今回は、ニッカウヰスキーが海外限定で販売するウイスキー、ニッカ デイズを飲みます。

フランスの販売店が輸入しているジャパニーズウイスキー

DSC_9118_01ニッカ デイズは、フランス・パリにあるウイスキーの販売店「ラ・メゾン・ドゥ・ウイスキー」が輸入元として販売しています。
日本ではそのまま販売されませんが、フランスなどから再輸入したものが手に入ります。

フランスというと、ワインとブランデーのほうが有名かと思われますが、ウイスキーも比較的人気があります。
かつてワインやブランデー用のブドウが不作になった時、スコットランドからウイスキーを輸入して代用として以降、フランスでもウイスキーを飲む習慣が生まれたようです。
また、フランス北部のブルターニュ地方には蒸溜所も建設され、モルトウイスキーを製造しています。

ラ・メゾン・ドゥ・ウイスキーでは、世界各国のウイスキーを販売していて、ジャパニーズウイスキーもニッカだけでなく、サントリー、地ウイスキー各社も手掛けています。

今回取り上げるニッカ デイズは、2018年にラ・メゾン・ドゥ・ウイスキーと提携して同店から販売される海外限定のブレンデッドウイスキーになります。

キーモルトは余市とのことですが、具体的にはわかりません。

ニッカとしては落第点

グラスからの香り、液色

グラスからは青リンゴやマスカットといった若さを感じるフルーツの香りが感じられます。
液色はシャンパンゴールドです。

ストレート

軽くピートからのスモーキーさが表れ、グラスから感じられるよりも熟したリンゴ、ブドウの香りに変わります。ただ、それ以上の香りは訪れません。

味わいは、アルコールからの辛みが少々強めで、後からは苦みを伴いつつも酸味が全体を覆ってきます。

ロック

ピートが強まり、さらにライムなどの柑橘系のさわやかな香りが一気に広がります。リンゴ、ブドウの香りもそこそこで、奥からバニラの甘い香りもやってきます。

味わいは、苦みが目立つようになり、酸味は陰に隠れた印象です。反面、後味に甘みを得られるようになります。

ハイボール

青リンゴや白ブドウの香りが明確になり、ピートからのスモーキーさは抑えられています。一方でバニラのような甘い香りは消えた印象です。

味わいは、多少の苦みを伴いつつも柔らかい酸味が主体となります。

まとめ

正直に言うと、これをフランス中心に売るのはどうかな、というほど微妙です。
余市由来のピートもわずかで、フルーティさも深みがなく、スペイサイド系のノンエイジモルトにちょっと島嶼系のモルトを加えたようで、個性はあまり感じられません。
グレーンウイスキーもカフェグレーンらしさは少なく、かといってカフェモルトでもなく、いったい何を使ってるんだという感じです。
ブラックニッカと比べてもニッカらしさが薄く、これを輸出用に出すのはどうなのかと思います。

ブラインドテストで、スペイサイドモルトを中心にした1000円クラスのブレンデッドモルトと飲み比べても、変わらないかこちらを選ばないかのいずれかになるでしょう。
せっかくジャパニーズウイスキーを買って期待する外国人を失望させかねないように思えます。
これはジャパニーズウイスキー全体のブランディングにも傷がつくでしょう。

700mL、アルコール度数40度、価格は4500円ほど。二度の輸入の手間賃を差し引いても割高感が否めません。
これを買うくらいなら、ブラックニッカのリッチブレンドや定番の1000円スコッチを買ったほうが満足できます。

<個人的評価>

  • 香り C: 軽くスモーキーさを得ながら、リンゴ、ブドウの香りが広がる。しかしそれ以上の深みがない。
  • 味わい D: 基本的には酸味がメインだが、苦みが全体的に目立つ。
  • 総評 D: ニッカらしさが薄く、ブレンデッドとしても中途半端。これを輸出するニッカは恥ずかしい。