このサービスはスマートフォンから利用できるサービスですので、もしよければ、お使いのスマートフォンからアクセスください。 楽しいイベントをぜひ体感してください!
推奨環境:iOS 6.0以上、Android 4.0.3以上
緒方 慎之介
主夫ライター。妻の海外赴任についていくため、13年間勤めた会社を辞めて専業主夫に。カナダとアメリカで合計4年半を過ごして帰国、今は小さな会社で事務員をしつつライター業と主夫業にも勤しんでます。趣味は旅行やカメラや陶芸など薄く広く。最近はウエイトトレーニングがブームのカープファン。
◯最新情報(2019.6.24更新)
2019.6.24
・えのすいワンダーアクアリウム 2019
夏のスペシャルイベント「えのすいワンダーアクアリウム 2019 」を開催します!“Day”と“Night”で趣向の異なる期間限定ショーをお楽しみください。開催期間:2019年7月13日(土)~8月31日(土)「よこはま動物園ズーラシア」や「江ノ島展望灯台」と新江ノ島水族館とのセットチケットが発売開始となりました!
新江ノ島水族館・なぎさの体験学習館は、10月11日(木)より受動喫煙防止のため、敷地内全て全面禁煙となり、ますます小さいお子さん連れで遊びに行きやすくなりました!
日本には小さいものも含めると100を超える水族館があり、世界一の水族館大国です。その日本全国の水族館の中でも入場者数が上位にあり、かつ都心からも気軽にアクセスできる上にイルカやアシカのショーも充実しているのが「えのすい」こと新江ノ島水族館です。
ここでは新江ノ島水族館をどこよりも詳しく徹底的にご紹介します!基本的な情報と楽しみ方を「情報編」に、そしてスタッフのこだわりもたっぷりつめた「現地レポート編」とに分けて書きました。この記事さえ読めばあなたも「えのすい通」!
【情報編】
新江ノ島水族館は”わくわくドキドキ冒険水族館”をコンセプトに掲げ、エデュテインメント性(※)の高いコンテンツとプログラムを開発・提供しています。
※エデュテインメント:Edutainment、エデュケーション(Education:教育)とエンターテインメント(Entertainment:娯楽)を組み合わせた合成語で、楽しみながら学習する手法を表現する用語
住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸2丁目19−1
新江ノ島水族館は小田急江ノ島線の片瀬江ノ島駅から徒歩5分の場所にあります。江の島や湘南海岸はもちろん、天気が良い日には遠くに富士山も臨むことができる絶好のロケーション。片瀬江ノ島駅までは横浜駅から電車で30分、新宿駅や東京駅からは70分ほどですので都心からのアクセスもばっちりです。
なお、江ノ電の江ノ島駅や湘南モノレールの湘南江の島駅からは約1km、徒歩で15〜20分ほど歩きますのでご注意を。
開館時間、閉館時間とも季節によって変わります。必ず公式サイトで確認してから行くようにしましょう。
基本的には年中無休ですが、安全点検や気象状況等によりやむを得ず臨時休館する場合があります。行ってみたらお休みだったということがないように、営業時間同様、事前に公式サイトで確認してから行くようにしてください。
館内1F入場口奥と2F総合案内近くの計2ヶ所にあり、ミルク用のお湯も用意されています。ただし女性専用ですので、男性がミルクのお湯を必要とする場合はスタッフにお声かけください。
全ての多目的トイレと一部女子トイレ、男子トイレにオムツ替えシートが設置されています。
環境水槽を除いて全ての場所に階段を使わずにアクセスすることができます。巡回ルートは公式ホームページの車イス・ベビーカーマップをご参照ください。
地図で表示されている5箇所にあります。オストメイトには対応していません。
車イスは無料で、ベビーカーも有料(300円)で貸し出しています。
年間パスポート発行カウンターの隣にあり、3種類のサイズが用意されています。料金は200〜300円。
メールアドレスを登録すると1時間無料で使うことができます。
