ほぼ日刊イトイ新聞

2021-01-29

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・娘と、娘の娘は、おっぱい(母乳)のことを、
 「またまんま」と呼んでいる。
 もともとは「まんま」だったらしいのだけれど、
 要求の回数が多いので「またまんま?」と言ってるうちに
 「またまんま」という名詞になってしまったらしい。
 2歳と3か月になるけれど、まだ「またまんま」なので、
 この授乳というのは、いつまで続くものなのだろうと、
 ぼくなりに興味を持って調べてみたら、
 いまは「断乳」ではなく「卒乳」という考えで、
 自然にやめていくようにするらしいとわかった。
 授乳をしなくなると母親はずいぶんらくになるそうだが、
 貴重なスキンシップの機会でもあるので、
 できるだけなめらかに「卒乳」したいものですね、と。

 現代育児って、進んでいるんだなぁと感心して、
 「卒乳のこと、ご本人とよく話し合ってみたら?」と、
 娘(母親)に冗談半分に言ってみた
 (娘の娘は、まだ2歳3か月でことばをおぼえたてだし、
 話し合いといってもねぇ…)。
 すると、「話してるんだけど、最近話しすぎたのか
 『そんなんいやだー!』と、かえって固執してます」
 という意外な現場報告がきた。
 「そういうことも含めて、おたがいの経験になるし、
 成長にもなるってことなんだね」とやや微笑ましかった。
 そのやりとりを、うちの家人が読んでいて参加した。
 「話してるのかー。○○ちゃんにも考えがあるのねー」。
 「そう。おっぱいとおにぎりとどっちが好き?とか、
 色々なものと比べて質問すると、
 ぜんぶ、おっぱいよりもそっちが好きなんだって。
 じゃあ、もうなくてもだいじょうぶだねーって、
 そういう話にはなってるんだけどねー」
 以上は、『みてね』というアプリでの会話である。

 昔のように、からしを塗ってやめさせただとか、
 鬼の顔を描いて怖がらせただとかの「断乳」は、
 いちばん好きだったものが恐怖に変身するわけで、
 いいことじゃないよなぁとは思っていたが。
 いまは、ずいぶんやさしくおもしろくなったものだ。
 ちなみに、ネットで調べたかぎりでは、
 「卒乳」の世界平均は4.2歳だって…ほんまか。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
昔のいろんな常識が、あちこちで更新されているんだねー。


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