検 索 番組表

毎週火曜 よる9時00分~9時54分 放送

新型コロナ 陽性者の真実

2020.05.05 公開

全世界を巻き込み広がる新型コロナウイルス。

去年12月、中国・武漢で発生したと言われてから約5か月。
感染するとどんな症状に苦しむのか?

4月中旬…仰天スタッフは1人の男性に話を聞いた。 
渡辺一誠さん(40歳)。実は彼、新型コロナウイルスに感染し退院したばかり。

自分自身を「潔癖」だったと語る渡辺さん。
そんな自分がコロナにかかるとは思っていなかったという。

それは東京の桜が満開になる頃。
都内でコンサルティング会社を経営している渡辺さん。

コロナの事情とは関係なく、以前から仕事は在宅が主。
出社するのは週に1回程度だった。

そんな彼に異変が起きたのは、のちに問題となる3連休の最終日。
3月22日の事だった。

この3日前の3月19日には、北海道が独自に出していた緊急事態宣言を予定通り解除。
さらに20日には、春休み終了後に小中学校への臨時休校要請を解除するという政府の方針も伝えられていた。

天気にも恵まれた花見シーズンの3連休。自粛ムードが緩んだ時期だった。

そんな3連休の最終日…ミーティングの為、渡辺さんは午前中に出社。
その帰り…ちょっとした違和感に気がついた。

それは寒気と倦怠感…風邪の引きはじめのような感覚だった。
普段から健康には気を付けていた彼は…その後の予定をキャンセルした。

そして汗をかくため、いつものように厚着をし、しっかり食べるようにした。
しかし、夜になっても体が鉛のように重く動けなかった。

体調の悪さから高熱の感覚があったが、体温はそれほど上がっていなかった。
ふと頭をよぎるのは…コロナの可能性。

彼は不用意に町を出歩いていたわけでも、身近に感染者がいたわけでもない。
なにより常に清潔を保ち、自己管理にも自信がある。
そんな自分がコロナになんて…そう思っていた。

辛いはずの麻婆豆腐の味がしない

翌朝、だるさはあったが熱は下がっていたので回復していると思った渡辺さん。
だが夜になるにつれ症状は悪化。
39度近くまで熱が上がりひどい頭痛に襲われたので、翌日会社に休む旨を連絡した。

インフルエンザであれば3日目の今日で落ち着くはず…そう思っていた。
だが…4日たっても症状は変わらなかった。
朝は熱が下がり、回復したかに思えるが…午後から夜にかけては熱が上がり酷く頭が痛む。

3月24日。この日、東京オリンピックの延期が決定。
コロナに関する危機感が一気に高まっていた。

もしかして自分も?不安になり病院に連絡した。
新型コロナの検査は指定の医療機関でしかできない。
保健所に勧められた病院へ行ったが、2時間待ちだった。

体もつらく、とても待つ気分になれない…。
なにより、やはりコロナではないかもしれない…そう思った。
そしてそのまま検査を受けずに帰ることに。

その帰り道…。
つらいながらもテンションを上げようと立ち寄った中華料理店である異変に気付いた。
辛さが売りの麻婆豆腐だったが…全く味がしなかったのだ。

何かがおかしい…翌日、友人に相談すると…コロナ患者の味覚障害の情報を伝えられた。
実はこの頃、阪神タイガースの藤浪選手らが味覚障害から検査を受け陽性であることが判明したと、話題になっていた。

やはり感染している…そう確信し、すぐに保健所に連絡。
味覚障害や発熱がありコロナに感染している可能性が高いことを訴えた。

病院へはタクシーで向かった。
到着し状況を伝えると、看護師から今後移動にタクシーを使わないように注意を受けた。
この時、初めて自分が感染を広げる側になったことを実感した。