公式アプリをインストールすると、館内で展示ガイドを聞いたり館内マップやショー・プログラムをチェックしたり、さらにはお得なクーポンまでついてきます。現地でも無料Wifiを使ってダウンロードが可能です。
ガイドを聞くためにイヤホンを用意しておくと便利です。
駐車場はありませんので、近隣の駐車場に停める必要があります。
詳しくは『7. アクセス情報』をご確認ください。
ショーも含めて1.5〜2時間です。ただしじっくり見ると3時間でも足りないくらいですので、水族館好きな方は長めに時間をとりましょう。
ハイシーズンは春休み・夏休み・年末年始の学校が長期休み期間に加え、春と秋の遠足シーズンも混み合います。一方のオフシーズンですが、冬は年末年始を除けば比較的少ないので狙い目です。
開館直後と閉館直前は比較的空いています。ただし入館は閉館時間の1時間前までですのでご注意ください。
基本的に屋内または屋根のある屋外ですが、一部(ウミガメの浜辺)では雨が降っている場合は濡れてしまいます。ただし傘の貸し出しも行なっていますのであまり心配はいりません。
いずれの場合も近くのスタッフに声をかけるようにしてください。ただし迷子の呼び出しは行っていません。水族館の中は暗いので、お子さんから目を離さないようにし、万が一はぐれた場合にどうするか、事前によく話しておくと良いでしょう。
新江ノ島水族館は名前に「新」がつくように、前身の江の島水族館からこの地で魚や海の生き物を展示しています。ここでは少しだけ、新江ノ島水族館の歴史をご紹介します。
1952年 前身の江の島水族館設立、日本初の近代水族館としてオープン
1957年 江の島マリンランド設立、日本で初めてイルカショーを開催
1988年 世界初のクラゲ展示館「クラゲファンタジーホール」開設
2004年 新水族館開館準備のため1月12日をもって旧館が完全に閉館
2004年 4月に新江ノ島水族館としてグランドオープン
2014年 世界初、シラス展示への挑戦開始
旧館から数えると実に65年以上に渡る運営の中で上記以外にも世界初や日本初の展示がいくつもあり、実に挑戦的・実験的イベントが好きな水族館であることが伺えます。新江ノ島水族館の歴史についてより詳しく知りたい方は公式ホームページをご覧ください。
水玉のようなかわいいロゴマークは「地球、命」をモチーフにしています。新江ノ島水族館はショーも展示も「つながる命」をテーマにしていますので、その辺りもイメージしながら見て回るのも良いかもしれません。
一般入場料は下記の通りです。
・高校生は来場時に学生証や生徒手帳などの提示が必要です。
・障がい者手帳をご提示の方と同伴の方は、一般料金の半額です。(1名に対して、同伴者1名まで)
前売り券はPassMe!で電子チケットを購入すると、当日並ばずに入場出来るので便利です!スマホでピッで入れるのでチケットを無くす心配もいりません。
なおPassMe!限定で新江ノ島水族館のセットチケットが発売開始となりました。通常割引はしていないのですが、よこはま動物園ズーラシアや江ノ島展望灯台などとセットで割引価格にてご利用いただけます。とってもお得です!
割引を受ける方法は公式ホームページに載っている他、JAF会員証を提示すると10%の割引を受けることができます。
また、エポスカードをお持ちの方は会員優待割引を受けることができます。こちらは期間限定のため、行く前に割引対象期間かどうかを確認しましょう。2019年3月末までは大人1人あたり510円の割引が受けられますので、割引額でいうといちばんお得です。
新江ノ島水族館の年間パスポートは入場料2回分。そのため、年に2回以上行く方はそれだけでペイする他、カフェやショップで割引を受けられるなどお得な特典もついてきます。
新江ノ島水族館で見られる魚やショーを簡単に紹介します。詳しくは新江ノ島水族館スタッフのこだわりポイント満載の現地レポート編をお読みください。
水族館の目の前に広がる相模湾に棲む魚たちを展示しています。メインは入ってすぐにある相模湾大水槽。8000匹のイワシの群が形を変えながら泳ぐ様は必見です。
