米どころ新潟のコシヒカリは東京でもおいしいけれど、産地はもっとおいしいかも? 日本海の魚も気になるし、B級グルメの宝庫という噂も。「もう我慢できない、行ってしまおう!」という訳で新幹線に飛び乗り、新潟必食グルメ情報を聞きに、タウン誌『月刊新潟Komachi』編集長を直撃してきた。
Yahoo!ライフマガジン編集部
新潟県を知り尽くしたタウン誌編集長が教える、うんめ~新潟グルメとは?
新潟県の食のイメージといえば、真っ先に思いつくのは米・酒・肴(さかな)! さらに肉や伝統野菜など、知れば知るほど食の魅力が詰まった土地柄だ。加えて、6月の「まき夏まつり」から各地でお祭りや花火大会が始まり、柏崎、長岡、片貝の「越後三大花火」など注目イベントがめじろ押し。
そこで、お米大好き・レジャー大好きの編集Mが現地に飛び、新潟の情報に精通している『月刊新潟Komachi』編集長に地元ならではの情報を伺ってきました。
\やってきたのはココ!/
『月刊新潟Komachi』編集部
おいしい情報を求めて、今年創刊25周年を迎えた『月刊新潟Komachi』を出版している株式会社ニューズ・ラインに突撃! 新潟県の地域情報誌の代名詞的存在である『月刊新潟Komachi』は、20〜50代の女性がターゲットで、ファッションやグルメなど、新潟の暮らしにまつわる情報が豊富な月刊誌だ。
- 編集M
- 編集M
- 「こんにちは~。『月刊新潟Komachi』の編集長さんはいらっしゃいますか? 新潟の情報に精通した編集長が、本気でおすすめするグルメ情報を教えてください!」
『月刊新潟Komachi』編集長
間瀬(まぜ)博文さん
間瀬博文さん
『月刊新潟Komachi』編集長
- 編集M
- 編集M
- 「『月刊新潟Komachi』を拝見しましたが、読者が読んでいて本当に楽しめる雑誌ですよね。毎月3タイプ制作していると伺ったのですが」
- 間瀬さん
- 間瀬さん
- 「新潟は縦に長いので、上越・中越・下越という3つのエリアを分割して制作しています。販売エリアに合わせて、それぞれの暮らしに役立つ情報を掲載しているんです。読者に一番役立つ情報は『地域の特色を出した、暮らしと向き合っている情報』。それをいかにおしゃれに、でもローカル色も失わないように表現するかを意識して制作しています」
- 編集M
- 編集M
- 「例えば、夏の新潟を訪れる際に、おすすめのスポットやイベントはありますか?」
- 間瀬さん
- 間瀬さん
- 「佐渡は6月以降が特にいいですね。世界遺産を目指している佐渡金山や、たらい舟など遊べるスポットもありますし、自然の美しさも格別です。夏になると長岡や柏崎の花火も見事ですし、村上市の町屋造りも見応えもあります。そんな風に新潟はエリアごとにロケーションが個性的で、異なる楽しさが詰まっています」
- 編集M
- 編集M
- 「新潟というとやっぱり、おいしいものがたくさんあるイメージですが、新潟初上陸の私はまず何から食べたらいいのか見当もつかず……。編集長激推しのランチ&ディナーを教えてください!」
- 間瀬さん
- 間瀬さん
- 「まずランチは、ピア万代という市場にある『廻転寿司 弁慶』へ! 僕はプライベートで行くこともありますし、県外から友人が来た時もよく連れて行きますが、いつも行列なんですよ」
- 編集M
- 編集M
- 「それは、すごく楽しみです! マストで食べるべきネタはありますか?」
- 間瀬さん
- 間瀬さん
- 「もちろん、ウニやトロもおいしいのですが、ぜひチェックして欲しいのが『今日のおすすめ』。プロの目利きが選んだその日に仕入れた魚は、高級魚じゃなくても本当においしくて。そして、ノドグロといった高級魚も都内よりも格安で食べられますよ」
- 編集M
- 編集M
- 「これはお腹を空かせて行かないと……! 編集部オフィスの隣は公園でしたよね? 公園でランニングしてから行って来ます(笑)」
◆編集長の推薦グルメ ランチ編
佐渡産の絶品ネタ&シャリが胃袋をわしづかみ! 「廻転寿司 弁慶」
本店が佐渡で、佐渡産のネタとシャリで握った寿司をリーズナブルに味わえる「廻転寿司 弁慶」。県内外から評判が高く、グルメ評価サイトの回転寿司部門では全国1位を獲得。
土日には10時半のオープン前から行列ができる程の人気ぶりで、2017年3月には「廻転寿司 弁慶」の前に「立ち食い弁慶」もオープンしたほどだ。
- 間瀬さん
- 間瀬さん
- 「佐渡は暖流と寒流がぶつかって魚種が豊富。栄養分をたっぷり含んだ雪解け水が川から海へ流れていくことで、魚の餌となるプランクトンが育つため、佐渡の魚は特においしいんです。ぜひ漁れたての佐渡の味覚を、たっぷり味わってみてください」
