(cache)俺だけ入れる隠しダンジョン　〜こっそり鍛えて世界最強〜

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俺だけ入れる隠しダンジョン　〜こっそり鍛えて世界最強〜作者：瀬戸メグル

六章

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最終話　両校の教師

私生活が忙しくて、遅れました～

本筋から少し外れますが、最終話です

短いですが、オリヴィア母が主人公の番外編も書きました

ご確認いただければ

　英雄学校のエルナ、神童学院のトルシュ。

　両校の教師は、審判として生徒たちの試合を見守る。

　ノルとミラが激しいバトルを繰り広げ、誰もが手に汗握りながら観戦する中、トルシュが口を開く。

「エルナ先生、とてもお綺麗ですよね」

「……そりゃどうも。でもいまは試合中よ」

「そうですが、結果は決まってますから。ノルくんは優秀ですけど、ミラには勝てません」

　確信めいた口調のトルシュに、エルナは内心イラッとしたが冷静に返す。

「勝負はやってみないとわからないものよ。最後の数秒で逆転することもある」

　冷たく返した途端、トルシュは大口を開けてバカ笑いする。

　知性を感じさせる容姿とは裏腹に、中身は下品なのかとエルナは少し残念な気持ちになった。

「それじゃ賭けでもします？　ミラが負けたら最優秀賞の統計を取る間、あなたの犬になります」

「ノルが負けたらなにを要求するつもりよ」

「一日、デートしていただけません？」

「デート？　一日、アタシを好きにしていい。もちろん身体も含めてね。ただしノルが勝ったら、犬の名前はポッチにさせてもらう。どう？」

　まさかの大胆な提案に、トルシュは目が泳ぐ。

　こんな美女を一日中好きにできるなら、あんなことやこんなことをしたい！　と妄想が膨らむ。

　無論、ポッチと呼ばれて犬の真似事は嫌であったが、そうなる未来はないと考えた。

「エ、エルナ先生がそれでいいのならば！　しかし、なぜそんな無謀な提案を？」

「無謀？　教え子の力を信じてるだけよ。仮に負けても、あの子を信じて負けたら納得できる。ま、そもそもノルは勝つけど」

「ないない、ないですよ！　ミラは魔道具を扱うために生まれたような子。特別に教えますが、魔道具の力を引き上げて使えます」

　得意げにミラのすごさを語り出すトルシュ。

　実際、試合は彼女がリードするような展開ではあった。

　並の大人や冒険者では歯が立たないだろうし、実力は学生レベルを超越している。

　とはいえ、あまりにもうるさいのでエルナは尖った言葉で反論する。

「自分の学校の子だけが特別だと思わないことね。ノルも十分すごい子よ」

「ほうほう、ミラに凌ぐ力があるとでも？」

「オリヴィアの力を受け継いでいる子よ」

　ニヤついて軽口を叩いていたトルシュが、一瞬で真顔に変わる。

「……伝説の冒険者オリヴィア・サーヴァント、ですか？」

　エルナはあえて答えず、片笑みだけで返答した。　

　その態度にトルシュは動揺しつつも反論に出る。

「私も歴史は好きなほうでして、オリヴィアが各地で残した偉業は読んだことがあります。特殊なスキルがあったことも。ですが、子孫はいないはずです。嘘はいけませんね」

「でもほら、アンタの生徒が押されてる」

　試合から目を離していたトルシュが、ハッとして意識をそちらに向ける。

　ミラが優勢かと思われていたのに、ノルが思った以上に健闘していた。

　そしてとうとう、ノルはミラに勝利を治めてしまった。

　予想もしない結末にトルシュは震え出す。　　

　ゆっくりとエルナを見ると悪魔のような笑みを浮かべていた。

　その後、最優秀選手を決めるため、両校の生徒に誰を推すか聞いていく。

　生徒たちが列を作る。

　口頭で選手の名を告げていき、エルナが票数をメモしていく。

　トルシュはなにをしているかといえば……隣でお座りさせられていた。

「あ、あの、なにやってるんですか先生……」

　神童学院の生徒は、ほとんどが顔を引きつらせる。

「かっ、勘違いしないでくれっ……」

「こらポッチ！　早く生徒に質問しなさい」

「……誰が、最優秀選手だと思います……ワン」

　犬感を出すために語尾をワンにする教師の姿は、生徒たちには異様に映る。

　いや生徒たちでなくても同じだろう。

　でも自分で言い出したことなのでなにも文句は言えなかった。

「ノルさんが、一番すごかったです」

「ありがと……ワン」

　トルシュは優秀な家系出身で、人生で躓いたことなど一度もなかった。

　こんな屈辱、生まれて初めてのことで涙が出そうになる。

「でもなんだか、可愛いかも」

「うん、なんか先生いつもと違って可愛いし面白いね」

　まさかの女子たちの評価に、目が点になるトルシュ。

　犬の真似事が生徒たちにユーモラスな印象を与え、親近感を抱かせるなど想像したこともなかった。　

「……教師は教える側であると同時に、学ぶ側でもあるのかもしれませんね」

　羞恥心と高揚感がない交ぜになった状態で、トルシュは新しい知識を得たのだった。

これにて、投稿は終了です

削除は明日か明後日、行います

最終話の続きは、現在執筆中の書籍7巻ですね

発売近くなったら活動報告に書きます

（たぶん、初夏～秋くらいかなーと）

1話投稿は、なんともう4年以上前……

休み休みの執筆でしたが、読者の方の応援でここまで続けることができました

本当に、ありがとうございます

また15話ほどですが、外伝を書いてみました

オリヴィアの母親が主人公です

能力はノルと一緒ですので、読んでみてください

私だけ入れる隠しダンジョン

https://ncode.syosetu.com/n6443gt/

↓にあるリンクをクリックでも飛べます。

それでは～

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