すぐにPCR検査を受けた渡辺さん。
検査はビニールで隔離された場所でおこなわれた。
この時、渡辺さんはタンで検査を行ったという。

結果が出るまで4時間。入院する可能性も考え一度帰宅。
タクシーは使わず歩いた。体調も万全ではない中、往復1時間以上かかった。

結果は陽性…そのまま入院することに。

症状と「申し訳なさ」に苦しむ日々

渡辺さんが入院していた病室は2人部屋を1人で使用し、トイレもシャワーも病室内に。
外に出ることはできない。

入院しても、朝は微熱と倦怠感があり、午後は高熱と頭痛のため解熱剤を処方される日々。

新型コロナウイルスにはまだ治療薬はなく、自分自身で回復するしかない。
若さや体力に自信があった渡辺さんはすぐに回復すると思っていた。

だが、入院3日目…突如、症状が悪化した。
朝から高熱が出てひどい咳も…さらに、震えと頭痛で寝ることもできなかった。
食欲も失い、口に出来るのは水だけだった。

新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスと比べ、肺にまで簡単に侵入し肺炎を起こしやすいとされている。

次々に細胞へ感染しウイルスが肺全体に広がりうまく酸素が取り込めなくなるという。
それはまさに地獄の苦しみだった。

それにしても渡辺さんは、いつどこで感染したのか?
入院直後から、その感染経路について細かく聞かれていた。

この時期、繁華街でのクラスターが問題となっていてその調査が念入りに行われていた。
渡辺さんは発病の一週間ほど前に特に外出もしてなく、自分がどこで新型コロナウイルスに感染したのか、全く心当たりがなかった。

一方でどうしても気になることが。
それは体調を崩す前日…この日、渡辺さんは気の合う仲間たちと食事をしていたのだ。

もしかして誰かにうつしているかもしれない…すぐに連絡をとった。
感染していないでほしい…ただそれだけを願った。
だが…なんと友人2人が陽性という結果に。

その後、渡辺さんは友人の家族にも感染が広がったことを知った。
あの日、渡辺さん自身にはなんの症状もなく感染しているという自覚すらなかった。
それでも…申し訳なさでいっぱいだった。

高熱に苦しんだ後、少しずつ睡眠もとれるようになり、スポーツドリンクを飲んで味も感じられるようになった。

こうして発症して3週間後に退院できたという渡辺さん。
しかし…驚きの事実が。

通常は検査で2回連続陰性にならないと回復したとみなされない。
だが、渡辺さんは陰性が出ていなくても退院したという。

理由は病床数の確保のため。退院後も2週間はとにかく自宅で待機しているという。

「アビガン」は救世主となるのか?

一方、ある方法で症状が一気に改善したという女性もいる。
それはグラビアタレントとして活躍する「ソラ豆琴美さん」(27歳)

緊張感が薄れた3月下旬。
彼女はアイドルという仕事もあり、握手会やライブを行っていた。

そんなある日。
突然、何かを詰まらせたような胸の痛みと発熱があったので病院で検査を受けると…陽性が判明した。
4月上旬のことだった。

そして感染後、彼女も症状は悪化。
39度の高熱と、胸に重しを乗せられているような息苦しさと胸の痛みが続いた。

だが、彼女の場合、「アビガン」という薬で症状が一変したという。
「アビガン」とは抗インフルエンザ薬として2014年に日本で承認を受けた新薬。
新型コロナウイルスへの効果が期待されていて、現在、臨床データの検証が進められている。

実はソラ豆さんは入院当初、医師にこの薬の存在を伝えられていた。

アビガンの処方についてはソラ豆さん自身が決められるということだったが、特に女性は使用に気を付けなければならないという副作用の報告もあった。

当初、ソラ豆さん自身の症状も軽く、処方を断っていたが…体調が急変し、アビガンの処方を医師に要望した。
すると…その後、体調は回復し、2週間の入院を終えて無事退院。

KARADA内科クリニック佐藤院長によると…データはそろってはきているが、アビガンを飲ませなくても勝手に治ったという可能性もあり、アビガンが劇的に回復効果をもたらしたとはまだ言えないのだという。

渡辺さんもソラ豆さんも若く持病も無い。
しかもどこで感染したかも分からない。

これが高熱や頭痛で苦しんでも軽傷とされている恐ろしい新型コロナの真実!

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