若さへの憧憬
若さってやつは、もうそれだけで美しく見えるものだ。
殊に集団ごとに演舞して躍動し、走り、競い合うとなれば尚更である。
実は恒例の中高合同体育大会が開かれて、その若さの発露に圧倒される一日だった。
集団演舞を数多く組み込んでいる事もあって、多くの父兄も熱心に参観していた。
演舞は、号令とともに複雑な隊列の動きをする集団行動に始まり、ソーラン節の演技、
卒業生のエグザエルあきらが振付けたダンス、そして伝統のエッサッサと続く。
更に特徴的な競技は部活対抗リレーで、野球部やサッカー部を始めとして、
バレーやダンス部、弓道、剣道、テニス、バスケ、フットサル、水泳などの部活が競う。
競うと言っても、それぞれの部活の得意技を活かしてのことであって、これが中々面白い。
例えば剣道部は、400mもの距離を2人で激しく組打をしながらのリレーだから大変である。
それはともかく、体育大会のメインはリレーを含めての走りっこであって、
若く鍛えた体が美しくすっ飛んでいくのは爽快ですらある。
精一杯走って勝敗は明らかだし、特にリレーは自分達の力で勝った達成感に歓喜する。
ならば負けた方は不幸かと言うと、やはり自分達が力を合わせた結果に納得している。
とにかくスポーツには、人にもたらすスカーッとした感じがあるんだ。
各クラスごとにそれぞれ揃いのユニフォームを着ていて、応援もその喜びも集団ごとだ。
その色とりどりのユニフォームを眺めながら、美しさがその中に在るって思った。
そもそも美しいと言う字は羊が大きいと書き、なぜ大きい羊が美しいのかと言うと、
大きい羊なら皆で分け合って腹を満たすことが出来るからである。
勿論物事に立ち向かって、みんなで分かち合うことこそが本当に美しいことなんだ。
マラソンだってそうだけど、自分の力で走りきったという達成感は何物にも代え難い幸福だ。
若い彼らにとって、この美しさの記憶はおそらく生涯のものだろう。
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