相模湾大水槽の他にも世界初のカタクチイワシの繁殖展示シラスサイエンスや岩礁水槽、川魚のジャンプ水槽、相模湾キッズ水槽などがあります。
また、相模湾大水槽では「uogokoro(うおゴコロ)」と「フィンズ」の2種類のショーを開催しています。
新江ノ島水族館はまだクラゲの展示が一般的ではない旧館の頃からクラゲの展示をしていて、クラゲファンタジーホールでは常時14種類のクラゲが展示されています。さらにここでは世界初の3Dプロジェクションマッピングクラゲショー「海月の宇宙(そら)」を見ることができます。
またクラゲサイエンスはクラゲの研究コーナーで、クラゲの一生を観察することができる他、小型のクラゲが展示されています。
北の冷たい海の魚や美しいサンゴ礁に棲む熱帯魚など、海の多様性を感じられる展示です。チンアナゴやカクレクマノミなどの人気の魚も見ることができます。
今上陛下が研究されているハゼ類を中心に展示しています。
深海ⅠではJAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)との共同研究の過程と、世界初の化学合成生態系水槽(深海の中でも特殊な環境を再現した水槽)を展示しています。
深海Ⅱでは日本初の本格的な有人潜水調査船「しんかい2000」の実機を見ることができます。迫力ある実機とあわせてコックピットの様子や深海調査研究の歴史を知ることができます。
北の冷たい海のアザラシと南の冷たい海のペンギンの水の中での行動を見ることができます。えのすいトリーターさんがペンギン愛を語り、より深くペンギンのことを知ることができるショー「ペングィーン!」も見られます。
湘南のなぎさとふれあい、なぎさの大切さを「知り」「学び」「考え」「行動する」を基本テーマとする体験学習施設です。なぎさの生き物たちを見たり触ったりするコーナーの他、ワークショップも開かれていて楽しみながら学ぶことができます。
独立した設備になっていて、外部からもアクセスすることができます。詳しくは公式WEBサイトをご覧ください。
江の島と富士山を背景に見えるよう設計されたスタジアムで、イルカやアシカたちのショーを楽しむことができます。
ショーは「きずな/kizuna」と「ドルフェリア」の2種類があります。
・きずな/kizuna :イルカやアシカのショー。毎日開催。
・ドルフェリア :まるでミュージカルのようなイルカのショー。土日祝日や夏休み・GW・年末年始限定で開催。
スタジアム横にはまだ子供のイルカの成長を見守ることができるブリーディングプールもあります。
相模湾や江の島の磯に棲む生き物に直接触れることができます。低いので小さいお子さんも生き物に触りやすくなっています。
アカウミガメ・アオウミガメ・タイマイを見ることができます。カメたちが産卵できるような砂地まで用意されていて、実際にアオウミガメがこの砂浜で産卵しています。
カピバラが暮らす水辺の草原をイメージして作られた展示で、すぐ目の前でカピバラを見ることができます。
遊び好きで活発な動きがとってもかわいいカワウソの展示です。カワウソたちがくらしやすくまた観察しやすいよう展示室も工夫されています。すぐ隣にはカワウソグッズ専門店「オッターショップ」があります。
生き物たちとふれあうことができるふれあいプログラムも用意されています。先着順のものもありますので、興味がある方はお早めに。
・イルカと握手 :ひとなつこいイルカと握手ができます。各回(1日3回、季節等により変動)先着30名。参加費500円、4歳以上限定。
・ウミガメにタッチ :カメにエサをあげたり甲羅にタッチしたりできます。土日祝日先着20名。参加費500円、4歳以上限定。
・さかなのもぐもぐプール :水の中に手を入れて直接魚たちにエサをあげられます。1人200円、だれでも参加できます。当日のエサが無くなり次第終了。
水族館はシャッターチャンスの宝庫です。お気に入りの水槽や動物を見つけてステキな写真を撮りましょう!
