北京市で変異種確認、155万人にPCR検査

【北京=羽田野主】中国メディアによると、北京市政府は20日、市南部の大興区で、英国で広がる新型コロナウイルスの変異種を2人から確認したと明らかにした。北京での変異種の確認は初めてとみられる。中国当局は警戒を強めている。
中国当局は21日までの5日間で、大興区の約155万6000人にPCR検査を実施。北京市の一部を封鎖し、住民約2万4000人を自宅待機させた。大興区に住むすべての住人が北京を離れる場合には3日以内のPCR検査の陰性証明を提出するように義務づけた。
すでに医師や看護師ら約2000人の医療関係者を現地に投入して対応にあたっている。集中隔離できるホテルなどの拠点を39カ所、約3400人分の部屋を確保している。
大興区以外の地域でも1900人分の隔離用の部屋を準備した。
感染者が見つかった地域の付近の駅では地下鉄を停車させず、そのまま通過させる措置もとっているという。
今回見つかった変異種とは別に、北京市では21日に無症状を含む感染者を新たに6人確認した。
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- 慎泰俊五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役ひとこと解説
用語法で恐縮ですが、変異種というのは誤りで、変異株とよぶべきです。いまも新型コロナウィルスの名前はSARS-CoV-2(サーズ・コーヴィー・ツー)ですが、変異「種」になるということは、この名前が変わるほどの変化がウィルスの構造に起きることを意味しています。ウィルスの遺伝子構造はコピーの過程で頻繁に変わり続けるものなので、一定の変異は起き続けます。
(更新) - 石塚由紀夫日本経済新聞社 編集委員今後の展望
国が強権を発動し、個人の自由を制限してまでも感染拡大防止を最優先してきた中国。そんな国家体制の下でも変異種が確認されるとは、新型コロナウイルスは人類の想定以上に手強い存在なのかもしれません。 消耗戦はいつまで続くのか。長期戦も覚悟し、日本でもいま一度、3密防止を国民一人ひとりが心がけなくてはいけません。
(更新)