日本COVID-19対策ECMOnet COVID-19 重症患者状況の集計
国内のCOVID-19におけるECMO治療の成績累計
COVID-19重症者におけるECMO装着数の推移
国内のCOVID-19におけるECMO治療の日数と転帰(確定症例のみ)
国内のCOVID-19におけるECMO治療の年齢分布と転帰
国内のCOVID-19におけるECMO治療の性別と転帰
国内のCOVID-19ECMO症例における肥満度分布
- 死亡率
- 20%
- 32%
- 29%
- 32%
- 18%
- 21%
国内のCOVID-19における人工呼吸治療(ECMO除く)の成績累計
国内のCOVID-19重症者における人工呼吸器装着数(ECMO含む)の推移
国内のCOVID-19における人工呼吸治療(ECMO除く)の日数と転帰
国内のCOVID-19における人工呼吸治療(ECMO除く)の年齢分布と転帰
国内のCOVID-19における人工呼吸治療(ECMO除く)の性別と転帰
国内のCOVID-19における人工呼吸治療(ECMO除く)の肥満度分布
- 死亡率
- 23%
- 18%
- 17%
- 17%
- 10%
- 15%
2020年2月から2021年1月にかけて3つの大きな波がみられたので、それぞれ第一波、第二波、第三波として図示を行った。ここでは人工呼吸だけで管理した方と、さらにECMOに移行した方をあわせた救命率(次図はそれぞれを分けて図示)を示す。あわせて人工呼吸症例のうちどのくらいの方がECMOに移行したかを表に示した。第一波では人工呼吸からECMOに移行した方は4人に1人だったが第三波では移行の割合が第一波の1/3となっている。全体の救命率はむしろ第一波より二波、三波の方がよい傾向にある。この間CRISIS統計上、これら重症の方の2000人近くが救命され600人ほどの方が亡くなられた。国内の死亡者数は2021/1/23に5000人を超えたことを勘案すると600人は大変少ないが、CRISISの統計から漏れたECMO症例はほとんど無く、また人工呼吸症例も80%以上を把握しており、多くの方は高齢などを理由に重症治療をせず亡くなられたと考えられる。2021/1/22
たとえば第一波では705人の方が重症として人工呼吸治療を受け、そのうち531人の方が人工呼吸だけの治療を受け74.6%が救命されている。また174名の方は人工呼吸だけでは生命維持が難しいと判断されECMOを導入し69.5%の方が救命された。人工呼吸だけの治療の方で亡くなられた方々については、多くはECMOに移行しても救命は困難という判断がなされECMOへの移行が断念されたと考えられる。第一波から第三波をみていくと、次第に人工呼吸治療だけに止まった人の割合が増え、その救命率は高いままであるが、ECMOに移行した方々の救命率が徐々に下がっている。これには様々な理由が考えられるが、より重篤な患者さんがECMO治療の対象となる一方で、人工呼吸管理のノウハウが向上しECMOに移行せず救命されている方が増えている可能性が高い。また患者数の増加による負担増でECMO移行を回避している施設がある可能性も否定できない。また薬物治療、様々な酸素療法、意識下腹臥位療法などにより挿管人工呼吸自体も数多く回避されていると考えられる。救命された方々についても様々な後遺症が報告されており、現在調査を準備している。2021/1/22