<アナウンサー>
さて今回の批判の中には、歴史を知らない人が鵜呑みにしてしまう
という現代人の歴史認識の低さを指摘する声もあるんですよね
金村さん、ここはどう考えますか
<金村>
そうですね
まあちょっとそういった問題でいえば
世代間の断絶がすさまじいんですよね
たとえば戦争の話っていうと、僕今28で91年生まれなんですよ。
となると、私の丁度・・ (画面が飛んで聞こえない)
なので戦争の話って聞けたんですよね、直接
<アナウンサー>
うーん
<金村>
でも今のその高校生たちってそういう話聞けないんですよ
おじいちゃんおばあちゃんたちが団塊の世代に成っちゃうんで
やっぱそういうところで全くこう本来共有されているべき知識みた
いなのがまず共有されていないということが一つと
これは「ひろしまタイムライン」が問題になる前から思っていたん
ですけど、旧植民地出身者のことが全くこう出てこない訳ですね
で、これは何が問題かっていうと
例えばその当時のその戦争ですね、その大日本帝国てのはまあ朝鮮
半島だけじゃなくて、台湾や樺太や南洋諸島の人たちも実はそこに
混在して住んでいたよってことが、歴史の本当は前提なんですけど
まあここ最近「ひろしまタイムライン」のみならず
えー日本人だけの語りになってしまっている
<アナウンサー>
うーん
<金村>
それによって本来例えば向き合うべき、えー例えば日本の植民地へ
の責任であったり
どうしてこうそういう人たちが
まあ私たちのようなその旧植民地出身者が実際に生きているのかっ
てことが見えなくなっちゃうんですよね。
<アナウンサー>
なるほど
<金村>
なのでやっぱりそういったところがもうちょっとこう語られるよう
になれば、少しずつ差別や偏見に対してですね、
あのだんだんとやわらかくなっていくのではないかと思っています。
<アナウンサー>
はーい
小野寺さん、いかがですか?
<小野寺>
僕はですね、
やはり歴史的認識をしっかり持つ、ということが差別をなくす、と
いう風にずっと思っているんですけれども
例えば今の発言でですね
まあ植民地化したという話がありますが
実は韓国は併合されたんだと
なので日本になってですね、韓国側も無理やり日本が、その植民地
化したというような方も
それは主張としてはそういう主張もあると思いますけれども
でも当時の国際法に照らしてでもですね、しっかりとこれは日本に
何の責任もないと
きっちりとした手続きを踏んで併合したという話があると
そこらへんのですね、事実をちゃんとお互いが認識を持って正しい
価値でですね
それを史実としてみていかないとですね
ずっとですね、このような意見の食い違いが生まれてですね
その意見の食い違いが、最終的には差別というものを生んでしまっ
ているのではないかなという風にと思います。
で先程のまあ、シュンくんの発言も
ああいうような厳しい「朝鮮人が!」と言ってしまったのは
実は我々は同じ日本人だったのに、戦争が終わったら急に戦勝国面
かよ、みたいなですね、気持ちももしあったんだとしたら
そういう気持ちも、僕シュン君の気持ちも分かりますし
ただ逆に日本人としても今までそういう朝鮮の方たちに対して
いろいろな思いを持つようなことをしたんだとしたら
それも反省をすると
お互いがしっかりと歴史を認識をしていないということがですね
こういう問題につながっているんじゃないのかなと思いますね。
<小藪>
だからやっぱり、歴史的に見解が、今お二人だけでも少し違う部分
がある
大きく違う部分があったり
まあ巷でも結構別れる意見ではあると思いますね。
どっちも、言えば僕ではよく聞くお話です。
なので在日の人と日本人という考え方じたいじゃなくても
いわば在日の人でもええ人と悪い人、おると思うもですよ
日本人でも悪い奴とええ奴、おると思うんですよ
なのでこの縦で割るんじゃなくて、ええ奴でこう
<アナウンサー>
うーんなるほど
<小藪>
繋がるようなねえ、時代に成ったらええなと思いますけどね。
<佐々木>
日本の戦後の戦争観、太平洋戦争観ってものすごく真っ二つに分か
れてて
もう被害者感と加害者感両方がずーっと並行してきてるんですよ
戦争が終わった頃はね
戦争従事者が一杯いたので、被害者、我々被害者だったと
軍部が悪いという人が圧倒的に多くて、それがまあ70年代ぐらいに
なってから
いやいや在日や朝鮮半島やもしくは東南アジアに対して俺加害者だ
ったよね、って事を言った
で、それ以来加害意識ということがすごい問題にされるようになっ
たんだけど
でそこがねすごい振れすぎていて
で一方でね、まあ近代の歴史学ですね
すごい勢いで進歩していてですね
何故太平洋戦争が起きてしまったのか
何故途中で我々は戦争をやめられなかったのか
という詳細な分析 さんざんされているんですよ
だからそこのね、実は知見て重要なんだけど
あんまりね、こう世論とかあるいはこういうニュース番組とかで
そこの部分は言及されてないんですね
結局ずっとやっていんのは、まあ平和報道って、僕新聞記者時代によく言っていたんだけど
8月15日が近づいてくるとそろそろ平和報道の取材班作んなきゃとかいってですね
秋ぐらい、あの夏ぐらいからチーム組んで、なんだろ「ひめゆり」
の人とかに話を聞きに行くという
さっきもお話出てたと思うんだけど、もうあれから73年たって、
75年か75年経って
もうほぼ亡くなりつつあるんですよね。鬼籍に入りつつある
そうすると平和報道もほぼ限界にいきつつあって
いつまでもいつまでも生き残りの戦争被害者の人の話を聞くってこ
とも無理になってきてるよね
じゃあこの先どういう形で戦争しない平和的な報道を人に伝えてい
くかってことをやるのか
しかもそこにどうやって現在の歴史学の成果をですね踏まえるのか
ということが今すごい問われている問題で
たぶん現場テレビとか新聞、現場へ出ている人は皆重々わかっていると思うんだけど
そこをね、もう一回再構築しなければいけない時期に僕はきてるんだと思うんですよ
<安部>
アウシュビッツの日本人のガイドからの考え (コメント省略)
<小藪>
ドイツと日本は同じではない
一つの民族を根絶やしにしたことはない等 (コメント省略)
<安部>
<五味>
差別もそうだし、戦争も自らというか、これから自分たちが加担
する可能性もあるよね、っていう風に考えるかどうかですね。
<アナウンサー>
最後になりますけども、お二人に歴史をどういう風に伝えていけばいいのか
というところですけども、改めて金村さんいかがですか?