数あるスポットの中でも特にオススメの場所を筆者の独断でピックアップ。これらの場所に限らずシャッターチャンスは無数にありますので、まずはカメラを構えてみてください。
運が良ければ富士山をバックに撮ることも。
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他にも 「#えのすい」 のタグで検索すると素敵な写真がたくさん出てきます。構図なども参考にしてみてください。
水族館は少し特殊な環境のため、良い写真を撮るために押さえておきたいポイントがあります。ここでは注意事項も含め5つに絞ってご紹介します。
水族館の中は暗いため、そのままの設定では自動でフラッシュが発光してしまいます。フラッシュを使っても水槽に反射してしまうだけでなく、魚を驚かせ時にはケガをさせてしまうことにもつながります。フラッシュNGの水槽で撮影する場合に限らず、絶対にオフにしておきましょう。
水槽の中だけを撮る場合はガラスへの映り込みを避けるため、レンズをできるだけガラスに近づけて撮ります。
暗い場所では顔を写すことは諦めて、あえてシルエットだけにすることで水族館の神秘的な雰囲気を切り取ることができます。
館内で撮る場合は可能であればシャッタースピードを1/200秒くらいに設定しておきましょう。これ以上遅い場合、暗い場所で撮ると被写体ブレが起きてなんだかわからない写真になってしまいます。
イルカショーを撮る場合は1/2000秒に設定しておくと水しぶきまで止まった迫力のある写真を撮ることができます。
良い写真が撮りたくてつい1つの水槽の前に長居したくなる気持ちはわかりますが、他のお客さんだって見たいし撮りたいもの。数枚撮ったら名残惜しくても動くようにしましょう。どうしてもゆっくり撮りたい場合は朝一番や閉館間際が比較的空いていて狙い目です。三脚や一脚の使用も、よほど空いているときではない限りは控えましょう。そもそもダイオウグソクムシのように全く動かない生き物を撮る場合以外は役に立ちません。
お腹が空いた時に軽食をとることができます。年間パスポートを提示すれば一部メニューで割引が受けられます。オーシャンデッキで海を見ながら食べるのも気持ちが良いものです。ただし屋外で食べる場合はものによってはトビが狙っていますので気をつけて。
アレルゲン情報については七品目アレルギー一覧表を各カフェに用意してありますのでスタッフに聞いてみてください。
外からも自由に出入りできるカフェです。カレーやソフトドリンク、ソフトクリームなどランチタイムに利用可能。おすすめのメニューはえのすい丼(しらす)とクラゲカレー。
オーシャンデッキへの出入り口近くにある、ジュースやサンドイッチが楽しめる売店です。おすすめのメニューはカメロンパンとしらすドック、くらげの光る氷カクテルです。
ソフトクリームやドリンク、軽食など、イルカショーを見ながら食べられる売店です。おすすめのメニューはアクアサンデー。
手の甲に再入場スタンプを押してもらえば、一度出てレストランで食事をして戻ってくることも可能です。オフィシャルレストランでは年間パスポートを提示すると5%割引やアイス・ソフトドリンクのサービスを受けることができます。
片瀬海岸に通り抜けできる「湘南お祭り広場」から出入り可能なショップです。お菓子やかわいいグッズなどバラエティ豊富に取り揃えています。
コツメカワウソをデザインしたお菓子やヌイグルミ、雑貨など60種類以上のカワウソグッズを揃えたカワウソファン垂涎のショップです。
行くと目移りしてしまうのがおみやげショップのさだめですが、中でも人気のおみやげをピックアップしましたので参考にしてみてください。
えのすいしらすチップ、えのすい限定柿の種、クラゲファンタジークッキー
くじ商品(イルカ・カワウソ・カピバラ)。1回1000円で最低でも3等の小さいぬいぐるみが、当たると大きなぬいぐるみがもらえます。
えのすいオリジナル文具(ボールペーンとシャープペン)
えのすいミニクラゲプラネット
「ミニクラゲプラネット」はクラゲファンタジーホールにある球型水槽「クラゲプラネット(海月の惑星)」をミニチュアにしたスノードームです。全国どこにでもあるような汎用品ではなく、中に入っているクラゲの形状などもリアルさにこだわって製作された“えのすいらしい”一品です。裏面のスイッチを入れると、実物のクラゲプラネットと同様に、色が変化しながら光ります。
