【1月28日 AFP】中国・武漢(Wuhan)で新型コロナウイルス感染症により亡くなった人々の遺族は27日、世界保健機関(WHO)によるウイルス起源調査の開始を目前に控え、ソーシャルメディア上のグループが削除され、口を閉ざすよう圧力を受けていると訴えた。

 1年前に武漢を襲った同ウイルスの感染拡大をめぐっては、大勢の遺族が、当局の対応の誤りを非難しており、オンライン上で結束を固めて武漢当局に説明責任を果たすよう求めている。

 しかし遺族に対する当局からの圧力は、最近さらに強まっている。WHOによる慎重を要する調査の期間中、いかなる批判をも抑え込み、失態を回避しようとする動きとみられている。

 SNS大手「微信(WeChat、ウィーチャット)」上で遺族80~100人が参加するグループは10日ほど前、突然何の説明もなく削除されたと、メンバーの一人の張海(Zhang Hai)さん(51)が明かした。

 張さんは、新型コロナウイルスによるものと疑われる症状で流行初期に父親を亡くし、これまで当局を強く非難してきた。

 当局によるグループ削除について張さんは「当局が非常に神経質になっているのが分かる。遺族がWHO調査団と接触するのが怖いのだ」と指摘した。

 今月14日に武漢入りしたWHO調査団は2週間の隔離を経て、28日から市内で調査を開始する予定。

 張さんは、調査団が武漢入りした際に当局が遺族のグループを強制解散させたため、「多くのメンバーとの連絡が途絶えた」と述べた。