白石顕治総理大臣は先月29日、野党の足並みが揃わぬうちに衆議院を解散することに成功したが、思わぬ落とし穴が彼を待っていた。
現状の選挙制度のままでは選挙区での与党の大勝こそ見込めないが、比例区の存続により与党が依然として優位に選挙戦を進められるとみられていた。
ここで野党は一矢報いるために、解散されていない参議院に衆議院の選挙制度を変更する法案を提出した。
以前から現行制度で選挙となれば新人の流入はおろか界隈の衰退につながりかねないとし、12月の同日選挙以降長期にわたって議論がなされてきたが、共和海賊党の桂幹事長などが「選挙に明るくない人間もいる中で大選挙区化するのはいかがなものか」と異議を唱え一回は頓挫した経緯があった。

空想国会最高規約には、衆議院が解散した場合でも参議院が閉会されるとは明記されていない。
そのため選挙後改めて衆議院で同選挙区規約改正案が可決されれば、正当性を帯びた立法となる。
ましてや選挙制度を変更すべきではないか？という議論が法案となる直前に意図的に解散を行ったのだとすれば、白石氏の政局勘はやはり卓越したものがあったが、意外にもあっけない形で足元を掬われてしまった。
解散理由も「野党は俺を批判するんだったら俺に勝ってみろ」と中々に挑発的で、これに対し野党3政党が一枚岩となって選挙を戦うのも極めて妥当な判断だと言えるだろう。
この法案が参議院に提出され、事務局主導で調停がなされた際も共和海賊党と中央民主党はこれに応じる構えを見せたものの、光明党は中々受け入れに動かず一度は選挙の実施さえ危ぶまれた。

今回の奇襲の立役者となった次世代の日本のための選択肢代表ほくれい氏は「選挙に勝ちたいなら票割りと票読みを大政党が強いられるのは至極当然のこと」「簡単に勝ちたいから生易しい形で選挙したいから解散したんじゃないか」「代表選やってた中央民主がかわいそう」と述べ、白石一強体制に引き続き対抗していきたいと発言した。

白石翼賛体制が勝るか、それとも野党のカウンターが実るか。
空想国会同日選挙は今月6,7日投票、7日18時から開票される。