【10月29日 AFP】フィンランドの研究チームは28日、ヘルシンキ空港(Helsinki Airport)で試験導入している「新型コロナウイルス探知犬」を使った即時検査について、結果は有望で、旅行客にも評判が良いとの初期報告を発表した。

【写真】ロシアの空港で行われた「コロナ探知犬」の訓練

 この検査では、到着した乗客の肌を拭いたシートを犬の前に置き、においを嗅がせる。検体が陰性ならば犬はシートの前を素通りするが、陽性ならばシートに反応するという。検査を受ける乗客は痛い思いをすることもなく、検査結果もすぐに分かる。

 3匹の探知犬「コッシ(Kossi)」「ET」「ミーナ(Miina)」は、到着ロビーに検査所が設置されてから1か月間に2200人分の検体を嗅ぎ分け、乗客の0.6%が新型コロナに感染していることを嗅ぎつけた。

 研究チームは、この初期結果について、鼻から採取した検体を調べるPCR検査の陽性率と大枠で合致していると述べた。現在、犬が陽性と判断した乗客がPCR検査でも陽性と診断されたかどうか、2つの検査結果の一致レベルを分析しており、年内に研究報告を行いたいとしている。

 新型コロナ流行の第1波のさなかに行われた予備実験では、犬の探知結果の正確性はほぼ100%で、検査結果を得られるまでにかかる時間はPCR検査より最大で5日短かった。

 ヘルシンキ空港での試験は、12月まで継続される。1日当たり100人前後の乗客に探知犬による検査が行われているが、研究プロジェクトの担当者は、任意で検査に参加した乗客の反応は「極めて良好」だと話している。(c)AFP