嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター(英語:Jigoro Kano Memorial International Sport Institute)は、大日本体育協会(現在の日本スポーツ協会及び日本オリンピック委員会)の創設者であり、国内外のスポーツの発展に多大な功績を残した嘉納治五郎先生を讃え、その理念を継承し、嘉納先生がアジア初の国際オリンピック委員会(IOC)委員に選任され、日本がオリンピック・ムーブメントに参画してからちょうど 100 年の節目となる 2009(平成 23)年 5 月 27 日に設立されました。
日本のオリンピック・ムーブメントへの参画は、嘉納治五郎が近代オリンピックの創始者であるクーベルタン男爵の要請を受け、1909年にIOC委員に就任したところから始ました。両者は共に教育者として、一方で「精力善用」「自他共栄」、他方で"Olympism = philosophy of life"という理念を掲げ、スポーツ固有の価値を社会に浸透させ、スポーツを通した教育を推進し、国際理解、国際平和の実現を目指しました。
今日のスポーツにはテクノロジーやメディア、薬物技術の高度な発達、そして商業主義、グローバリゼーションの進展などにより、近代オリンピックの草創期には存在しなかった多様な問題が山積しています。しかし同時にスポーツには、若者の教育やコミュニティの活性化といった社会の発展に寄与するツールとしての機能が現在も変わらず期待されています。当センターでは、社会におけるスポーツの価値の向上に努め、嘉納治五郎先生が唱えた「精力善用」「自他共栄」の考えを社会に普及させることを目指して活動を展開しています。
当センターのロゴは、嘉納治五郎先生の意志と哲学を受け継ぐという意味合いを込め、そのイニシャル “JK (Jigoro Kano)”から「」を形づくっています。
またこの「」は同時に、嘉納先生の哲学だけでなく、スポーツを通じて個人、社会、世界のポジティブな発展に貢献するという当センターのミッションも示しています。