1.1 場所にもあるとおり、小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅からは徒歩5分程度ですが、江ノ電の江ノ島駅、湘南モノレールの湘南江の島駅からは徒歩15〜20分ほどかかりますのでご注意を。
専用駐車場がないため、周辺の有料駐車場を利用することになります。
・P1 県立湘南海岸公園中部駐車場 収容台数356台
・P2 片瀬海岸地下駐車場 収容台数200台
・P3 江ノ電駐車センター 収容台数200台
片瀬海岸地下駐車場を利用する場合はC階段から上がってくると水族館のすぐ前に出ることができます。
色々なものを作ったり釣りに行ったりと、各種ワークショップを開催しています。予約や応募(多い場合は抽選)する必要があるものもありますので、興味があるものがないか定期的にチェックしましょう。
夜の生き物たちの生態を楽しみながら学べる人気プログラムです。閉館後(夜)の水槽内やプールにいる生き物たちのようすをじっくり観察しながら、えのすいトリーターの解説付きナイトツアー、えのすいecoクイズなど、楽しく学べます。
公式ホームページから応募できます。
水族館の中で幻想的な結婚式を挙げられます!ウェディングプランの中にはなんと水槽の中で行うダイビングウェディングも。館内で写真を撮るだけのフォトウェディングもありますので、「結婚記念日に写真を撮りたい!」という方も是非。
結婚式二次会、各種パーティなどイベント会場としてのスペースレンタルもしています。水槽の前だけでなく、ショースタジアムやオーシャンデッキも利用可能です。
周辺には湘南名物のシラス丼を出す店の他、シーフードレストランやパンケーキショップもあります。一部のお店では年間パスポートを提示すると割引やサービスが受けられます。
実は江の島には温泉もあるんです。(スパゾーンは水着が必要、大人はレンタル水着もあります)
こちらも年間パスポートを提示すると本人は10%オフの割引が受けられます。
江島神社には日本三大弁財天の一つ、妙音弁財天が祀られています。ただし階段が多く結構歩きますので、時間と体力に余裕がないときは次の機会にした方が良いかもしれません。
江の島といえば「江ノ電」こと江ノ島電鉄。車窓からの眺めは海あり山あり街ありと眺めていて飽きることがありません。
鎌倉高校前駅横の踏切はアニメ「スラムダンク」のオープニング曲に使われていて聖地として国内のみならず外国からも多数の観光客が訪れるスポットになっています。
お得な乗り放題チケットもありますので、途中下車の旅を楽しんでみませんか?
ただしこちらも新江ノ島水族館から江ノ島駅までは少し距離がありますのでご注意を。
「水族館スタッフのこだわりたっぷり」現地レポート編
9月2日、夏休み最後の日曜日に現地に取材に行ってまいりました!
広報の井上さんに案内してもらいながら見て回り、新江ノ島水族館にたっぷり詰まったこだわりも教えてもらってきました。新江ノ島水族館はただ魚を見に行くだけでも十分楽しめる工夫が随所にある水族館ですが、そこに込められた思いを知ることでより楽しむことができます。筆者はもうすっかり新江ノ島水族館のファンになってしまいました。みなさんもスタッフのこだわりを知って新江ノ島水族館を120%楽しんでください!
ちょっと独特な門構えの片瀬江ノ島駅の改札を出ると、正面にはさも渡って欲しそうにしている橋といかにもそっちに行けば良さそうな看板が見えますが、残念ながらそちらに行くと遠回りです。改札を出てすぐ右の小道を進みます。
すると大きな交差点に出て、右手にはもう水族館が見えています。最初さえ間違えなければ全く迷うことない道ですので、方向音痴さんも行きやすい場所にあります。
新江ノ島水族館は相模湾に棲む生き物の展示にこだわった水族館です。そしてその相模湾は水族館の本当にすぐ裏にあり、エントランスホールからすぐアクセスできるようになっています。水族館を出た後は砂浜に出て目の前に広がる海を見て、できれば足だけでも浸かって、いま見てきた魚たちはこの海に実際にいるんだなあと感じてみてください。
小さいお子さんたちであれば雨でも降っていない限り「入りたい」と言って制止を聞かずビーチに駆け出すことでしょうから、お父さんお母さんはタオルと場合によっては着替えも持って行った方が良さそうです。
開場の30分前に到着しましたがこの日は夏休み最終日の日曜ということもあり、すでに開場待ちのお客さんがちらほら。開場の9時になると入場待ちの行列ができていました。とはいえ、中に入ればバラけますので、焦って開場前に来て並ぶ必要はありません。