- 編集M
- 編集M
- 「こんにちは~。新潟のおいしいお寿司を食べ尽くしに東京からやってきました。佐渡の魚は特においしいと聞いて、期待値がとても上がっています!」
- 横山さん
- 横山さん
- 「いらっしゃいませ! 何にしますか? うちでは大体毎日50~60種類のネタをそろえています。どれもおいしいけれど、旬と言ったらマグロですかね。今日は今さっき入ってきたばかりの初物のトビウオもありますよ。貝類もいろいろそろっています。手元のメニュー表以外に、壁にあるおすすめのメニューボードもぜひチェックしてみてください」
\本日のおすすめネタをチェック/
- 横山さん
- 横山さん
- 「一番人気はアジ。あとはやっぱり、せっかく新潟に来たなら南蛮エビとノドグロは食べていってほしいですね。白身の三種盛りもお得だし、カツオは店に届いてからワラで燻(いぶ)しているので香りもとってもいいです。ふぐの白子はちょっとあぶって提供しています」
- 編集M
- 編集M
- 「見たことのない魚の名前もある! どんな味がするんだろう……? もう選べないので、おすすめをじゃんじゃんお願いします!」
- 編集M
- 編集M
- 「回転寿司だけどタッチパネルもオーダー表もない分、目の前の職人さんに注文して握ってもらったり、相談できるのはうれしいな~」
おすすめお寿司14皿、いざ挑戦!
- 編集M
- 編集M
- 「ネタがとにかく大きい! このクオリティの寿司をこのお値段で食べられるってすごいですよ!(もぐもぐ)」
- 横山さん
- 横山さん
- 「魚は毎日市場で仕入れて一からさばいています。『どんな魚ですか?』とお客様に聞かれたら、タイミングが良ければまるごと一匹お見せすることもあるんですよ」
- 編集M
- 編集M
- 「すごい! デジタル化が進む回転寿司業界と真逆の方向を走っている……。ネタもそうですが、シャリのおいしさにも驚きました。私はお米が大好きなんですが、一粒一粒しっかりと粒感があって、回転寿司でこんなにおいしいシャリを食べられるって、すごくうれしいです」
- 横山さん
- 横山さん
- 「佐渡の昔ながらの作り方でコシヒカリを作っている農家と契約していて、これは他のどこにも流通していないお米です。佐渡は世界農業遺産に登録されているくらい、農業に適した土地なんですよ」
〆(シメ)におすすめの一品
タコは吸盤が大きくてまだ吸い付くんじゃないかというくらい新鮮だし、カツオのワラ焼きは、口元にお寿司を運んだだけでもう香ばしい香りがたまらなかったし、サザエはつぼ焼きでしか食べたことがなかったので、お寿司で食べること自体にびっくり!
一品一品どれもおいしくて、箸がまったく止まらなかった。これは行列に並ぶ甲斐(かい)、大アリだ。予約はできないが、これなら待ち時間もどんなネタが食べられるのか想像するだけでワクワクし、時間が経つのもあっという間だ。
そんなわけで、24皿51貫完食!
▼新潟グルメDATA▼
新潟満喫度:★★☆
新潟たらふく度:★★★
新潟ワクワク度:★★★
- 編集M
- 編集M
- 「ランチでこんなにおいしかったら、ディナーは一体……?」
- 間瀬さん
- 間瀬さん
- 「ディナーでおすすめするお店は、新潟を代表するB級グルメの元祖で、実は僕が昔アルバイトをしていたところでもあるんです」
◆編集長の推薦グルメ ディナー編
鶏の半身を丸ごとカラッと揚げた豪快な「せきとり」
国産の鶏の半身にカレー粉をまぶして揚げた「せきとりの半身から揚げ」といえば、新潟では誰もが知るメジャーな存在で、観光や出張の際に足を運ぶ県外の人も多い。
持ち帰りにも対応しているので、地元の人はもちろん、帰省する人がわざわざ実家にテイクアウトの予約をお願いするほど、「ふるさとの味」になっている。
- 間瀬さん
- 間瀬さん
- 「カレー味の半身から揚げが有名ですが、塩味のスープで作るムシ焼きも絶品でおすすめ。もはや芸術品ですよ。このスープをご飯にかけて雑炊風に食べるのが僕流。どちらもぜひ食べてみてください」
「せきとり」のから揚げは、現在新潟のB級グルメとして全国のメディアでも頻繁に取り上げられ、「全国からあげグランプリ」では7年連続で金賞を受賞。ローソンの「からあげクン」とコラボ商品を開発したこともあるなど、新潟の枠を超えた存在感を放っている。
- 関さん
- 関さん
- 「せきとりへようこそ! から揚げは鶏一羽の1/2をまるごと揚げているので、かなり大きくて食べごたえバツグンですよ!」
新潟名物! 鶏の半身をがっつりキレイに食べ尽くす
- 編集M
- 編集M
- 「で……でかい!! 顔くらいのサイズありますよ、これ。もう、いい香りがたまらないっ。さて一体どこから食べたらいいのか……。関さ~ん、教えてください」
