170話 最優秀賞
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よければチェックしてみてください~
かなり厳しい戦いだったけれど、どうにか三連勝することができた。
会場はとても盛り上がっている。
英雄学校の生徒は興奮して叫び、神童学院の生徒たちは静まりかえった。
「すげえぞ一年! おまえがキングだっ」
「まさかの三連勝っ、かっこよかったよー!」
「英雄学校の誇りを保ってくれてありがとう、ありがとーッ」
「さすがノルーッ、絶対やると信じてたよ!」
最後のはエマかな。発見したので手を振っておく。
レイラさんとかと一緒に、一生懸命応援してくれていたようだ。
ありがたい。
声援って、想像よりずっと力になるんだよね。
あとはミラの【精神力消費】を破壊する。
この試合では数千LPを使ったが、まだまだLPには余裕がある。
師匠が多く貯めさせておきたいのは、こういうのを見越してたんだろう。
「付与したスキルは壊しておいたよ」
「ん、ありがと。武具店がオープンしたら、割り引くようにパパに言っておく」
「助かるよ」
「でもさ、ノルがこんなに強いなんてびっくり。今まで、負けたことなんてないのに」
確かに、ミラの強さはすごかった。
LPが足りていなければ、負けていただろう。
彼女が握手を求めてきたので、当然応じる。
「超いい汗かいた。英雄学校もいい学校ね。転校しようかしら」
結構真面目な顔でミラは言う。
神童学院の大人たちが、死ぬ気で引き留めそうだ。
ここで、エルナ先生が声をあげる。
英雄学校の勝利を告げたんだ。
「ノル、さすがね。ま、やってくれると信じてたけど」
「先生もお疲れさまです。また肩もみしますので」
「あ~助かるわ~。それに、アンタのおかげで賭けにも勝てたし」
「賭け?」
僕は首を傾げるが、先生はニヤニヤするだけだった。
誰と賭けをしていたんだろう?
「もうちょい待ってて。いま、最後の仕事をするから」
最優秀賞を決定するため、生徒たちの票をいまから集めるとのこと。
それを聞くなり、ミラが不満げな顔をする。
「そんなの取る必要ある? ノルで決定でしょ!」
「アタシもそう思うが、一応そういうルールらしくてさー」
「無駄なルール。あとトルシェ先生は、なんでちょっと泣いてるわけ?」
神童学院の先生が、軽く涙しているんだ。
彼は消え入りそうなか細い声で言う。
「大人には、大人の事情が、あるんだよ……」
よくわからないけど辛いようだ。
給料が減らされてしまうのかもしれないな。
または、エルナ先生の賭けの相手だったとか?
さあ数十分後、票集めは終わったようだ。
エルナ先生が闘技場の中心でメモを読みあげる。
「いまから最優秀賞の発表をする。両校約千百名から集めた結果、こうなった。フィング・バラバ――5票、リティ・リョクン――1票、ノル・スタルジア――1123票! よって最優秀選手はノル・スタルジアとする」
割れるような歓声が聞こえる中、ミラが不満げに言う。
「他のやつに入れてるやつ、なんなの? 身内かファン?」
もしくは、僕のことが嫌いな人とか。
ここでトルシェ先生が、他の先生から贈呈品らしきものを受け取った。
それを見て、エルナ先生が声をあげる。
「それでは、神童学院側からノルに贈呈品を渡す。前へ」
「はい!」
魔道具はSランクである可能性が高いって言ってたよな! 楽しみだ。
僕はワクワクした気分で、前へ歩いていく――
6章終了です
明日、エルナの特別話を投稿します
それがweb版の最終話です
また明後日、24日(日)に作品を削除します
保存する方は、それまでにお願いします
また、外伝も投稿予定
オリヴィアの母親が主人公、能力はノルと一緒ですが、LPは凄く多い状態です
こちらは20~25話ほどの中編です
よろしくお願いします