IPv6で接続中 @niftyメール ポイント
「鶴岡親分」孫の現役慶応ボーイが持続化給付金詐欺…キックバック数十万円を要求したその手口

『親分』鶴岡一人元監督の孫の慶應大生が、持続化給付金詐欺で逮捕

記事まとめ

  • 鶴岡一人元監督の孫の慶應大生が、持続化給付金詐欺で逮捕された
  • 容疑者は男子大学生に申請を指南して見返りをもらっており、余罪もあるとみられる
  • 容疑者は4年生なので野球部を引退しており、卒業後は海外留学を希望していた

「鶴岡親分」孫の現役慶応ボーイが持続化給付金詐欺…キックバック数十万円を要求したその手口

「鶴岡親分」孫の現役慶応ボーイが持続化給付金詐欺…キックバック数十万円を要求したその手口

本当に困っている人たちのための給付金なのに…(持続化給付金の申請サポート会場)/(C)共同通信社

プロ野球界を代表する指導者のひとり、故鶴岡一人元監督の孫が、知人をそそのかした上、ダマし取った金の一部を「アドバイス料」としてキックバックさせていた――。

 新型コロナウイルスの影響を受けた事業者を支援する国の持続化給付金を詐取したとして、東京都港区白金台の慶応大生、鶴岡嵩大容疑者(22)が26日、詐欺の疑いで島根県警松江署に逮捕された。

 昨年7月ごろ、鶴岡容疑者は共通の友人を通じて、松江市の男子大学生を紹介してもらった。大学生は受給対象ではなかったが、鶴岡容疑者は給付金を申請するようけしかけた。

「共通の友人というのは20代の投資仲間です。鶴岡容疑者は犯行直前、投資仲間の旧知の知り合いだった大学生に『いい儲け話があるよ』と持続化給付金の話を持ち掛けた。大学生を個人事業主であるように装わせ、コロナの影響で収入が半分以下になったと虚偽の申請をさせた。大学生は中小企業庁から100万円の給付金を得て、鶴岡容疑者は申請を指南した見返りとして『アドバイス料』の名目で数十万円を受け取っていた。当然、余罪もあるとみて捜査を進めている」(捜査事情通)

 全国で持続化給付金詐欺に絡む摘発が相次いだため、怖くなった大学生は昨年9月、警察に「自分がやったことは詐欺にあたるのではないか」と相談。鶴岡容疑者らの関与が発覚した。

 鶴岡容疑者は慶応大環境情報学部4年で体育会の野球部に所属。大阪府出身で中学時代は「大阪南海ボーイズ」で全国大会準優勝を飾ったこともある。桐蔭学園高(神奈川)ではクリーンアップを打っていたが、大学のリーグ戦の通算成績は2試合出場2打数1安打1打点。ポジションは捕手だった。

「体育会野球部に所属していたのは間違いありませんが、4年生ですのですでに引退しています」(同大広報室)

 今年3月卒業予定で、卒業後は「海外留学」を希望していた。

「鶴岡親分」と慕われた祖父・鶴岡一人は南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)の監督を23年間務め、黄金時代を築いた。監督通算1773勝は歴代最多。勝率6割9厘は500勝以上の監督で唯一の6割超えだ。

■「グラゼニ」の名言届かず

 鶴岡親分が残した「グラウンドにはゼニが落ちている。人が2倍練習してたら3倍やれ。3倍してたら4倍やれ。ゼニが欲しけりゃ練習せえ」という言葉はいまも語り草。金を稼ぎたければ人一倍努力しろという名言だが、どうやら「孫の耳」には届いていなかったようだ。

 鶴岡容疑者は、慶応野球部HPの「将来の夢」欄に「祖父を超える人間になる」と大きな目標を掲げていたが、働きもせず、金をダマし取るだけのただの「詐欺師」だった。

関連記事(外部サイト)