山草人のモノローグ

誰だって「やったぞぉ～」って、体一杯で表現したいことがある。

況や若者達が精一杯競い合って、その最後に演じるのがエッサッサだ。

数百人の若者たちが、上半身裸で離合集散・その心意気を表現する。

もちろん圧巻は、その地響きのするような雄叫びである。

学園の体育大会は、この雄叫びを目当てに数百人の父兄が駆けつけて賑わった。

文武両道が校是の学園で、進学・スポーツ・文芸共に気を吐きつつある。

とは言え、男女サッカーや剣道、野球などのスポーツは、もう一歩の所で県優勝を逃している。

いずれ量から質への転換点が訪れて、今日の壁をきっと突破してくれるだろう。

特に野球は、今年こそは壁を突破できるのではないかと期待している。

ともあれ今日の体育大会である。

先週の東陵祭(文化祭)に続く大きなイベントだが、各クラスが良くまとまって闘っていた。

知・徳・体を丸ごと自分達のものにしようと学んでいる。

リレーで優勝した仲間の激励にクラス全員が走り出していた。

エッサツサでは演技を終わって、指導教官を胴上げする風景も感じるものがあった。

若さは一生懸命と表裏一体であり、観る者の心をも元気にさせてくれる。

いやさ彼らとて、青春の一時をこのように過ごしたことを忘れないだろう。

何故って、体育大会も楽しむものと分かっているのだ。

精一杯体を動かし、そしてもう一つの個性をパフォーマンスしている。

あぁ～、若いってことは素晴らしいと思わざるを得ない。

俺だって、彼らと共に雄叫びを上げたいんだッ。