物語
日本が生糸輸出量世界一となった明治42年、
急速に近代化がすすむ福島の老舗呉服屋に、
のちに多くの名曲を生み出すことになる
作曲家・古山裕一が誕生する。
老舗の跡取りとして育てられた裕一だが、
少々ぼんやりしていて、
周りには取り柄がない子どもだと思われていた。
しかし音楽に出会いその喜びに目覚めると、
独学で作曲の才能を開花させてゆく。
青年になった裕一は、
一度は音楽の道をあきらめようとするが、
ある日家族に内緒で
海外の作曲コンクールに応募して
なんと上位入賞を果たす。
それをきっかけに、裕一は
歌手を目指している関内 音と知り合う。
福島と豊橋―遠く離れた地に住みながらも、
音楽に導かれるように出会った二人は結婚する。
そして不遇の時代を乗り越え、
二人三脚で数々のヒット曲を生み出していく。
しかし時代は戦争へと突入し、
裕一は軍の要請で戦時歌謡を作曲することに。
自分が作った歌を歌って戦死していく若者の姿に
心を痛める裕一…。
戦後、混乱の中でも復興に向かう日本。
古山夫妻は、傷ついた人々の心を
音楽の力で勇気づけようと、
新しい時代の音楽を奏でていく─。