「菅さん、あなたに総理はムリだったね」全国民が思っていること

人には器というものがある
週刊現代 プロフィール

「年明けから、加藤(勝信官房長官)さんが、森山(裕国対委員長)さんの事務所に何度も通っている。本来、官邸と国対委員長との間を繋ぐ坂井(学)官房副長官がまったく機能しないからです。

森山さんは『こんなに相談や報告に来ない奴は初めてだ』と怒っていた。それで仕方なく、加藤さんが国対とやり取りをする羽目になっている」

菅政権の後ろ盾は、言うまでもなく、二階俊博幹事長。両者の関係は蜜月と言われてきた。ところが実際は、双方の意思疎通がうまくいかなくなっているという。

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「森山さんは、『国会議員の会食は4人まで』というルールを作ろうとして猛批判を浴びた。会食好きの二階さんに配慮したものでしたが、完全に『戦犯』扱いとなり、すこぶる機嫌が悪い。

一方で、下村(博文政調会長)さんが、『4月には政局になる』などと言い出し、『(下村が所属する)細田派が仕掛けてきた』と、派閥抗争の火種も生じている。

つまり、官邸、国対、党すべてが、いまやバラバラになって政府が空中分解しかけている。コロナ対策がうまくいくわけがないんです」(同)

菅が無力ぶりを露呈して苦悶する中、後見役を自任するはずの二階は、表面的には菅を擁護する立場を取っている。

「二階さんは1月7日、党本部に側近の林幹雄選対委員長代理らを集め、観光立国調査会を開き、『緊急事態宣言終了後の、速やかなGo Toキャンペーン再開』などを求めました。

政府へのかなりのプレッシャーになることは間違いありませんが、菅総理については、『支持率なんか気にすることはない。文句をつけようと思ったらいくらでもつけられるが、だったらお前がやってみろってんだ』などと言って庇っています」(二階派担当記者)

とはいえ、融通無碍で朝令暮改の二階のこと。こうした発言を真に受ける者はそう多くない。

「二階さんは、ポスト菅を見越して、自分の手駒探しを始めています。幹事長代行に据えた野田聖子に、『どんどん発信していい』とお墨付きを与えて露出させている。昨年末には密かに石破(茂元幹事長)とも会談し、手持ちのカードとして保持している」(二階派関係者)