時計 2021/01/28 09:30

武下和平さん死去「気さくで偉大な唄者」 奄美島唄を芸術に昇華

出版祝賀会で島唄を披露する武下和平さんと娘のかおりさん=2014年、奄美市名瀬
出版祝賀会で島唄を披露する武下和平さんと娘のかおりさん=2014年、奄美市名瀬
 全国に「奄美島唄」を広め、後継者を育てた唄者武下和平さん(87)の訃報を受け、県内外の音楽関係者は、その功績と気さくな人柄をしのんだ。

 奄美市名瀬のセントラル楽器は武下さんのCDを制作した。指宿正樹会長(69)は「奄美の島唄を引っ張ってきた一人。創業者の父は声にほれ込み、三線もうまかった。残念としか言いようがない」と嘆く。2017年に築地俊造さん、昨年は坪山豊さんが逝去。奄美を代表する唄者の相次ぐ悲報に肩を落とした。

 佐賀市在住の歌手RIKKIさん(46)は武下さんと同じ瀬戸内町出身。数年前に「年齢を重ねるごとに声や節回しがよくなっている」と声を掛けてもらったことが思い出に残る。「どんな時も気さくで、偉大な本物の唄者だった」と悼んだ。

 「武下さんがいなければ今の私はない」と言い切るのは鹿児島市の島唄研究者小川学夫さん(80)。約50年前、東京で武下さんの唄を聞いたのが研究の始まり。「高音で技巧的な節回しが華麗だった。島唄を近代的で芸術的なものにした。ショックだ」と惜しんだ。