ポータブルヘッドホンアンプをつくってみました。

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①お財布にやさしいエネループ三本3.6V駆動
②Cmoyじゃなく、オールディスクリート構成!
③ケース加工が面倒なので秋月AE-HPPMLのケースを流用

回路は下記です。
HPA


元ネタはぺるけさんのかんたんヘッドホンアンプで、J-FETの自己バイアスを利用することでたった3石で構成されています。
ただ、ぺるけさんの回路とは相違点があります。負帰還と、ソース抵抗に並列につけるコンデンサを抜いています。これは、最もシンプルな回路からどんな音が出てくるか知りたかったからです。
J-FETは選別したPF-5102を使用しています。比較的GMが高いJ-FETで現行品というとこれくらいしか手に入らないと思います。2mA流した際のバイアス電圧Vgsが500mVになるものを実測して選び出しています。
こちらの記事にあるようにPF-5102のVgsは極めて広くばらつきますので、この回路では選別が必須です。
回路は簡単なのですが、この点に手間がかかるのが少し残念ですね。

消費電流値はインジケーターのLED込みで約15mAです。単4エネループは700mAhの容量があるので46時間連続稼働できる計算です。

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C基板をカットして、実装した写真です。ヘッドホンジャックとボリュームはAE-HPPMLと同じものを使います。デカップリングコンは手持ちのOSコンを盛ってみました。出力カップリングコンは秋月で売っていた低ESR品です。
このサイズの基板に納めることは最初に決めていたので、両電源を用意するのは困難です。また、初めてのHPA自作ということで、うっかりDCを出してヘッドホンを壊してしまわないように、出力カップリングコンデンサがある方が安心です。

Xperia Z5につないでヘッドホンAKG Y50で聞いてみます。スマホ直出しよりも中低音が明らかに厚くなっており、自分好みの音になったと思います。スマホなどの薄型のポータブル機器では出力カップリングやデカップリングコンデンサの容量を稼げないため、どうしても低音が弱くなるのではないかと思います。Xperiaはヘッドホン出力の音質もずいぶんよくなってポータブルアンプなんて不要なのではと思っていたのですが、いやいやポタアンの威力を十分に感じることができました。