【その1】箸で押さえて真ん中で2分割
- 関さん
- 関さん
- 「箸で肉の中央を抑えて、持ち手部分をぐーっと上にひねってください」
【その2】関節をねじって足とモモを分ける
- 関さん
- 関さん
- 「ちょっと強めに引っ張るようにねじってください」
【その3】手羽の部分を持ってムネとあばらに分ける
- 関さん
- 関さん
- 「ムネとあばらの間に手を入れてグッと割ってください。ただし、揚げたてで熱いので、気をつけてくださいね」
【分解コンプリート!】
- 編集M
- 編集M
- 「カレー味の半身から揚げは新潟の名物の一つになっていますが、『せきとり』さんが発祥なんですか?」
- 関さん
- 関さん
- 「僕の祖父が昭和34年に屋台で提供しはじめたのが最初で、暖簾分けをしたお店もあります。今の店舗は昭和39年の新潟国民体育大会(国体)の時にカウンターの部分だけできて、徐々に拡張して今のお店の形になりました」
- 編集M
- 編集M
- 「そもそも、どうしてカレー味にたどり着いたんでしょう?」
- 関さん
- 関さん
- 「当時、新潟の給食にカレーが導入されて子どもたちに人気だったそうで、それをヒントに祖父が開発したそうです。その頃から味は変えていませんし、これからも守り続けていきたいですね」
もちろんビールとの相性も抜群!
- 編集M
- 編集M
- 「カレー味のから揚げと生ビール、もう最高の組み合わせですね。もっと味が濃いかと思っていたけど、カレーの風味と鶏肉そのもの味のバランスが絶妙で、全然食べ飽きませんね。鼻を抜ける香ばしい香りも食欲をそそるし、皮がパリパリしているのがまたいいです。骨際のお肉のうまさがまた、たまらない……。軟骨までおいしいです!」
女性に大人気!
コラーゲンたっぷり「半身ムシ焼き」
まだまだいきます。お待ちかねのもう一皿は、こちらもボリューム満点、塩味のスープで煮込んだ「半身ムシ焼き」。トロッとしたスープは、あっさりとした味付けに鳥のうまみが溶け込んでいて、この絶妙なバランスを知ると女性からの人気にもうなづける。
間瀬編集長いわく「白ワインと合うと思うんです、お店には置いてないけど(笑)」。確かに居酒屋メニューではあるけど、洋食の一品にもなりそう!
\自宅でもこの味が楽しめる/
- 関さん
- 関さん
- 「出来立てのテイクアウトの他に、冷凍のものもご用意しているので、いつでもご自宅でせきとりの味を召し上がっていただくことができます。要予約なので、お気軽にお問い合わせください」
新潟グルメ、ごちそうさまでした!
半身から揚げとムシ焼きで、合計丸々一羽分の鶏を完食。揚げと蒸しで全然印象が違うので、女性でもペロッといけてしまうほどだ。
部位によって肉の味も違い、手羽先の煮物やモモ肉の唐揚げなど部位別の単品で食べる時よりも、鳥の風味をじっくり知ることができる。大勢でシェアしながら楽しめる料理だ。気取らずにフラッと入れる雰囲気がまた良く、近所に出店してほしいくらい!
▼新潟グルメDATA▼
新潟満足度:★★★
新潟たらふく度:★★★
新潟びっくり度:★★★
最後に、間瀬編集長に新潟の魅力を語っていただきました。
- 間瀬さん
- 間瀬さん
- 「四季がはっきりしていて、食べ物がおいしいし、人もいい。また、新潟市の場合は街と田園の距離が近くて、それぞれの良さを楽しめるのもいいところですね。ちょっと車を走らせれば、いい農家レストランもあったりしますよ」
- 編集M
- 編集M
- 「何回も来て、いろいろな魅力に触れたくなるたくなる土地ですね。新幹線なら東京から約2時間で来れる距離だし、次は友達も連れて観光やグルメを楽しみたいです。個人的には長岡の花火が特に気になるな~。その時はまたいい情報、教えてくださいね!」
\間瀬編集長が作るタウン誌はこちら!/
新潟の女性情報誌『月刊新潟Komachi』
毎月25日発売、定価490円(税込)
1992 年5 月創刊。20代~50代の女性へ、新潟の暮らしに役立つ生活情報を発信しているライフスタイルマガジン。最新号は新潟県内全域の書店およびコンビニエンスストア、amazon等で発売中。
取材メモ/間瀬編集長をはじめお店のスタッフさんに、とても親切に対応してもらったことでよりおいしさがアップした旅だった。両店ともにボリューム満点だったけれど、ペロッと食べてしまったのは、われながらビックリ。新潟ではこれから枝豆が旬の時期なんだそう。枝豆をつまみにビールを飲みたいし、また来なくっちゃ!
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