島根県警松江署は27日、新型コロナウイルス対策で国が支給する持続化給付金100万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで慶大生の鶴岡嵩大容疑者(22)を逮捕した。「不正受給に関わったことは間違いありません」と容疑を認めている。同署は複数の余罪があると見て捜査を進めている。鶴岡容疑者は慶大で野球部に所属。3月に卒業予定で、進路は「留学」としていた。
逮捕容疑は松江市在住の男子大学生=詐欺容疑で書類送検=を指南し、持続化給付金の対象外にもかかわらず、中小企業庁から給付された100万円を大学生の男の口座に振り込ませて詐取した疑い。
同署によると、鶴岡容疑者は共通の知人を通じ、男子大学生と共謀。詐取した100万円のうち、数十万円を自身の口座に振り込ませた疑いがある。申請した男子大学生が「不正受給に関わったかもしれない」と署に相談し、鶴岡容疑者が浮上した。
関係者によると、鶴岡容疑者は南海ホークスの監督を務めた鶴岡一人さんの孫。一人さんは、プロ野球史上最多となる1773勝を挙げた名監督として知られる。鶴岡容疑者は捕手で桐蔭学園(神奈川県)から慶大に進学し、試合にも出場。19年4月、法大戦でリーグ戦初安打、初打点を記録した。鶴岡容疑者は「野球一家に生まれ、小学4年から野球を始めた」などと語っていた。
慶大広報部は「本学の学生が逮捕されたことは大変遺憾だ。事実関係を確認し、厳正に対処する」とのコメントを出した。