ニッセイ基礎研究所では、6月末以降、ウィズコロナ・アフターコロナの行動を予測するために、20~60 歳代の全国に住む男女約2千人を対象とする「新型コロナウイルスによる暮らしの変化に関する調査」をインターネット調査にて、継続的に実施している。このデータを使って分析したこれまでのレポート1において、20~60歳代で新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)の利用意向が強い人は、新型コロナウイルスの感染への不安があり、行動自粛を行っている人に多く、「自分の感染予防への効果は期待できなさそう」と考えつつも、「多くの人が利用することで、国内の感染が早く収束する」「濃厚接触通知があった場合に、優先的に検査を受けられる」とアプリを肯定的に捉えていていた。9月の調査では、6月の調査と比べて、接触確認アプリを「ぜひ利用したい(もう利用している)」は上昇していたが、「場合によっては利用したい」もあわせると利用意向は低下していた。
本稿では、12月に実施した「第3回新型コロナによる暮らしの変化に関する調査2」のデータを使って、9月からの3か月でアプリ利用意向に変化はあったか、また、現在アプリを利用していない人について、どういった場面なら利用を検討するか尋ねた結果を紹介する。
1 村松容子「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)利用意向が強いのはだれか」ニッセイ基礎研究所 基礎研レター2020年07月15日
村松容子「新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)利用意向のある人の評価ポイント」ニッセイ基礎研究所 基礎研レター2020年10月23日
2 2020年12月19~21日に実施。インターネット調査。対象は、全国に住む20~69歳の男女個人(株式会社マクロミルのモニタ)。有効回答数2,069.
1――接触確認アプリのダウンロード数は夏以降一定ペースで増加
2――9月からの3か月間で「ぜひ利用したい(もう利用している)」はあまり伸びていない
続いて、性別、年齢群団別、感染に関連する3つの不安を感じている人について推移をみた(図表3)。感染に関する不安とは、「自分や家族の感染による人間関係への悪影響(感染による健康状態の悪化)」「感染が懸念されても適切な検査が受けられない(適切な検査が受けられない)」「感染しても適切な治療が受けられない(適切な治療が受けられない)」の3つの質問について、それぞれ「非常に不安」または「やや不安」と回答した人を「不安を感じている」とみなした3。
9月からの3か月間では60~69歳のみ「ぜひ利用したい(もう利用している)」が上昇傾向にあったが、それ以外はどの属性をみても、9月と同程度にとどまっていた。
3 選択肢は6つ(「非常に不安」から「全く不安を感じない」の5段階と「該当しない」)。
3――どうなったら利用すると思うか
上位項目で、属性別に大きな差はない。利用を中断した人で「陽性者が確実に登録すれば」が高くなっており、陽性登録件数の少なさが利用中断の要因となっている可能性がある。
ただし、いずれの場合も「利用するつもりはない」と考えている割合は28.8%だった。
利用を検討するためには「セキュリティの不安がなければ」が最も高くなっている。セキュリティへの配慮は、当初より懸念されており、アプリが位置情報や個人情報を取得せず、一定期間経過後は削除されることは、リリース当初からアナウンスされているが、それでもセキュリティへの不安は強いようだ。
今後のアプリ利用の動向を引き続き追っていきたい。