企業の“見事な”取り組みや新情報をお届けする番組『見事なお仕事』。ポップカルチャーの総合誌「BRUTUS」の編集長でカルチャーに精通する西田善太さんならではの視点で、企業の“見事なお仕事”の内容と秘訣を、インタビュー形式で伺っていきます。
8月1日(土)のゲストは、キリンビールの山口洋平さん。
会員制 生ビールサービス「キリン ホームタップ」についてお話をうかがいます。
工場つくりたてのおいしさをご自宅にお届けしたい、という思いから、こだわって開発した専用サーバーから注ぐことで、誰でも簡単に自宅で本格的な生ビールのおいしさが愉しめるサービスです。まずは西田さんが、そのおいしさを初体験。感動しっぱなしの収録となりました。
スタジオでおいしさを実感!
西田 山口さんは会員制 生ビールサービス「キリン ホームタップ」のチームリーダーをされています。まずは、ホームタップについて説明をお願いします。会員制っていうのが面白いですよね。
山口 はい。会員様のご自宅に、工場から生ビールをペットボトルでお届けします。本数や配達頻度は人によって違うのですが、だいたい月2回・2本ずつくらいですね。サーバーは会員のみなさんに貸し出しているかたちです。ご自宅でも、つくりたてのおいしさを愉しんでいただこう、というサービスになります。
西田 なにはともあれ、実物を持ってきていただいたので、まずは僕がキリン ホームタップを初体験したいと思います。
山口 少しグラスを傾けて、木の柄を手前に引いていただくと……。
西田 おー! ビールが入ってます。泡がすごい!
山口 そのくらいで一旦止めていただいて。今度は奥に倒してもらうと、泡だけが出てきます。
西田 おお! じゃあ、いただきます。
西田 おいしい! 本当に泡々してるね、ビールの部分も。なるほど。
山口 ありがとうございます。泡がクリーミーで、きめ細かいのが特長なんです。
西田 ……。おいしすぎて、ラジオなのに黙っちゃった(笑)。
山口 ありがたいリアクションです(笑)。泡の量が調整できるのも好評で。半分飲んだあと、泡だけを足すなんて人もいらっしゃいます。
西田 1度にセットできるビールはどれくらいの容量なんですか。
山口 ペットボトル1Lです。週末にご夫婦で飲み切っていただけるくらいの量を想定しています。
西田 なるほど。足りないって人は追加もできるんですか。
山口 はい。普段から多めに注文される方もいますし、年末年始など人が来るときだけ追加される方もいます。
西田 サーバーは可愛らしいフォルムで、小さめの炊飯器みたいな感じですね。
山口 そうですね。ビールサーバーと聞くと無骨なものを想像される方が多いかもしれませんが、ご家庭に馴染むよう、家電らしさを大切にデザインしています。
360度どこからみても正面っぽくて可愛いのもポイントです。来客時などにサーバーをテーブルの上に置いて、みんなで愉しめるように作りました。
西田 どこに置いても、違和感がない見た目ですね。部屋に溶け込むような、まろやかな感じ。
こだわったのは、誰でもおいしいビールが注げること
西田 このサーバーで、ビールがおいしく入れられる秘密はなんなんでしょう。
山口 キリン ホームタップは、「誰でもおいしく注げる」つまり、味の再現性の高さが最大の特長です。操作が簡単なことや、注出口の特許技術がその秘密ですね。このペットボトルをつなぐチューブや、内部の仕組みによって、必ずきめ細かい泡が作れるようになっています。
西田 独自に開発した技術なんですね。(ひとくち飲みながら)本当においしい!
山口 ありがとうございます(笑)。
西田 温度がまたいいよね。
山口 しっかり冷やしてくれます。冷蔵庫で冷やしていると温度にムラができますし、夏場は特に冷え切らないこともあるんです。保管を兼ねて冷蔵庫で予冷しておいてもらい、飲む少し前にホームタップにセットしていただくと、一番おいしい温度で飲むことができます。
西田 気になるのがメンテナンスです。こういうのって洗うのが難しかったり、面倒だったりするイメージがありますが、ホームタップはどうなんですか。
山口 はい、メンテナンスの手軽さにもこだわって開発ました。ホームタップを開けて、このチューブを外して水洗いするだけ。簡単仕様なんです。
西田 それだけ? メンテナンスフリーに近いですね。
きっかけは「蛇口からビール!」という夢
西田 キリンビールが、キリン ホームタップの開発をやろうと思った理由はなんだったんですか。
山口 2つ理由があるんですが、1つは社内である種の「夢」として語られてきた、「家の蛇口からビール」の発想です。
西田 夢だなそれは(笑)。
山口 でもそれはさすがにハードルが高いので(笑)。せめて家でつくりたてのビールの味が愉しめたらいいよねって。
西田 これまで家では、缶ビールか瓶ビールしか選択肢がなかったですもんね。
山口 もう1つは、できたてのビールのおいしさを知っていただくこと。僕たち、新入社員研修で半年くらい工場に行くんですよ。そのときに初めてできたてのビールを飲むんですが、みんな感動するんです。明らかに味が違うなと。
西田 作り手として、感動するほどのおいしさをみんなに味わってほしいって思いがあったんだ。
山口 そうですね。できたてならではのおいしさをお家にもお届けしたいっていうのが、開発のモチベーションでした。単純にサーバーだけ作ってもだめなので、工場からの届け方や時間にもこだわっています。
西田 一番いい状態で飲むには、できたてのビールと、それを最適な状態にするサーバー。その両方が大事だと。
西田 今日飲んでみて、本当に僕もほしくなったんだけど……。どうかな、僕申し込めば明日届きますかね?
山口 いえ、きちんと順番待ちに入っていただいて……(笑)。
西田 そうだよね(笑)。僕もこのあとマジに申し込んでみます!今日はありがとうございました。
山口 嬉しいです! ありがとうございました。