朝一番だと空いていて好きな水槽をゆっくり見ることができるのでオススメです。また、まだエサをあげている水槽もあります。運が良ければ魚たちのお食事シーンを見ることができるかもしれません。
チケットカウンターが開いたらチケットを購入します。どれが渡されるかは運次第。家族やお友達とどれをもらったか見比べてみてください。
ちなみにPassMe!ならスマホをかざすだけで入場出来るので無くす心配がなく安心です。
入場口は1階にありますが、入ったらすぐエスカレーターで2階に上がります(ベビーカー、車イスの方はエレベーターがあります)。
上がったらまずは今日のイベントをチェックします。来場者がいつ来ても楽しめるよう、イベントは毎月変わります。どんなイベントが開催されていてどれを優先して見るか、しっかりおさえておきましょう。
そしてショーのスケジュールをチェック。スケジュールは公式アプリ でも随時チェックできるので、事前にインストールしておくとより計画が立てやすくなります。
館内に入ったらまずは記念撮影。イワシの群れが泳ぐ相模湾の海中をバックに、「はい、イワシ!」のかけ声で写真を撮ってもらいましょう。自分のカメラでも撮ってもらうことができますので、必ずしも写真を購入する必要はありません。
撮ってもらった写真はすぐ隣のカウンターでフォトフレームに入ったものの仕上がりをチェックして買うことができます。お値段は1050円。また、キーホルダーに入れてもらうことも可能で、2つで1つの絵になるキーホルダーもあります。こちらは1,850円。
館内に入ったところでまず目に飛び込んでくるのは相模湾大水槽の上部。
ここで眺めていて気がつくのが、相模湾にいる魚って魚屋さんで売っている銀色で地味な魚ばかりでなく、カラフルな魚も結構いるんだなということです。イソギンチャクとの共生でおなじみのクマノミも。
実は相模湾は極めて魚の種類が豊富な海で、日本近海で獲れる魚約4000種のうち約1300種が生息しています。これは暖流と寒流がぶつかる場所であり、かつ深いところでは1000m以上の深さがある相模湾だからこその特徴です。
大きな水槽の場合は下から見上げる構造になっていることが多いのですが、相模湾を模して作られたこの水槽では、浅瀬から深くなっていくところを体感してもらおうという構造になっています。
また、足元にはこんなかわいい(?)ウツボの姿も。
相模湾大水槽から一度離れ、他の水槽へ。
岩礁水槽は波に揺られる海草をメインに展示した水槽です。眺めているとまるで海の中で揺られているような気持ちに。
お次は新江ノ島水族館の目玉の一つ、カタクチイワシの繁殖展示「シラスサイエンス」。
しらすはカタクチイワシの稚魚で、湘南の名物で近くにはたくさんのしらす丼を出すお店がありますし、しらす干しはスーパーに行けば必ず売っている極めて馴染みの深い魚です。にも関わらず、それを生きたまま展示している水族館は今までありませんでした。それはしらすがものすごくデリケートで、海で海水ごとすくって水槽に移すだけでもすぐに死んでしまうからなのです。
ですがこれだけ身近にいる魚、しかも湘南名物であるしらすをなんとか展示したい!というスタッフの情熱と創意工夫が形になったのが世界初となるカタクチイワシの繁殖展示「シラスサイエンス」です。
大きくなったカタクチイワシももちろん見ることができます。
小さいお子さんが観察しやすいように低位置に水槽を配置した相模湾キッズ水槽。ただ低い位置にあるというだけでなく、ここでは大きい水槽では見落とされてしまう小さな生き物を紹介しています。相模湾に生きる生き物の多様性を知ることができます。
相模湾沿岸に生息する生き物を紹介している水槽です。スロープにあわせ段々と深いところの生き物が紹介されています。また、どれくらいの深さなのかがわかるようになっています。
相模湾の魚、ではありませんが、相模湾に流れ込む相模川に棲む川魚の展示です。魚たちは水流や水位、水温などの微妙な変化を感じて川を上ったり下ったりしています。この水槽では定期的に水位を操作して、魚たちが遡るためにジャンプするところを見ることができます。ジャンプする時間をお知らせするカウントダウン表示もついていますので、こちらを確認して川魚のジャンプの瞬間を目撃してください。
先ほど上部から覗き込んだ大水槽を今度は下から見上げる形で見ることができます。銀色に輝きながら、うねり泳ぐ約8,000匹のマイワシの大群は必見です。このマイワシも含め、なんと実に90種類20,000匹の魚たちがこの大水槽にすんでいます。
