菅首相、コロナの窮状聞く 非正規労働者らと面会 野党が橋渡し

 菅義偉首相は29日、新型コロナウイルスの影響で生活に困っているシングルマザーや非正規労働者と官邸で意見交換した。26日の衆院予算委員会で、立憲民主党の川内博史衆院議員から現場の声に耳を傾けるよう促され、「それはさせていただきます」と答弁したことで実現した。

 首相との面会には、川内氏、都内に住む30~60代の男女6人が参加し、田村憲久厚生労働相も同席。6人は、低所得の子育て家庭への新たな給付金支給に加え、休業手当が支払われなかった大企業の非正規労働者も、政府が直接支払う休業支援金・給付金の対象に加えるよう求めた。首相は「どういった企業が払っていないのか調べて、対応を検討する」と話したという。

 野党議員の仲介に首相が応じるのは珍しく、川内氏も終了後、記者団に「びっくりしている」。首相にとっては、さまざまな分野の民間人と会って「生」の情報を集めてきた得意の型を、久しぶりにアピールする機会となったか。 (前田倫之)

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