新型コロナに感染し入院療養を経験した企業のトップがその実情をカメラの前で明かしました。

【広島マツダ・松田哲也会長】

「高熱が出て、一度下がって平熱に戻って治ったと思ったら、2日後にまたパンと熱が上がって39度、40度、そのまま下がらなくなったんですけど、やっぱり不安にはなりましたね、とても不安でした」

カメラの前で新型コロナウイルスの恐ろしさを語ったのは、自動車販売・広島マツダの松田哲也会長…。

【広島マツダ・松田哲也会長】

「もちろん消毒や手洗いやうがいやそういったことは徹底してやってきたつもりですし、神経質なほどやりました。それでも感染してしまった」

松田さんは仕事上、社外での会議や会合などに参加するシーンが多いため、基本的な感染対策の他にも、自費でPCR検査などを複数回受け、万が一に備えた細心の注意を払ってきたといいます。

しかし先月、急な高熱とともに感染が発覚。

これは松田さんが撮影した病院に向かう際の映像です。自宅に迎えにきた車は運転席や助手席と後部座席が遮断され、シートにビニールがかかった感染防護仕様になっています。

そして広島市内の病院に入院した松田さん…。肺炎による胸の苦しさや一度下がった熱が再びぶり返して上がるなど、度重なる症状に恐怖を抱く日々が続いたといいます。

【広島マツダ・松田哲也会長】

「ニュースで健康な方が突然、症状を崩してお亡くなりになられるというのは目にしていましたから、もしかしてという恐怖感はありましたね」

それでも、徐々に症状が改善し、退院へと進んだ療養…。

経営する会社内では未だに自分以外に1人も感染者が出ておらず、社外で感染したとみていますが、辛い日々を乗り越えた今、社会に蔓延する空気感に疑問を抱いているといいます。

【広島マツダ・松田哲也会長】

「まだまだ感染したことを周りや会社に知られたくないという人が圧倒的に多いと思う。検査をしない人も多分いるだろうし、隠すということは広がりを防止する点でいってもダメだし、秘密にしなければいけない雰囲気も違うと思う」

そして、広島の経済界に身を置く立場として、ある危機感も感じています。

【広島マツダ・松田哲也会長】

「経済人として補償だけでは生活ができないし、暮らしていけないという人がたくさん出ていることも、もう見過ごせない時期に来ていると思う。

時短やリモートも会社あってのこと、利益あってのことじゃないですか。自粛時短もする一方で、誰かが経済を動かしていくということも、もう今年に入っては考えていかねばというのは切に思う」