ここでは「uogokoro(うおゴコロ)」と「フィンズ」という2種類のショーを開催しています。「uogokoro」ではえのすいトリーターと呼ばれる展示飼育スタッフさんが水槽に潜って魚たちとコミュニケーションをとる姿を見ることができます。好奇心旺盛な魚たちがえのすいトリーターさんにじゃれついてくる姿は必見。
「フィンズ」ではなかなか間近で見ることができない魚たちをえのすいトリーターさんが探し出して水中カメラを通して紹介してくれます。こちらはお客さんのリクエストにも答えてくれます。なにせ90種類もいる魚たち、水槽横の説明ではいることになっているけれど見つけられない魚がいたら、リクエストしてみてください。
円柱型の水槽の中を泳ぐトロピカルフィッシュたち。この魚たちは暖流に乗って相模湾にやってきた魚たちです。いかに懐が深い相模湾と言えど、冬の水温は彼らが生きるには冷たすぎます。この水槽では冬がくると凍え死んでしまうところを救われて展示されています。
新江ノ島水族館では深海に関する展示が2箇所に分かれて行われています。
深海Ⅰの方ではJAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)との共同研究の過程と、世界初の化学合成生態系水槽(深海の中でも特殊な環境を再現した水槽)を展示しています。熱水や硫化水素が噴き出す海底に棲む特殊な生き物たちを見ることができる機会はなかなかありません。残念ながら地味なのが玉に瑕ですが、すごく貴重な展示ですので是非見ておきましょう。
また世界最大の節足動物タカアシガニや、生きていることを疑うほど動かないダイオウグソクムシも展示されています。
別の場所にある深海Ⅱでは、実際に深海探査に使われた「しんかい2000」の実機が展示されています。
注目したいのは実機だけでなく足元にいるカニ。
精巧な模型かと思わせて実は新江ノ島水族館で飼育されているカニの脱皮した抜け殻だそうです。つまり本物。脱皮するたびに形を整えてここに展示しているそうなので、行くたびに数えておくと増えているかもしれません。
深海Ⅱは階段を降りたところにある展示ですが、スタッフに声をかければなぎさの体験学習館のエレベーターを使って展示室へ案内してくれます。ベビーカーや車イスの方にも是非見てもらいたいということでしたので、遠慮なく声をかけてください。
相模湾から飛び出て太平洋の生き物を展示しているコーナーです。ここでは天井の色に注目。青い色になっているところは寒い海、オレンジになっているところは暖かい海の生き物とわかるようになっています。
北の海の水槽の人気者がフウセンウオ。
おはぎのような地味なんだか派手なんだかわからない小さな魚たちが所狭しと並んでいる姿を見ているだけでほっこりしてきます。
そして安定した人気のトロピカル水槽。色あざやかな魚たちが心を南の島へ旅立たせてくれます。
最近ではゆらゆらと浮かぶ姿に癒されると人気のあるクラゲですが、昔は全く人気がありませんでした。ですが新江ノ島水族館では旧館(江の島水族館)の頃から実に60年間にわたりクラゲを飼育し、世界に先駆けてクラゲを展示してきました。新江ノ島水族館はとてもクラゲにこだわった水族館なのです。
そのこだわりの一端がクラゲだけの展示ルーム、クラゲファンタジーホール。常時14種類のクラゲを見ることができます。
ホールに入ってすぐにある丸い水槽は「クラゲには角(かど)がないんだから、水槽も角がないものが良い!」という納得いくようないかないようなこだわりで、完全な球体の水槽を作ってしまったのだとか。
クラゲは眺めて癒されるのも良いですが、比較的簡単に素敵な写真が撮れる格好の素材でもあります。
クラゲファンタジーホールは1時間に1回、3Dプロジェクションマップによる世界で初めてのクラゲショーを開催しています。
写真はクラゲの成長過程を紹介しているところ。座って見られますしとても幻想的なので、時間を合わせて見てください。クラゲのことを好きになりますよ。そしてクラゲへのこだわりは、クラゲについて学ぶことができるコーナー、クラゲサイエンスにも垣間見ることができます。
実はクラゲは小さいサイズのものがほとんど。ここでは小さなクラゲやクラゲのポリプが展示されています。
中には刺されると死ぬ恐れもある猛毒を持つハブクラゲなど海の中では絶対に出会いたくないクラゲも。(時期により展示種は変動します)
その動きを眺めているだけで思わず「かわいい〜」と口にしてしまう愛らし過ぎるコツメカワウソのコーナー。二つの展示室を透明チューブ状の空中トンネルを通って移動することができ、カワウソたちが動き回って遊ぶところやハンモックでくつろいでいる姿をたっぷり鑑賞できるようになっています。