<金村>
そうですね、あの
今回の問題に関して言うと、例えば、あの日記の原文が公開されていないんですね。
<アナウンサー>
はい
<金村>
原文とは何かというと、
実際に新井俊一郎さんが書かれた日記のことを原文というんです
ただ今回は書き起こしテキストですよね
で、こういった基本的にその史実を語り継ぐって言うのは慎重にや
らなくては行けなくて
例えばあの国会図書館にある日本国憲法の誕生というネット展覧会
ネット展覧室があるんですね。
そこでは日本の敗戦から日本国憲法の誕生までをですね、全部追っ
てやっていく展示室なんですけど、そこではちゃんと原文と書き起
こしテキストの両方があるんですね。
で、やっぱそういったえー基本的な学問的な手続きをやっていない
しかも専門家の人を監修にしたと言ってますけどその人がいったい
誰なのかもわからない
えーさらにその制作体制ですよね
本来NHK広島が責任を持たなくてはいけないのに
<アナウンサー>
そうです
<金村>
監修の一人だった劇作家の人が謝罪している
<アナウンサー>
うーん
<金村>
これってまずその史実の問題であるのと同時に
いかにこう制作の体制が整ってないか、
<アナウンサー>
うん
<金村>
そして手続きもずさんであったかというところを問題にしていかな
いと、同じ過ちを繰り返すと私は思うんですよね。
<アナウンサー>
はーい
<金村>
なので実は今回のツイート、
ま今回のシュンちゃんのツイートってのは
ネットアーカイブ化してちゃんと検証できるようにしてほしいと思いました。
<アナウンサー>
なるほど小野寺さん、いかがですか
<小野寺>
やはりですね私も、いまその、ま、在日朝鮮の方達と私たちという
のはですね
ま相容れない部分があると思っている、
まあ方たちもたくさんいると
私はこれをですね、すごい不幸なことだと思ってですね
ま将来的にはですね、お互いが歩み寄って
やここに一緒に住めて良かったね、と言うようなですね
ま日本を作っていく必要が私はあると思っています。
ただそれにはですね、しっかりとした歴史と向き合うという勇気も
必要だと言う風に思っておりますし
実際に例えばその時代時代でですね、ま人間の、日本人の価値観というものは変わってきたと思います。
例えばおしんの時代ですね、こんなものは児童虐待だろう
というような話になるかもしれませんが
その時はしょうがなかったんだ、等々ですね
日本人としても歴史の綾というものをですね、しっかりと
教育をしていかなければならないと、そういうこともしないでですね、まあ、歴史と向き合ってこなかったというつけが今ここにきていると思うので、
お互いがしっかりとした認識を持つということが
これから我々の、ま仲良くですね、住んでいくのに必要だと思って
います。
<アナウンサー>
はい小野寺さんと金村さんにお話を伺いました。
ありがとうございました。
<二人>
どうもありがとうございました。
画面
上帯
LIVE#アベプラヘイトを誘発?ひろしまタイムライン騒動を考える
下帯
差別の歴史どう伝える?負の遺産を知る機会ABEMA news
感想
小藪さんはとても気を使った表現で一つ一つ丁寧にコメントする
それでも「いわば在日の人でもええ人と悪い人とおると思うもです
よ。日本人でも悪い奴とええ奴とおると思うんですよ」には違和感
がいっぱい。
これでは在日の人たちに気を遣うというよりもむしろ差別を作り出
しているのではないかとさえ思う。
お客様には丁寧語で、自分たちは謙譲語でととらえるとすれば
それでは同じ場所に対等あるいは公平平等な尊厳を持って暮らす人
間同士とは言いえないと思う。
そしてこの番組では決して語られることはなかったけれど
所謂「在日特権の問題」がある。
日本において日本人と在日の人たちの間に全く公平でない、
しかも恫喝など不条理な理由で獲得された特権が存在する限り
真の平等などあり得ない。
その事実を隠すために、相手をヘイトだと非難する体質がある限り
大きな溝が、高い垣根が、いやそれこそ塀があるのだ。
しかし、それでもこれをヘイトだと訴えるのが朝日毎日の世界観だ
とすれば、巷でうわさされる朝日毎日の問題点は本当のことなのか
もしれない。
ここに在日の問題が、もしかしたら特に大阪の問題が内在されてい
るのかもしれない。
小藪さんの立ち位置としては、真面目で精一杯の賢明な役回りだっ
たのだろう。
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