードの場合でも、1・7メートル離れれば飛まつ到達はほぼゼロという結果だった。
政府は首都圏などで3週間から1カ月程度、宣言を延長する方向で調整。早期の宣言解除のためには、マスク着用の徹底など一人一人が基本の実践に努める他はない。
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