そしてそのかわいさを存分に味わったところですぐ横にカワウソグッズ専門ショップ、オッターショップが待ち受けています。
ついつい買いすぎてしまわないよう気をつけながらお買い物を楽しんでください。
相模湾を回遊するウミガメはアオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ、オサガメの4種類。そのうち新江ノ島水族館で見ることができるのはオサガメを除く3種類です。見てびっくりするのはカメのサイズ。とても大きいのです。ここにいるカメの中には網にかかったものを引き取って旧館の頃からかれこれ30年以上飼育している個体もいます。
そしてこの飼育スペース、カメたちが産卵できるように飼育エリアは砂浜まで用意されています。
実際に2018年の春にアオウミガメがここに産卵をし、生まれた赤ちゃんも展示されています。
アオウミガメは自然では沖縄や小笠原諸島など暖かい海でしか産卵をしないので、ここにいる子ガメは北限で生まれたカメと言ってもいいかもしれません。
水族館に併設されているなぎさの体験学習館、実はここだけは水族館の来場者以外も入館が可能になっています(入館料無料)。各種ワークショップが開かれている他、夏休みの自由研究のサポートなども行なっていて、「もっと早く知りたかった」と小学生の娘を持つ筆者は思ったのでした。
日本で初めてイルカショーを行なったのが江の島水族館ですので、ここで見るショーが「元祖」ということになります。もちろん当時よりブラッシュアップされていますが。
新江ノ島水族館のイルカショーは2種類あります。平日も含め毎日開催されているイルカ・アシカショー「きずな/kizuna」と、土日祝日、GW、夏休み、クリスマス、正月にのみ開催される人とイルカのコラボレーションショー「ドルフェリア」です。
「きずな/kizuna」の方は一般的にイメージされるイルカショーですが、「ドルフェリア」は他では見られないミュージカル仕立てのショーです。どちらも開演前30分くらいには席が埋まってしまうので、ショースケジュールとにらめっこしてから見て回るようにしたいところです。
ちなみに新江ノ島水族館ではイルカの繁殖にも力を入れており、四世代以上に渡っての繁殖に成功しています。ショーのプールの横にはブリーディングプールがあり、こちらではまだショーに出られるようになる前の子どものイルカを見ることができます。中にはその成長を見守り続けているファンの方もいるようです。ショーに出るようになったら感無量でしょうね!
ここまで見所をたくさん書いてきましたが、動きがコミカルでかわいいペンギンやアザラシ、手を水に入れてエサをあげられるもぐもぐプールにサメにもさわれるタッチプール(安全です!)、のんびりした顔に癒されるカピバラなど他にもまだまだ見るところがたくさんあります。
また、葉山の御用邸が近いことから、今上陛下のご研究(ハゼ)のコーナーも用意されています。公用でご多忙の中でこれだけのご研究をされているのかと驚くばかりの内容です。こちらもお見逃しなく。
見所とは違いますが、ガチャガチャも種類豊富です。
中には「棘皮動物の殻」(棘皮動物はウニやヒトデの仲間)というどういう層にヒットするのかわからないマニアックなものも。
(実はちょっと欲しいと思いましたが我慢しました)
ここまでたっぷりお届けしましたが、最後に広報井上さんに「ここだけは見て帰って欲しいというところはありますか」という「全部」としか答えたくないような質問をぶつけたところ、「もちろん全部見て欲しいところですが、強いていうならば」と3つあげていただきました。
相模湾の生き物の多様性と相模湾の奥深さを知っていただきたい
世界で初めてクラゲを展示した水族館で、上述したとおりクラゲへのこだわりがたっぷりなのでそこを見ていただきたい
日本で初めてイルカショーを行った水族館なので、そこもしっかり見ていただきたい
ただ、この3つにこだわることなく、1つでも新しく興味を持ったり知らなかったことを発見したりして欲しいともおっしゃっていました。
筆者が回って感じたのは、新江ノ島水族館はものすごく珍しい魚や巨大な水槽がある水族館ではありませんが、見る人を楽しませる工夫、さらに学べる工夫が随所にあふれた素晴らしい水族館です。来ればきっとお気に入りの1匹が見つけられます。家族で、カップルで、友人同士で、じっくり楽しんでみてください!
一人でも楽しめました。