ハッピー・ハイポキシア…言葉と正反対の危険な状態[2021/01/25 18:58]
コロナ重傷者のなかで急激に容体が悪化する症状が今、徐々に増えているといいます。その症状が「ハッピー・ハイポキシア(幸せな低酸素状態)」。
教えてくれたのは、さいたま医療センターの呼吸管理が専門の讃井將満教授。重症化するまで分からないハッピー・ハイポキシアとは…。
自治医科大学附属さいたま医療センター集中治療部・讃井將満教授:「(Q.ハッピー・ハイポキシアという名前の由来はどこから?)低酸素状態、通常の我々が血液の中に持っている酸素濃度、酸素飽和度というが通常96%から98%ぐらいあるわけですけども、時に70%、60から50%というそういう(低酸素)状態でも患者さんは苦しくなくて話せる、会話ができる、そういう状態からハッピー・ハイポキシアという言葉が使われている」
つまり、酸素濃度が足りてない状態でも自覚症状がなく、普段通りふるまっている状態がハッピー・ハイポキシアだといいます。
一方で、この間に病状は進行。急激に重症化に陥るといいます。
自治医科大学附属さいたま医療センター集中治療部・讃井將満教授:「実際にパルスオキシメーターで酸素飽和度を測ってみると、もう90%ないって方がかなり多い」
低酸素を察知する神経がコロナウイルスの影響で感じにくくなっているといいます。
急激な重症化をさけるため、酸素飽和度を「パルスオキシメーター」で2時間おきに測定していくことが大事だといいます。
自治医科大学附属さいたま医療センター集中治療部・讃井將満教授:「(Q.パルスオキシメーターがない場合にできる対策は?)やはり自分で自分をよく観察する、あるいは家族がよく観察する。家族が見ると少し反応が鈍くなってきた、そういうサインは危ないサインの一つですよね。できるのであれば、呼吸回数20秒間計って、それを3倍する。それを1時間おきに記録していく。こういうこともできると思います。ベッドが逼迫(ひっぱく)していて(病院で観察が)できない状態ですから、『ご自分でご自分の命を守って頂く』『ご家族が命を守って頂くしかない』という状況」